『ザ・ワーク』
こんにちは。私は外食業界で約30年勤務し、キャリアコンサルタントとして働く傍ら、現役の労働組合委員長として日々奮闘しています。外食業界といえば長時間労働や劣悪な環境など、さまざまなマイナスのイメージがありますよね。その現実を変えたいと活動する中で、ストレスやプレッシャーと向き合うのは常に私の課題でもありました。そんな私が最近出会ったのが、バイロン・ケイティの『ザ・ワーク 愛と平和に気づく4つの質問』です。この本から学んだ「心の平和」を取り戻す方法についてお伝えしたいと思います。
「ワーク」とは?4つの質問で自分の思考を見つめ直す
まず、この本の核となる「ワーク」とは何かを簡単にご説明します。ケイティは、「ワーク」とは心の中のストレスを生み出す思考に疑問を投げかけ、その真実を探るプロセスだと言います。具体的には、以下の4つの質問を自分自身に問いかけることで、思考を整理し、心の平和を見つけていく方法です。
それは本当ですか?(Is it true?)
まず最初に、自分が抱えている思い込みや信念に問いかけます。たとえば、「部下が自分を尊重していない」と感じることがあるかもしれません。でも、それは本当に真実なのでしょうか?
それが本当だと確信できますか?(Can you absolutely know that it’s true?)
次に、その考えが絶対に真実だと確信できるかをもう一度問いかけます。先ほどの例で言えば、「部下が尊重していない」と100%言い切れる根拠があるでしょうか? このステップでは、多くの場合、私たちが持つ思い込みに揺らぎがあることに気づきます。
その考えを信じたとき、あなたはどのように反応しますか?(How do you react when you believe that thought?)
その思考を抱いたとき、自分がどのように感じ、どのように行動するのかを見つめ直します。例えば、「部下が尊重していない」と思うと、イライラして怒りをぶつけたり、相手を避けたりしていませんか?
その考えがなければ、あなたはどう感じますか?(Who would you be without that thought?)
最後に、その考えがなかったとしたら、自分の気持ちや行動はどう変わるかを想像してみます。もし、「部下が自分を尊重していない」という考えがなければ、あなたはもっとリラックスし、部下とオープンにコミュニケーションを取れるかもしれません。
「ひっくり返し」とは?思考の視点を180度変えるプロセス
4つの質問の後に行うのが、「ひっくり返し(Turnaround)」です。これは、もともとの考えを反転させて新しい視点を探るステップです。ここで重要なのは、自分の思考の固定観念から離れ、他の見方を見つけることです。
たとえば、「部下が自分を尊重していない」という考えに対して、「ひっくり返し」を行うと次のような新たな視点が見えてきます。
「自分が部下を尊重していない」
部下の立場や意見に耳を傾けず、自分のやり方を押し付けていた部分はないでしょうか?この新たな見方を持つことで、自分の行動を振り返るきっかけになります。
「部下が自分を尊重してくれている」
もしかすると、表面的にはわからなくても、部下が別の形であなたを尊重している可能性はありませんか?小さなことでも、気を配ってくれている瞬間があるかもしれません。
このように、ひっくり返しによって、自分が抱えていた思い込みに他の可能性を見出すことができます。これにより、自分の中にあったネガティブな感情やストレスが驚くほど和らぐことがあります。
外食業界の現場で「ワーク」を実践して気づいたこと
外食業界の現場では、多くのプレッシャーや人間関係の悩みが付きものです。キャリアコンサルタントや労働組合の委員長として活動している私も、日々多くの人の不安や悩みに直面します。『ザ・ワーク』の4つの質問と「ひっくり返し」を取り入れることで、まず自分の思考をクリアにすることの重要性に気づかされました。
例えば、「業界全体が長時間労働から抜け出せない」といった思考に対して、「ワーク」を行いました。「それは本当ですか?」と自分に問いかけると、確かに課題はあるものの、少しずつ働きやすい環境を作る取り組みを行っている店舗や企業もあることに気づきました。次に、「絶対にそれが真実か?」と聞くと、全てがそうだとは限らないと感じました。さらに、この考えを持っていたときの自分を振り返ると、どうしても悲観的になり、変革への意欲を失っていたことを思い出しました。しかし、「その考えがなければ?」と考えると、新しい取り組みに希望を持ち、現場で積極的に動ける自分を想像できたのです。
「ワーク」がもたらす変革:思考を変えれば見える世界が変わる
『ザ・ワーク 愛と平和に気づく4つの質問』は、私たちの心の中に潜む思い込みやストレスの正体を明らかにし、心の自由を取り戻す方法を教えてくれます。外食業界のイメージを変えるためには、まず自分自身が抱えている固定観念やストレスを解放し、新しい視点を持つことが必要だと痛感しました。
まとめ:変革の第一歩は「自分の思考を問いただすこと」
『ザ・ワーク』は、難しい理論やテクニックではなく、シンプルな4つの質問から始められるものです。忙しい日々の中でも、自分の考えに少し立ち止まり、この4つの質問を問いかけてみることで、驚くほどの変化が訪れるかもしれません。
「外食業界を変える」「職場をより良い場所にする」といった大きな目標を持つ私たちにとって、まず必要なのは、心の平和を見つけること。『ザ・ワーク 愛と平和に気づく4つの質問』は、そのための素晴らしい道しるべです。ぜひ皆さんも一度この4つの質問を使って、自分の思考を「ひっくり返し」、新たな視点を手に入れてみませんか?
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