2017年個人総合チャンピオン・肖若騰(中国)のあん馬/2018年世界選手権予選の演技
2018年種目別あん馬チャンピオンであり、2017年の個人総合世界チャンピオン、中国のエース・肖若騰です。
2015年の世界選手権では6人の団体代表メンバーの1人として出場していましたが、翌2016年のリオ五輪では、怪我で代表から外れ、肖を除く5人で出場していました。
そんな肖が、リオ五輪翌年の2017年に個人総合で世界チャンピオンになり、今では団体の要になりました。
今回は種目別で金メダルを取った年のあん馬から、今回はセア系の最高難度であるD難度の技を紹介します。
前回、セアに応用できる要素として「ひねり」「とび」「倒立」があると書きましたね。
今回はその中の「倒立」技を2つ紹介します。
と言っても、ほとんど同じ動きをするのであまり双方の違いを意識しなくて良いと思います。
セアには、基本として【正交差】(セア)と【逆交差】(バックセア)があると書きましたね。
それぞれのセアから足先を上に持ち上げて倒立に上げる動きが【正交差倒立】と【逆交差倒立】です。
それぞれ見てみましょう。
【正交差倒立】(セア倒立)
【逆交差倒立】(バックセア倒立)
どちらもセアの振動を利用して片方のポメルだけで倒立をする技です。
セア系の技は演技の冒頭に入れることが多いのですが、なぜか中国選手はセア系を演技の中盤に入れる選手が多いです。
代々の指導者の方針なのかはわかりませんが、肖も④と⑤で2つのセア倒立を入れています。
中国・ロシア・日本は団体総合で金メダル争いをする国です。
2018年は中国、2019年はロシアが団体を制し、日本は両年とも銅メダルに甘んじています。
この時とは団体の人数も違い、新しい選手も入っています。
僕の予想では、団体メンバーを見る限りでは、18演技ちゃんと通せれば確実に日本が優勝できると思います。
肖は世界チャンピオンになった後年にはロシアの選手に個人総合チャンピオンの座を明け渡していたり、団体でロシアに惜敗したりと、悔しい思いもしているので、それをバネにまた力をつけていることと思います。
怪我をしていて万全ではないとの情報もあるので、個人総合に出るかはわかりませんが、全種目やらないとしても出場する種目は全力でぶつかってくると思うので、日本にとっては怖い存在でもあります。
追記:個人総合は3位通過。2017年個人総合チャンピオンとして、前年チャンピオンのナゴルニー、そして日本の橋本大輝を下すべく挑みます。
種目別はゆかで決勝に残っています。肖は2019年に種目別ゆかで銅メダルを獲っています。その勢いのままメダルをもぎ取るかもしれません。
再追記:個人総合で見事銀メダルを獲得しました!
1種目めのゆかから最後の鉄棒まで、危なげのない演技を淡々とこなして再び表彰台に帰ってきました!
6種目すべてで14点超え!特につり輪の成長にはびっくりしました!
もう銀メダルは欲しくないと言っていたほど負けず嫌いにも関わらず、橋本選手の鉄棒に素直に拍手していた姿に、彼もスポーツマンなんだなと感服しました。