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村上小説の舞台、早稲田のレッドピーマンという説

ノルウェイの森はどれだけ売れたのか?猫も杓子もノルウェイの森を読み、赤と緑の本を持ち歩き、恐ろしいことになったわけだけど、この話は、その中で私の妄想である。

主人公と、ミドリがノートの貸し借りをして、お礼の意味でランチを食べるシーンがある。僕はこの店を勝手に文キャンの前にあるレッドピーマンというお店と思ってる。

ハンバーグやグリルのチキンなど脂っこいおかずをプレートに並べる描写が、そう信じさせた。少なくともミドリと主人公が初デートでランチを食べたのは、おとぼけでもキッチン南海でもないはずだ、と仮定した。

お昼にせよ夕飯でも、500円も払えば腹いっぱい食べられるこの街で、千円超えの定価でお高い、というイメージのあった店だが、早稲田らしくないおしゃれな雰囲気が、文学部の女の子たちに人気だった。

そして検索してみて驚いたのは、今やこの店すら営業してないそうだ。三朝庵、ふくちゃん、など長い閉店のリストを見て、ノルウェイの森も随分昔の話だったのか、と改めて思う。

ヒットしすぎても、好きな本だし、この流れにある「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」など、リアルな世界を描いた羊男も双子も出てこない村上春樹の世界の象徴、レッドピーマン。

おとぼけでカツカレーを食べた故に笑われた女の子もいたことを思い出す。

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