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サミュエル・ミクラック(アメリカ)の鉄棒/2018年世界選手権種目別決勝の演技

アメリカ団体の大黒柱、ロンドン、リオに続き3大会連続出場となるサミュエル・ミクラックです。

2012年から2019年までオリンピック、世界選手権に出場し続けた彼ですが、個人でメダルを獲得したのは2018年の種目別鉄棒の銅メダルのみ。
実力もあり、知名度もありながらメダル獲得の経験は少なかった選手です。
ロンドン、リオと共に戦ってきた同世代の仲間は皆引退し、学生を中心とした若返ったアメリカチームにただ1人ベテランが入りました。

今回はミクラックが唯一個人で銅メダルを獲得した2018年の種目別鉄棒から、コバチ系の大技を2つ紹介します。
テレビでも名前をよく聞く技なので絶対覚えておいてください。

ひとつは【コールマン】、コバチに1回ひねりを加える技です。
もうひとつは【カッシーナ】、【コールマン】を伸身姿勢で行う技です。

まずは【コールマン】
基本となる【コバチ】「バーを越えながら後方抱え込み2回宙返り懸垂」の動きはこちらでしたね。

コバチ

これに1回ひねりを加えると
【コールマン】「バーを越えながら後方抱え込み2回宙返り1回ひねり懸垂」でE難度になります。

コールマン

そして【コールマン】を伸身で行うと
【カッシーナ】「バーを越えながら後方伸身2回宙返り1回ひねり懸垂」というG難度になります。

カッシーナ

【カッシーナ】は「伸身コバチ1回ひねり」と表現されることもありますが、技の性質から「伸身のコールマン」と呼ぶ方がベターかなと思います。

【カッシーナ】【コールマン】【コバチ】の3つは鉄棒が得意な選手にはよく使われる技なので覚えときましょう。
【コバチ】と【コールマン】の違いは、ひねっているかどうか
【コールマン】と【カッシーナ】の違いは体が伸びている(伸身)かどうかです。

ミクラックはトカチェフ系の技も使います。
演技の冒頭に①【カッシーナ】、続けて②【コールマン】、更に③《伸身トカチェフ》、そして④【トカチェフ】と⑤【リンチ】(トカチェフひねり)を連続して実施しています。

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ミクラックはあん馬で自身の名を冠する「ミクラック」という技を持っています。
かつて平行棒で新技を開発したのですが、怪我で世界選手権に出場できなくなり、その大会で、ブラジルのササキという選手にその技を先に発表されてしまったため、その技には「ササキ」と名前が付けられました。
それが悔しかったようで、二度と同じ過ちはすまいと、今度はあん馬で新技を開発し、それが「ミクラック」と名付けられました。

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