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三麻フリーにおける祝儀の価値

祝儀1枚10000点相当で考える。
※5000点相当や2000点相当を打つ場合でも根本は同じなのでこの記事は役に立つはずだ。

この記事では、リーチによる祝儀の付加価値を大まかに見積もるところから始め、祝儀牌がある時のリーチ判断、着順意識と祝儀効率のバランスを考察する。
※計算等に間違いあれば知らせてください


1:リーチの付加価値

ここでは、リーチに付随する、一発と裏ドラの期待値を求める。
一発での出アガリは無視することとする。

・一発ツモ

山に残っている待ち枚数によって単純計算した。
巡目は6巡目、12巡目の2パターンである。

地獄単騎から、山6の良形待ちまでの一発率である。
これらにそれぞれ2*10000/100=200(表は%表記なので)(ツモなので2掛かっている)をかけた値が一発の期待値である。大きくても、2000〜3000点程度の期待値しかないことがわかる。

・裏ドラ

ツモかロンかで二倍違うが一旦それは置いておいて、シンプルにアガった時の平均裏ドラ枚数を考える。

花牌も含まれるが、アガった際の花牌を抜いている枚数は平均1枚としてみよう。
牌の種類が28種類で、手配が14枚+花牌1枚で

15÷28=0.536

平均0.536枚とわかる。
ここに、ツモ確率と、出アガリ確率の比を考慮すれば良いが生憎データがない。
対人ゲームなので、相手によっても確率は変わる上、また親か子かによっても大きく変わる。
だが大まかに、0.5 ~ 1 枚の間であることはわかる。(ツモった時は二倍なので1枚としてある)
これに10000をかけると、付加価値は、5000 ~ 10000 点相当である。(以下面倒なので8000点と仮定する)

一発と裏ドラ合わせて、リーチの付加価値が10000点(1枚)を超えることはほとんどないということがわかると思う。

・祝儀牌入り役ありテンパイのリーチの価値

ツモでアガる方が出アガリよりも二倍の祝儀を回収できるため、特に2000pt牌が手牌に組み込まれている際はリーチすることで、ツモアガリの確率を高めたい。

しかし、リーチをしたからといって、四麻に比べてベタオリされることは少なく、対してツモあがり確率を上げるというわけでもなく、ただ(自分が子供の場合)もう一人の子供からの出アガり率を下げ、親に危険牌を止められて反撃を食う可能性が高くなる。

そのため、祝儀牌を持っているか否かだけでリーチ判断が変わる、というほどのものではないと考える。つまりこれはリーチ判断における他の要素に比べて圧倒的に考慮に入れる優先度の低い要素だということだ。

・リーチ判断の思考

ここまでの議論であたかもリーチが弱いかのように書いてきたが、全くもってそうではない。リーチは最強の役であり、特に親のリーチがぶっ壊れ性能と言える。
しかし、これは局収支基準での話だ。全赤ツモ損なし三麻においては、局収支のみで麻雀を語れるような平場はほぼ存在しないと考える。(東発ですら、南家と西家では押し引きの基準は変わると筆者は考えている。)
結局のところリーチ判断において最も考慮するべき最重要要素は、点数状況なのである。

・オープンリーチについて

オープンリーチ判断も同様である。倍満ツモやトリプルツモで飛ばしてトップが取れるというような状況はかなり高頻度で起こり得ることだ。オープン自体は局収支的にはほとんど(確定とまで言いたいが証拠がないのでぼかしておこう)損であるがトップ条件ができる場合はまた別だ。見落とさないようにするべきである。

ちなみに、余談ではあるが自分が先制でリーチを打つ時、一人飛び寸がいた場合、ツモれば飛ばさず次局にトップ条件ができる(つまり現状はトップ目と離れていて届かないが2局連続でツモればうまい具合に飛び寸を飛ばしてトップを取れる点数状況)が、飛び寸に放銃されると飛ばして2着で終わる時は、「オープンすることで放銃させない」という戦術も取れる。

2:良形か祝儀牌か

ここでは、23金5から2を切ってリーチするか、金5を切ってリーチするのが良いか考える。そのためには、2を切ったことによる1でのアガり逃しの損失期待値と、4で上がった時の祝儀の期待値を比較する必要がある。(ここでは金5がドラであることによる打点の変化は気にしないこととする。)

アガり逃しの損失期待値
=(打点+一発、裏の期待値)×(1pツモアガリ確率+1p出アガリ確率)

祝儀の期待値
=40000×4pツモアガリ確率+20000×4p出アガリ確率

示した計算式のもとで、いくつかのパターンを試してみた。その中で期待値が近い(選択が微差であるということ)値になった例が上の表である。
上の表で想定されている状況は、親の巡目の早い跳満聴牌で、かなりアガリ率が高い。
今回はわかりやすくするため1pと4pでのツモあがりの確率は等しい(山にいる枚数が同じ)ものとして考えている。また、アガリ逃したことによってその後放銃、もしくはツモられる失点期待値については計算することが難しいため算入していない

1p,4pツモ確率を共に(ツモ上がり確率を等しいものと仮定しているため)上げると祝儀期待値>アガリ逃し損失期待値となる。そして、下げると祝儀期待値<アガリ逃し損失期待値となる。上の表で想定されているのは考えられる状況の中でもかなりアガリ率が高い状況だと思われるので、アガリ逃しの損失期待値の方が大きくなる状況の方が多いと考察される

これらを踏まえると、親の18000聴牌はほとんど金5p切り両面リーチになると考えられる。

そもそも親の場合、アガリ逃しは非常に痛い。放銃、もしくはツモられだけでなく、子同士の横移動も同様に、親番を流されることは着順に大きくマイナス影響があるため非常に損失が大きいと考える。
また子の場合もアガリ逃しは非常に痛い。アガリ逃したことによって親に放銃して飛び寸になるというのは三麻打ちなら誰もが経験した恐怖だろう。
結局のところ、三麻においてアガリ逃しは非常に痛いということだ。

今回簡単な期待値計算によって、少なくとも2p切り愚形リーチ>>>>金5p切り両面リーチとなることはほとんどないということがわかった。基本的には祝儀牌に拘らずアガリ率を落とさないようにした方が得であるとわかった。

※もちろん4pの場況が良いのであれば2p切りリーチがダメということはないかもしれない。しかし、大差で2p切りの方が優位だということはほとんどない、ということがこの記事での言いたいことだ。



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