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フランシスコ・バレット・ジュニア(ブラジル)の平行棒/2019年世界選手権の演技

ブラジルチーム最年長、フランシスコ・バレット選手。
身長が175cmと高く、長身を活かせるあん馬や鉄棒を得意とします。

今年、南北アメリカ大陸の国々の選手が集まるパンアメリカン競技大会では種目別あん馬で優勝しています。
そして、前回自国で開催されたリオ五輪では鉄棒で種目別決勝に進んでいます。メダル獲得はならなかったものの、完璧な演技を実施して会場を大いに盛り上げました。

今回紹介するのはバレットの平行棒。
前回紹介した【ヒーリー】の対になる技、そして宙返り技の2つを紹介します。

まずは【ヒーリー】の対になる【ディアミドフ】という技。
その内容は「前振り片腕支持1回ひねり倒立」というもの。
【ヒーリー】は「後ろ振り片腕支持1回ひねり支持」ですが、その対になるとはどういうことか。

【ディアミドフ】とは、【ヒーリー】を逆再生した動きをする技なんですね。
反対を言えば、【ヒーリー】とは【ディアミドフ】を逆再生した技ということになります。
ほぼ全員が使う【ヒーリー】に対して、【ディアミドフ】を使う選手は約半数ほどになります。

前回も載せましたが【ヒーリー】とはこの動きでしたね。

ヒーリー

これを逆再生するとこうなります。

ヒーリー逆再生

このように、【ディアミドフ】とは、脚を前に振り上げながら片腕だけでバランスを取り、1回ひねった後に倒立にハメる技
導入部で様々な動きと組み合わせることで、難度を上げることができます。
この技は【ツイスト倒立】をやろうとして腕を離すことができずに失敗したことによるリカバリーから生まれた技だそうです。

そしてもうひとつ紹介するのは宙返り技、俗に《爆弾宙返り》と呼ばれる動きです。
その内容は「前方開脚5/4宙返り腕支持」というもの。
両棒の上で開脚をしながら前方宙返りをして、腕支持で受ける技です。

爆弾宙返り

これは頻出技なので覚えておいて損はありません。
内村選手もやっていた技ですし、全日本選手権ではほとんどの選手がやっている技です。

バレットの平行棒の演技では、棒下宙返り倒立系の技を2つやった後に【ディアミドフ】、その直後に《爆弾宙返り》をやっています。

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長身ゆえに技一つひとつが大きく見えて演技が映えますね。
反対に体が重そうな印象もあり、体系で苦労していそうなのが見えてくる演技でもあります。
Eスコアは7点台と、揮いませんでした。



追記:バレットは鉄棒を得意としていて、リオ五輪でもファイナリストになっていましたが、今回は決勝に残ることができませんでした。
個人的には結果と内容には満足している様子なので安心しました。


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