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ヴラジスラフ・ポリャショフ(ロシア)のあん馬/2019年欧州選手権種目別決勝の演技

ロシアの個人枠代表、ヴラジスラフ・ポリャショフ選手。
2019年の世界選手権では、ロシアが団体総合を制しました。

1991年にソビエト連邦が崩壊し、「ロシア連邦」が誕生してから、ロシアが世界選手権の団体で優勝するのはこれは初めてのことでした。

ポリャショフはこの時、団体メンバーにはおらず、補欠としてユニフォームを着ていました。
世界選手権には2014年に一度代表になっていて、今回は7年ぶりの正代表となりました。

ロシアというのはなんともおもしろい国で、
ゆか・つり輪・跳馬が得意なタイプの選手と
あん馬・平行棒・鉄棒が得意なタイプの選手に、綺麗に分かれるんです。

ポリャショフは後者のタイプで、あん馬と平行棒を特に得意としています。
2019年のヨーロッパ選手権では種目別あん馬で3位になりました。
ワールドカップでは、平行棒で、優勝を含む表彰台に何度も上っています。

今回はあん馬の交差技、「セア」系の技の紹介の続きです。
前回はB難度の《ひねりセア》を紹介しました。
この《ひねりセア》に「とび」の要素を加えた技がC難度の【とびひねりセア】です。

あん馬の名称

①~③もしくは⑤~③、また、③~①もしくは③~⑤へ移動しながらひねりを加えるという技です。
このGIFでは③~⑤へ移動しています。
こちらも前回同様、「逆交差入れ」じゃないとC難度が取れず、B難度になってしまいます

とびひねりセア

そしてもう一つセア系の技を。
ここでポリャショフがやっているのが【逆交差倒立】というD難度の技です。《バックセア倒立》とも言いますね。
セアに倒立の要素も入れてしまいます。

セアには「とび」「ひねり」「倒立」の要素が加わり、それぞれの要素を組み合わせたりすることで難度が上がっていきます。
これも、ゆかのグループⅠと同様、E難度以上の技はなく、D難度が最高難度になります。

動画では冒頭に①《とびひねりセア》続いて②【逆交差倒立】
ポリャショフはセア倒立がスムーズに倒立に上がっていて、そのあとのセアもつま先が高い位置にあっていい実施です。
流れるようなリズム感の良い演技で、スタッと静かに終わる着地が気持ち良いです。

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ポリャショフは種目別ワールドカップで平行棒のスペシャリストとして予選に参加していましたが、ヨーロッパ選手権でカルツェフが大陸枠を獲得したことで、これに参加する必要がなくなり、平行棒以外の種目も演技できるようになりました。



追記:ポリャショフ程の力があっても決勝に行けないというのは厳しい世界ですね。
ポリャショフもいつか団体に入れるように頑張ってほしいです。
ポリャショフのあん馬と平行棒は人を魅了する素晴らしい演技です。

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