本屋についてあれこれ。

以前僕が住んでいた街の地下鉄の駅上の交差点に小さな本屋さんがあった。未だにツイッターのアカウントをフォローしてるので、たまに開くと、入荷した本を紹介しているのだが、趣味がいい本だらけなのだ。
 
お店のレジ前の一角が、店主の好みで仕入れたコーナーなのであろう。地元の歴史や文化を扱ったもの、メディアの推移を論じたもの。政治など、ちょっと面白そうな本が並んでいて、そこを見に行くだけで楽しめた。

そのコーナーを、流行りの文庫や芸能人本、漫画、はたまた雑誌に変えれば、坪当たりの売上は増えるのだろうが、それは店主のプライドが許さないのだろう。地域の文化のキュレーターとして、いい本を紹介しようという意思が好きだった。

大きなところでは今はもう亡きパルコブックセンターやリブロという堤清二系本屋にそんな香りが漂っていた。

なんの予定もない土日、面白そうな本を探し、本をパラパラ見ながらお茶をして帰ってくる休日、好きでした。それが渋谷のパルコ、池袋のリブロ、神保町の三省堂まで行かずとも、地元でできたのがありがたい。そういえば、神保町の地下鉄の階段を登っていると、見たことある人が、本の詰まった、重そうな大きな紙袋を持って歩いていた。知の巨人立花隆さんだった。立花さん的には神保町なんだろうな、と思った。渋谷のパルコの地下ではないのだ。

神保町といえば、司馬遼太郎さんはなにかほんのテーマを決めると、神保町の古本屋を空にするくらいそのテーマの本を集めるそうだ。坂本龍馬なら、彼について書かれた本はもちろん、手紙までも集めて、それらをじっくり読んだ上で本を書く。そしてその知識が記憶され、必要に応じて出てくる。お二方とも知の巨人として尊敬する方たが、インプットも恐ろしいほどされていた。

本といえば、映画「you've gotta mail」はトム・ハンクス経営の巨大ブックチェーンが、進出することで、母親の代からのメグ・ライアン経営の小さな、子供のための本屋を閉鎖に追い込む話でもあった。まだaolがコミュニケーションの時代で、アマゾンもラインもワッツアップもない時代のお話。いま作者のノーラ・エフロンが生きていたら、ネット時代をどんなふうに書くのか楽しみだった。

僕は2度ほどお登りでニューヨークに行ったことあるのだが、その時たまたま行ったのが、古本屋さんだった。古本屋と言うより、新刊時代売れなかった本が大量に集められ、安く売られるお店は、持ち帰りの布のバックも人気だった。そこで買った、トム・ハンクス、メグ・ライアンのおしゃれコメディの脚本家、ノーラ・エフロンのエッセイ、首のシワが気になって、という本は面白かった。日本では阿川佐和子さんが翻訳していた。そう!こんな本が探したいのだ。ここはもう一度行きたい。

最近、鳥取大学医学部附属病院にできた本屋さんや、スーパーの実用書だらけの本コーナー、村上春樹図書館など本について考える事が多い。




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