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TRPG制作日記(224) カードプレイヤー(ルールブック第二章)

参議院選挙が来たので、先週は政治関係の記事を投稿していました。

中野重治は「芸術に政治的価値はない」と、政治と文化の過剰な関係を警戒していました。しかし、芸術も文学も人間を扱う分野なので政治に完全に無関係であるはずはありませんし、ましてやゲームという極端に保守的イデオロギーに敵対する分野を扱っている立場としては、自分達が政治的に自由であるために最低限の活動は続けていくべきだと思っています。

私の周りにはゲームや文学が好きな友人が多いので、ゲームや文学を好きな人は社会不適応で精神障害者であり反日勢力だと騒いでいる人たちを支持するのは誠実であるとは思えません。

選挙とは自分のためではなく、まずは自分の家族や友人を権力から守るために行うべきだと私は考えています。

権力は特定の集団を高く評価する圧力があります。自民党なら宗教、立憲民主なら少数派、共産党ならエンジニアとクリエイターです。

そして、政治を必要とするのは権力を持たない集団、社会で駄目な人たちだと思われている人たちだけです。

この点で日本において政治と無関係なのは宗教団体だけです。宗教を保護するための政党(自民と公明)が選挙で勝利を収め続けているので、国民から高く評価され尊敬されているという民意が証明されたという点で、政治的圧力を彼等が受けることはないからです。


さて、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』はあらゆる人々が未来について考えることができる環境を提供する。科学、文学、歴史の物語を結びつけることでそれを実現することを理念にしています。

現在、TRPGのルールブックを制作中です。

TRPGは参加者が物語の登場人物を演じて楽しむ即興演劇です。演じられる登場人物達はカードプレイヤーと呼ばれます。

現在は第二章世界観を制作しています。以下、本文です。

ルールブック第二章『

カードプレイヤー

 アマテラスワールドに接続している宇宙都市の高校生を、アマテラスワールドの選手という意味でカードプレイヤーと呼ぶ。とはいえ、宇宙都市からアマテラスワールドに接続できるのは高校生だけではなく、小学生や中学生、社会人、老人までいるので、正確にはカードプレイヤーとは宇宙都市から接続してきた男女すべてが含まれる。また、アマテラスワールドで暮らしている人工知能のアマテラスカードゲームの選手のことも、カードプレイヤーと呼ぶことがある。この広義のカードプレイヤーとしては、宇宙都市の高校生は少数派であり、実際には小学生から中学生が多い。もちろん、アマテラスワールドの原住民達こそが人数では最大であり、アマテラスワールドの原住民の多くがアマテラスカードゲームで遊んでいるので、仮想世界の神仏や妖怪、人間、七福神や管理者でさえも誰もが広義のカードプレイヤーである。それにもかかわらず、カードプレイヤーといえば宇宙都市の高校生のことを指すことが多いのは、アマテラスカードゲームが高校生を対象に設計されているからだ。
 地球時代においては、世界は私たちのために存在しているのではない。ただ自然に存在しているだけである。しかし、宇宙時代の八惑星連邦においては、宇宙都市は人間のために建造されており世界は人間のために存在している。そのため、二十二世紀の高校生たちの生活は私たちに似ているように見えて同じではない。第一に、八惑星連邦の高校生に第一に求められていることは自分の生き方を見つけることである。これは二十一世紀の資本主義社会でも同様であると思うかもしれないが、資本主義においては、資本を中心に人生を思考することが求められている。そのため、自分の生き方というのはどのような職業で働くのか、どのような資本の歯車になりたいのかを想像することでしかない。資本主義においては人生とは働くために生きることである。しかし、宇宙都市の高校生たちは文字通り人生を自由に考える。
 宇宙都市の高校生、すなわちカードプレイヤー達は人生が人間関係により豊かになることを知っている。なぜなら、労働の多くを機械が担っているために、原理的にはすべての労働を機械が担えるために、誰もが犠牲にならずに豊かな社会が実現できることを知っているからである。同時に、彼等は労働の悩みがなくなれば人生の悩みがなくなるわけではないことを知っている。資本主義が生み出す社会問題が解決されることは、人生の問題が解決することではないのだ。社会問題が解決されると人生の問題が始まる。誰もが自分の好きなことを見つけることができるわけではなく、誰もが自分が求めているような相手と恋人になり友人になることができる訳ではないからだ。高校生たちは自分の人生を創造しなくてはならない。そのために、彼等は仮想世界に接続して、様々な人々との出会いと別れを繰り返すのである。

』ルールブック第二章


TRPGのプレイヤーと言うよりは、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGの世界観におけるカードプレイヤーの説明です。


今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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