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福岡県|公立高校入試統計問題2023

 農園に3つの品種A,B,Cのいちごがある。孝さんと鈴さんは,3つの品種のいちごの重さを比べるために,A~Cのいちごをそれぞれ30個ずつ集め,1個ごとの重さのデータを図1のように箱ひげ図に表した。
 下の会話文は,孝さんと鈴さんが,図1をもとに,「重いいちごの個数が多いのは,A~Cのどの品種といえるか」について,会話した内容の一部である。

孝さん: AとCは,箱ひげ図が同じ形だから,_下線部①_範囲や四分位範囲_ などが異なるを比べたいけど,どうやって比べたらいいかな。

鈴さん: 基準となる重さを決めて,比べたらどうかな。例えば,基準を25gにすると,25g以上の個数は,の方がより多いといえるよ。から,個数の差が1個以上あるとわかるからね。

孝さん: 基準を34gにしても,34g以上の個数は,ひげの長さの違いだけではわからないから,のどちらが多いとはいえないなあ。

鈴さん: 基準を30gにすると,30g以上の個数は,の方がより多いといえるよ。

孝さん: _下線部②_図1から,30g以上の個数は,が15個以上,が7個以下_ とわかるからだね。

鈴さん:  箱ひげ図を見て基準を決めると,重いいちごの個数が多いのは,とBどちらであるか比べられるね。では,箱ひげ図が同じ形の_下線部③_のデータの分布_ の違いをヒストグラムで見てみようよ。

次の(1)~(3)に答えよ。

(1)下線部①について,のデータの範囲とのデータの四分位範囲を求めよ。

(2)下線部②は,次の2つの値と基準の30gを比較した結果からわかる。

のデータの(X)    のデータの(Y)

 (X),(Y)は,それぞれ次ののいずれかである。(X),(Y)をそれぞれ1つずつ選び,記号をかけ。また,Aのデータの(X)とBのデータの(Y)を数値で答えよ。
 最小値     第1四分位数     中央値
 平均値     第3四分位数     最大値

(3)下線部③について,図2は,Aのデータをヒストグラムに表したものであり,例えば,の重さが22g以上24g未満の個数は1個であることを表している。
 図2において,重さが30g未満の累積度数を求めよ。また,のデータをヒストグラムに表したものが,次のに1つある。それを選び,記号をかけ。

(1)範囲と四分位範囲

 (範囲)=(最大値)-(最小値)
 (四分位範囲)=(第3四分位数)-(第1四分位数)ですから

範囲は  36-23=13(g)
四分位範囲は 33-27=6(g) です。

(2)区間に含まれるデータの個数

 ちょっと出題に癖がある感じですが,2つの値と基準の30gをみてみることにしましょう。それぞれのデータの30gの付近にあるのは・・・

 Aの(X)は中央値31g)で,30gよりも大きいことがわかりますので,確かにデータの50%以上,15個以上があることがわかります。

 一方のBの(Y)は第3四分位数29g)で,30gよりも小さいですから,30g以上となるデータは7個以下であることがわかります。

(3) 累積度数,正しいヒストグラム

 まずは,図2から累積度数を求めることにしましょう。累積度数とは,各階級について,最初の階級からその階級までの度数を合計したものです。ヒストグラムに,各階級の度数を書き加えて,合計をしていきましょう。

 答えは14個ですね。単位は14gではないので気をつけましょう。
 それではつづいて,正しいヒストグラムを選んでみましょう。
 手がかりは箱ひげ図からすぐに読み取れる5つの情報です。

 それぞれの値に対応する小さい方から順に並べたときのデータの番号を下に書いておきました。ヒストグラムから読み取れる累積度数と,箱ひげ図が正しく対応しているものを選べばよいわけです。

第1チェックポイント 最小値

 箱ひげ図から,最小値は23です。いずれのヒストグラムも,最小値が含まれる階級値が22g以上24g未満ですので,どれも矛盾はありません。

第2チェックポイント 最大値

 箱ひげ図から,最大値は36です。のヒストグラムは,最大値が含まれる階級値が24g以上26g未満ですので,ここで脱落します。ア・ウ・エの中から探します。

第3チェックポイント 第1四分位数

 箱ひげ図から,第1四分位数が27gで,これは小さい順から並べたときに8番目のデータの値になります。
 このことから,「26g以上28g未満の累積度数が8個以上」で,その1つ手前の階級について「24g以上26g未満の累積度数が7個以下」であることをチェックします。

 アがこの条件にあてはまりませんので,ここで脱落。残るはウとエですね。

第4チェックポイント 第3四分位数

 箱ひげ図から,第3四分位数が33gで,これは小さい順から並べたときに23番目のデータの値になります。
 このことから,「32g以上34g未満の累積度数が23個以上」で,その1つ手前の階級について「30g以上32g未満の累積度数が22個以下」であることをチェックします。
 あてはまるのはだけですね。

念のための中央値もチェック

 中央値31gをはさむ【15】【16】のデータとも,31gの含まれる階級30g以上31g未満の階級にありますので,こちらも条件に合っていますね。
 まあ,チェックしてうまくいく順番に並べてしまいましたが,条件に合わないものを消去法で消していく,ということになると思います。

(1) 範囲 13g    四分位範囲 
(2) 記号(X) ウ   (Y) オ 
値 (X) 31g (Y) 29g
(3) 累積度数 14個   ヒストグラム 


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