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わがカメラ事始めは、30年ほどまえのイタリアの旅 出発まぎわに「写真の撮り方入門」を手にした 泥縄そのものであった そんな初心者が プロ仕様のピントも露出も手動のニコンF3で撮って ピンボケだらけのネガの山を築いた アッシジの路地裏 あ、同じカメラを持っている! と お互い思わず駆けよった相手がドイツの女子学生であった ベテラン風情の彼女は プロ風にニコンを「ナイコン」と発音して ライカより良い「キャメラ」、と その後、イタリアの失敗写真から抜けだそうと F3のシャッ
ダブリンの北西30キロにある小高いタラの丘 羊のフンをふまぬよう、そろそろ登って行く あたりはなだらかな牧草地で 羊の群れが草を食んでいる アイルランドに渡ったケルト族は 部族ごとに分かれ小国が争っていたが 王のなかの王ともいうべきタラの王をえらび その王のもとにゆるやかな連合をつくった タラの王は 宗教的な役割が色こくシンボル的存在であった 大陸からキリスト教が伝わり全土に広がるにつれ タラは影をうすめ 10世紀ごろ、タラの王座は消える が、この丘は アイリッシュ
25年まえ。ダブリン空港からホテルまで乗ったタクシーの運転手が、 ギネスは世界最高のビールさ、パブで飲むギネスはうまいぜ、 と盛んにすすめる。 さらに、行きつけのパブの名前を書いたメモまでくれた。 アイルランドの国民的飲料ともいえるギネスを飲まずして、 この国を語れない。 さっそく醸造所を訪ねた。 ただようポップの香りにひかれ見学ルートをカット、パブにむかった。 朝10時すぎ、早や3組の先客が黒ビールを楽しんでいる。 朝からギネスか。 さっそく「パイント、プリーズ」。