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宮城県|公立高校入試統計問題2023

 ある学年のA組,B組,C組は,どの組にも35人の生徒が在籍しています。これら3つの組の各生徒を対象に1か月間に図書室から借りた本の冊数を調べました。下の図は.組ごとに各生徒が借りた本の冊数の分布のようすを箱ひげ図に表したものです。この箱ひげ図から必ずいえることを,あとのから1つ選び,記号で答えなさい。

 第1四分位数は,A組とB組で同じである。
 四分位数がもっとも小さいのは,A組である。
 借りた本の数が6冊以上である人数は,B組がもっとも多い。
 借りた本の冊数が2冊以上8以下である人数は,C組がもっとも多い。

 ひとつ問題文を確認しておきます。「必ずいえること」を選ぶということは,そうかもしれないけど,そうじゃないかもしれない,ということは選んではいけない,ということです。
 「そうじゃないかもしれない」例を挙げられれば,必ずいえることではないということなので,選んではいけないことがわかります。
 1つ1つ確かめていきましょう。

ア:第1四分位数

 箱ひげ図において,第1四分位数は箱の左側の辺で表されます。
 A組とB組の箱の左側の辺が表す値はそれぞれ3冊と4冊で異なりますね。
 ですから×

イ:四分位範囲

 この箱ひげ図の場合,四分位範囲は箱の横の辺の長さで表されます。
 最も短いのはB組ですから×

ウ:区間に含まれるデータ数その1

 データ数は,各組共通で35ですので,区間に含まれる人数も比べやすいですね。
 各組とも値の小さいデータから順に【1】~【35】とあらわすと,
   ★中央値は【18】
   ★第1四分位数は【9】
   ★第3四分位数は【27】
です。

 中央値をみると,A組とC組は6冊よりも小さいですから,中央値より右側の区間に含まれているはずの17人よりは少ないはずです。

 B組は中央値が6冊ちょうどですから,少なくとも【18】番をふくめた18人よりも多いことがわかります。

 ということで,B組が最も多い。〇

エ:区間に含まれるデータ数その2

 念のための選択肢の正誤も確認しておきましょう。2冊以上8冊いいかというのは,C組はちょうど箱の区間(四分位範囲)で,第1四分位数にあたる【9】から第3四分位数に当たる【27】がこの箱の中にあることがわかります。この区間にあるのは19人。そして,最小値と最大値はこの区間に含まれませんので,最大でも33人ということになります。

 ところが,A組をみると,ちょうど左のひげの左端から右のひげの右端まで。つまり,この区間が最小値から最大値の範囲ということになります。ですから,35人全員がこの区間に含まれます。
 というわけで,C組が最も多いとは言えません。×


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