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【外食】架電

電話って何のためにあるのかな?
名刺から得た情報を活用して、営業中に悪あがき。
従業員は、みな、それぞれの役割を真摯に行なっている。
お店が暇だから、といってすぐに人員を減らすことはナンセンス。
店長として、お客様を呼ぶために何ができるか?
コン詰めました。

契機はキャバクラ


ヨコシマかもしれません。でも、見習うべき部分は見習うべき。

たまーにでしたが、友人とキャバクラに行く機会がありました。決まって携帯番号とメルアドの交換。(当時はLINEなんて便利なものはなかった)
数日してくるのは、お決まりのお店に遊びに来ませんか?というお誘いメール。もしくは電話。のらりくらりとかわしていたのですが、向こうも向こうで必死なんだよな…まーでも、これで来てくれたら恩の字だよな…

!?

なんかこれを居酒屋の集客に流用できないか!?
試行錯誤はここから始まった。

お店が暇だ…どうしよう…

当時は20時を一つの目安として、早く上がってもらうか、どうするか、平日は悩まない日がなかった。
しかし…せっかく稼ぎたくて真摯に働いてくれている従業員。早上がりだらけではモチベが損なわれる。お店が大丈夫か?とも心配される。

DMを送ったり、メールを送付してみたり…それでも来ない時は来ない…

もはやこれまでか…

諦めるには早すぎる

時間は18時を越えた。客席は閑散。
どうする?
の自問自答。
とりあえずは短い休憩回して、そこから。
…一向に新規ご来店がない…

早上がりか…

所謂『管理的手法』を取るならば、それもまた一つの「理」なのだろう。
しかし、営業が営業ではなくなる恐れ。
『経費節減』よりも欲しいのは『売上』
…何をすべきか…
…何ができるか…

気がつけば名刺ファイルをあさっていた。

もう、その頃には100枚入るファイルが3〜4冊はたまっていて。

会社名、名前…とさらい、顔が思い浮かぶか、お店に好意的か、最近ご来店があったか、など頭の中でグルグルやり、目星をつけて電話をかける。

ここで電話だけに集中したら、お店が回らなくなる可能性から、ドリンカーでドリンクを作りながらの電話。

台本などない。

まさにぶっつけ本番。


様々錯誤する。
『迷惑がられないか』
『今後のご来店に響かないか』
『好意的と思っているのは自分だけなのではないか』
不安を切り出せば、きっと尽きぬだろう。
でも、
『このお店を守りたい』
『従業員の雇用を守りたい』
『ここでお店を潰えさせたくはない』
という気持ちが先に立った。

架電先は、一部上場企業から、地場まで。
最早、断られるのは当たり前。

しかし…
電話口から
『店長、電話なんてどうしたの⁉︎』
となり、こちらはぶっちゃける。
『いやー、今日、お客様が少なくて…それで〇〇さんにご来店いただけないかと思いまして』

やはり、そう簡単に食指は動かない。

ダメ。

行けない。

そんなんばかりが続く…

でも諦めない。

売上予算は決まっていて、日々その達成に向けて動く。
『お店をあけてご来店されるのを待つ』消極的な営業では、馬なりだ。

かけ続けると、

『店長、少し遅くなるけど3人くらいで行くよ!』
と嬉しいお言葉をいただけた。

なんてありがたい。
心で涙した。

一つ獲れると、何故だか勢い付くもので、気がつけば3件獲得できた。客数だと10名くらいか。

まさに奇跡。

行動しなかったら、なかった売上。
行動したから、できた売上。

額の大小はあるかもしれないけど、得たものは大きかった。

頻繁に行うと嫌煙されがちになることや、『逆の販促』になる可能性もあるから、殊更慎重に電話をかける先は選んだ。

何回か繰り返して、営業報告の中でも記載していたら、店長会議の際本社に赴いた際、
「架電の相澤くん」と当時の某部長から言われたっけ。


ダンピングが横行しやすい業態ですが、お客様とのお話と、そこから結ばれる信頼関係が多ければ多いほど活用しがいがあるのかもしれません。

気心の知れた常連様へ電話をかけてご来店を促すことは、店長だからこそできる『営業活動』なのかも知れませんね…

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