街に立つ


初出撃


場所は新宿、世界一の乗降客数を誇る繁華街

とにかく人はいる

渋谷、池袋と並んでナンパ激戦区だ

深まる秋の夜


(何を着ていこうか…

ハズレが少ない無難なもので

スーツスタイルにしようっ!)

このときは小物に気を遣うこともしていない

髪型もダサかった

しかし、

12人に声をかけて

1人居酒屋に連れ出した


(もしかして、俺は凄腕より

良いスタートを切れているのでは…)


完全なるビギナーズラックだ

その子は深夜高速バスまでの暇つぶしだった

イッパシのナンパ師なら、なにか事件が起こせる案件


塾で習ったことを思い出そうにも何も身についていない、自分のこれまでのやり方をぶつけるしかなかった

結果はバスタ近くまで案内して解散となった

結果は無惨だがその時は気分が良かった

この調子ならすぐに成果が出るかもと期待した

そんな甘い考えはすぐに砕かれたが、今考えても幸運だ



地蔵になりやすいかどうかは最初が肝心と言われている

その点で俺は恵まれていた

運も人生の重要な要素であることは間違いない

それだけはあるから続けられてるのだと思う


こうして俺の初出撃はアラフォーのおっさんとしては望外な船出となった

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