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デニス・アブリャジン(ロシア)のつり輪/2019年欧州選手権種目別決勝の演技

ロシアの大ベテラン、デニス・アブリャジンです。
今回は団体ではなく個人としての出場となっています。
しかし、ロシアはリオ五輪で直前になって団体メンバーを変え、団体銀メダルを獲得した例があります。
もしかするとアブリャジンが団体メンバーになるかもしれません。
が、ここは一旦個人枠での出場として扱います。

アブリャジンはロンドン・リオと出場しており、今回で3大会連続出場になります。
ロンドン五輪では種目別ゆかで銅メダル、跳馬で銀メダルを獲得。
リオ五輪では団体銀メダルのほか、種目別つり輪で銅メダル、跳馬で再び銀メダルを獲得しています。
オリンピックのメダルは計5つ持っていますが、金は未だありません。

世界選手権では、2014年に種目別ゆかで、白井健三を抑えて金メダルを獲得しています。

このように、ゆか、つり輪、跳馬に特化したマルチタレントなんです。
こういう選手は団体で重宝されます。今回は個人枠ですが。

そのなかでも特に力を入れてるのがつり輪です。

2019年の世界選手権ではつり輪1本に絞って出場しています。
メダル獲得はなりませんでしたが、決勝には進んでいます。

同じ年のヨーロッパ選手権では種目別つり輪と跳馬でも優勝しています。

今回はアブリャジンのつり輪から、前回紹介した【蹴上がり】からの力技を紹介します。

【蹴上がり】もまた、力技と組み合わせることで難度が上がる要素のひとつです。
まずは【蹴上がり十字懸垂】です。
蹴上がりの動きで脚を前に振り出しながら腕を広げ、十字懸垂の形に収めます。C難度です。

蹴上がり十字


次に【後方蹴上がり中水平】です。
これは「後方」と着いていることからわかるように、脚を前ではなく後ろ方向に振り出します。後ろに振り出した脚を下に落とさず維持し、中水平の形に収めます。
振り上がり中水平と同じくE難度です。

蹴上がり中水平

この【後方け上がり中水平】は最近使われ出して、少しずつやる選手が増えてきています。
この技を使うのはロシアの選手が多いのですが、日本の谷川航選手も使う技です。
あん馬の【ミクラック】もそうですが、国によって使う技が偏るっていうのもおもしろいですよね。

アブリャジンのつり輪は、《後転中水平》をやった後に【後方け上がり中水平】、振動系をやった後、【アザリアン】から続けて【蹴上がり十字】を実施しています。

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2019年の世界選手権、ロシアは団体で金メダルを獲得しました。アブリャジンはつり輪のみで団体優勝メンバーに入っていました。
ソ連が崩壊してロシア連邦が成立してから団体で金メダルを獲るのは初めてのことでした。
また、前回のリオ五輪で団体銀メダルを獲得した時も団体メンバーでした。
アブリャジンは今回は団体のメンバーからは外れていますが、スペシャリストとして全力を出し切ってほしいですね。
6つ目のオリンピックのメダルが金メダルとなるよう、応援しています。



追記:直前に団体メンバーの変更があり、アブリャジンは団体メンバーに入ることになりました。決勝でもゆか・つり輪・跳馬の3種目に出るそうです。
種目別はつり輪と跳馬で決勝進出。前回リオ五輪ではつり輪と跳馬でメダルを獲得。跳馬に関してはロンドン・リオと2大会連続で銀メダルを獲得しています。
3大会連続のメダルはなるのでしょうか。

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