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アデム・アジルの鉄棒/2021年欧州選手権種目別決勝の演技

エジプトからトルコに移籍したアデム・アジル選手

毎年開催されているヨーロッパ選手権ですが、今回は東京オリンピックの予選も兼ねていました。
東京オリンピックの出場枠のひとつ「大陸枠」としてヨーロッパ2枠、アジア2枠、アフリカ2枠、アメリカ2枠、オセアニア1枠が与えられていたのですが、
ヨーロッパ選手権の結果により、ヨーロッパの2枠のうち1枠をアデムが勝ち取りました。

アデムはこの大会で大活躍。
個人総合で大陸枠を勝ち取っただけでなく、種目別でもゆかと鉄棒で決勝に進みました。
トルコの国内大会では個人総合で86点台を記録して優勝もしています。
跳馬では15点台も取れる貴重な人材です。

さて、前回はトカチェフ系の技【伸身トカチェフ】と【リンチ】を紹介しました。
今回はもうひとつトカチェフ系の発展技、そして、【ヤマワキ】の発展技も紹介します。

【ヤマワキ】は前回も話題に出しましたが、「後ろ振り上がり伸身閉脚とび越し1/2ひねり懸垂」という技でしたね。
これとトカチェフひねり【リンチ】のひねり要素を加えたものが「ヤマワキひねり」技名を【ミュノス/ポゾ】と言います。

ヤマワキのおさらいです。

ヤマワキ

そしてトカチェフひねり=【リンチ】はトカチェフを半分ひねる技でしたね。

リンチ

ヤマワキの動きにひねりの要素を加えるとこのような技になります。

ミュノス_ポゾ

このひねりの要素を、前回紹介した【伸身トカチェフ】にも応用したのが【モズニク】という技です。

モズニク


この【ミュノス/ポゾ】そして【モズニク】の2つは、D難度の【ヤマワキ】【伸身モズニク】にひねりの要素を加えたことで難度がひとつ上がって、両方E難度になります。

コバチ系の苦手な選手はトカチェフ系やヤマワキでDスコアを稼ぐ選手もいますね。

アデムの鉄棒の演技では、冒頭にいきなり「ヤマワキひねり」=【ミュノス/ポゾ】を実施、片手で車輪を回った後に【伸身トカチェフ】そして次に【モズニク】をやっています。
後半には【トカチェフ】と【リンチ】もやっていますね。
演技に勢いがあって、着地も止まって素晴らしい実施です。

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このヨーロッパ選手権種目別鉄棒では3位に入り、表彰台に上りました。
この大会を機にブレイク、その後行われたワールドカップでも跳馬で最高難度の技を披露しています。

トルコは団体での出場権は得られませんでしたが、個人枠を最多の4つ勝ち取っています。そのうちのひとつが大陸枠のアデム。
トルコの新星オールラウンダーとして、東京オリンピックでは個人総合でも種目別でも活躍が見られそうです。


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