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閑話三昧 #7 ~ブレードランナー

映画「ブレードランナー」について一家言あるひとは多いと思う。
「ブレードランナー2049」(2017)もわるくないと思うが、ここは1982年公開版のほうにフォーカスしたい。

Wikipediaにそうとう詳しい解説がある。
原作は、フィリップ・K・ディックのSF小説であることはご存じであろう。
ただし、世の常として映画と原作はことなることが多い。

この映画が、静かではあるが長らくカルト的人気をはくしている理由のひとつは、ビデオやDVDの普及によって映画館では見落とした細部の作りこみに気づいたファンが多いからだろう。私もそのひとりだ。

40年もたつと世の中の情況も作品の見かたも変わる。
人間と機械ではなく、人間と知性ある存在との関係性に変化はあるのか。

レプリカントは悪者?

映画と小説で異なるのは、小説ではアンドロイドとよばれている存在が、映画ではレプリカントとなっていることだ。

ブレードランナーの仕事は、レプリカントの排除だ。
レプリカントたちは別の星で殺人をおかして、地球・ロサンゼルスに逃亡してきた。

かれらはバイオ工学の産物で、ロボットやアンドロイドのような機械ではない。だから人間に危害を加えてはならないという「アシモフのロボット工学三原則」のようなものにも従わないのか。
しかもレプリカントの寿命は4年しかない。

レプリカントは、表面的には人間と区別がつかない。
ブレードランナーは、相手にいくつかの質問をし、その反応からレプリカントを見分ける検査技術を有している。

V-K検査

「フォークト=カンプフ(Voight-Kampff)検査」は人間とレプリカントを区別するための架空の検査法で、そのための唯一の方法である。この時代に生きる人間の感情を大きく揺さぶるような質問を繰り返し、それに対して起きる肉体的反応を計測することで、対象が人間かレプリカントであるかを判別することができる、とされている。

検査は専用の分析装置を用いることによって行われ、装置は本体に黒い大きな蛇腹状のパーツと数種類のモニタを備え、本体から伸びる伸縮式のアームの先には反射鏡式光学照準装置のようなものが取り付けられている。アーム先端の装置には虹彩を計測するビデオカメラを内蔵しており、収縮する蛇腹状のパーツは「対象者の身体表面より発散される粒子を収集するための装置」である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ブレードランナー
Voight-Kampff Test

チューリング・テスト

レプリカントをAIにおきかえてみるとどうか。


私: 話し相手がAIか人間か見分ける方法はあるのだろうか?

Bing AI:
チューリングテストは、人工知能が人間のように思考する能力を評価するテストで、1950年にアラン・チューリングによって提案されました。 このテストは、質問者がコンピュータと人間のどちらと対話しているかを判断するもので、AIが人間のように答えることができれば、そのAIは高度なものと評価されます。チューリングテストは、機械学習や自然言語処理などの分野で広く使用されています。

  • あなたはどこに住んでいますか?

  • あなたは何歳ですか?

  • あなたは何をするのが好きですか?

これらの質問は、人間とコンピュータの両方が答えることができるため、チューリングテストでは広く使用されています。ただし、チューリングテストは完全な評価方法ではなく、人工知能が人間と同じように思考することを証明するためには不十分です。


なるほど。現状の生成AIでも、テストをクリアすることは可能そうだ。
将来は電話の相手、ビデオ面談の相手が本物の人間かどうか見分けるのもたいへんになるかもしれない。

            *   *   *

レプリカントたちは、もっと生きたいという感情をもってしまったために反乱をおこしたのだ。
現在の生成AIは、どう見ているだろう。


Bing AI:
AIが知性や感情を持つことはできないと考えられています。AIは、プログラムされたルールに従って動作するため、人間のような自己意識や感情を持つことはできません。

ただし、AIは人間のように複雑な問題を解決することができます。例えば、自然言語処理や画像認識などの分野で、AIは人間以上の精度を発揮しています。


AIが知性や感情をもつことはない・・
そう、今のところは。

RACHEAL
イラスト: TAK3

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