見出し画像

ニキータ・ナゴルニー(ロシア)のゆか/2021年欧州選手権種目別決勝の演技

ロシアのエースで、2019年個人総合チャンピオン、ニキータ・ナゴルニー選手。

2019年世界選手権の個人総合では88点台を記録して個人総合チャンピオンとなりました。
内村航平選手が個人総合から退いた今、東京オリンピックの個人総合金メダル最有力候補です。

ロシアは国家ぐるみの組織的なドーピングが発覚し、東京オリンピックでは無実の選手さえも国名・国旗・国歌の使用が禁じられています。
ロシア・オリンピック委員会(ROC)の代表としての出場になります。

画像3


ナゴルニーはゆかで「夢の大技」を実施します。
かねてからナゴルニーはゆかで【3回宙返り】を実施する選手として有名でした。

2019年の世界選手権では【3回宙返り】を携えて、個人総合優勝、そして種目別ゆかでもファイナリストに残っています。

3宙

【3回宙返り】はロシアの前身であるソビエト連邦の代表選手であるワレリー・リューキン選手が1987年に発表し、【リューキン】の名が付く技。
今から30年以上前に3回宙返りが発表された時は「夢の大技」として取り上げられました。

【3回宙返り】を得意とするナゴルニーですが、4月のヨーロッパ選手権で、新技を発表します。

それが、【後方屈身3回宙返り】

「夢の大技」をさらに発展させた超大技。
ヨーロッパ選手権が終わってすぐに、I難度として認定され【ナゴルニー】の名が付けられました。

屈身3宙

超大技【ナゴルニー】を引っ提げて、いよいよオリンピックの舞台へ、団体・個人総合・種目別ゆかでの金メダル獲得を狙います。

画像4

ナゴルニーの妻も、体操ロシア代表のスピリドノワ選手。

日本で国際大会が行われた時に2人とも出場し、そこで結婚セレモニーが執り行われました。
笑顔が素敵でかわいいですね。


2020年11月、「Friendship and Solidarity Competition (友情と絆の大会)」という、コロナ禍での大会、オリンピックのテストケースとなる大会が東京で開催されました。

ナゴルニーは隔離や移動の制限があるこの大会のオファーを受けた時、「オリンピックのためなら何でも協力する」と大会への出場を決めました。
それだけオリンピックに対して、ロシア代表という立場に対して強い思いのある選手です。

【ナゴルニー】を披露して観客が沸き上がる、そういう情景は残念ながら実現しません。
しかし、ナゴルニーがこのオリンピックを通じて残す功績は大きなものです。


追記:予選団体3位、個人総合2位、種目別ゆか2位、跳馬3位、鉄棒5位。
この大会もナゴルニーの大会になってしまうのでしょうか。
いったいいくつロシアオリンピック委員会の旗が掲げられることになるのでしょうか。

再追記:見事!個人総合銅メダル獲得です!
ディフェンディングチャンピオンとして臨んだオリンピックでの個人総合。
ちょっと演技が苦しそうにも見えましたがそんな不安はどこへやら。
つり輪からは本来の調子を取り戻し、88点台を記録して銅メダルをもぎ取りました。
さすが得意の跳馬は止めてきますね~!2019年の世界選手権では跳馬で予選・団体・個人総合・種目別と全部ドラグレスク止めてましたからね。
チャンピオンの風格ですよね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?