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舶来居酒屋 杉の子

学生のころ、函館駅前の柳小路で、
フィズ類を口あたりの良さについ総なめにして、
二日酔いならぬ三日酔いとなった。
ジンフィスにはじまりモカ、バナナ……。もちろん腰がぬけた。

函館が北洋の鮭鱒景気にわき、この通りも夜ともなれば
千鳥足がそこかしこ、遠い昔のことになる。

往時の柳小路  右 初代・杉の子                     2010


柳の葉がゆれるこの柳小路で昭和の最盛期、果物屋のバナナ倉庫だった建物を借りて開業した老舗バー、舶来居酒屋・杉の子

2年ほどまえ再開発のあおりで近くに移転したが、
今も60年あまりの時をきざんで健在だ

ラム酒の炭酸割り・ラムハイは開業当初から人気で、
一杯60円が今や250円
となったが、ご時世からいえば懐にやさしい。

店主・青井元子さんの笑顔も素敵だ

杉の子         右が二代目・青井元子さん             2014


10年ほどまえの夏、初代店主・杉目泰郎が、
港の旧桟橋で一夜だけのバー杉の子を開いた。
僕もかけつけ、開港場の雰囲気を味わい潮風に吹かれる心地良さに酔った。店主の心意気やよし。

アイラ島のシングル・モルトウイスキー 
                                  磯の匂いがつよい野性的なラフロイグが僕のお好み。        2018

二代目の元子さんもその気質をひきついでいる。


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