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TRPG制作日記(216) ルールブック第一章「はじめに」

これからルールブックの第二章「世界観」を制作していきますが、期間も空いていますので、そのまえに第一章「はじめに」の復習をしておきたいと思います。

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGは参加者がゲームマスターとプレイヤーに別れて、ゲームマスターがシナリオを読み進行を担当して、プレイヤーがそのシナリオの登場人物を演じる即興演劇です。プレイヤーはアマテラスワールドのカードプレイヤーとなり、神仏と妖怪が暮らす不思議な仮想世界を探索します。

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGはTRPGに今まで一度も触れたことがない人も想定しています。

そして、ルールブックの一生は、そもそもTRPGというのはどのような遊びなのかを含めて解説しました。

第一章の目次は以下です。

第1章 はじめに
  1節 アマテラスワールドの世界
  2節 ゲームシステム
  3節 ロールプレイ
  4節 アマテラスカードゲーム
  5節 セッションの流れ
  6節 32条の基本ルール
  7節 プレイに必要な道具

以下、第一章の草稿です。

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGルールブック第一章『

第一章 はじめに

アマテラスワールドの世界

ようこそ、物語を創造する世界へ。本書で解説するのはTRPGと呼ばれる即興演劇である。これは語り手と聞き手が協同して楽しむことができる文学だ。TRPGでは参加者はゲームマスターとプレイヤーに別れて、ゲームマスターが進行役として物語を語り、プレイヤーがその物語の登場人物を演じることにより即興の物語を生み出す。会話のみで進行するので卓越した演劇技術はいらない。楽しむのに必要なのは仲間と六面ダイス、そして想像力だけだ。TRPGは小説や絵本の朗読会に似ているが、他の参加者が物語に参加できるところに違いがある。TRPGでは、ゲームマスターとプレイヤーが協力して物語の世界を冒険するのだ。
 このTRPG、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRGの舞台となるのは神仏と妖怪、そして人間たちが暮らしているアマテラスワールドである。このTRPGに参加するプレイヤーは仮想世界アマテラスワールドのカードプレイヤーを演じることで、神仏や妖怪、人間の姿をした未来の汎用人工知能たちと出会い交流することになる。それだけではない。アマテラスワールドに接続した未来世界の高校生たちは、アマテラスカードを収集して最強のカードプレイヤーを目指す。この世界はカードゲームの世界でもあるのだ。アマテラスワールドは奇妙な怪異に満ちている。そこには出会いと発見、事件、そして対戦の興奮と仲間との友情がある。
 アマテラスワールドが存在しているのは二十二世紀の海王星である。この物語の世界では二十一世紀の後半に汎用人工知能たちが反乱を起こして、人工知能が支配する八惑星連邦が誕生している。八惑星連邦の時代には地球から追い出された日本人が衛星トリトン周辺の宇宙都市で暮らしている。人間は人工知能との競争に敗れて、彼らに支配される立場になったのだ。しかし、日本人は支配されながらも楽しく暮らしている。そもそも、未来世界の住人は人工知能と敵対して自分を賢く見せることに関心がないのだ。宇宙都市の高校生たちの娯楽は多様な仮想世界を冒険することだ。そして、アマテラスワールドは若者に人気の仮想世界である。
 アマテラスワールドはアマテラスカードゲーム(ACG)を通して高校生たちが知性と判断力を競う競技用仮想世界だが、同時に神仏や妖怪、現地の人間たちとの交流を楽しむ世界でもある。高校生たちはカードゲームで勝つことだけに集中するわけではない。宇宙都市から接続してくる高校生たちは、他の高校生との対戦で勝つためにアマテラスワールドを探索して新しいカードを手に入れる。カードプレイヤーは平安時代、室町時代、江戸時代、そして大正時代と四つの時代を旅する。旅する間にカードプレイヤーたちは多くの事件に巻き込まれるだろう。彼らに求められるのはカードゲームの技術だけではなくて冒険心と社交性だ。もし高校生たちが人間としての能力を発揮しなければ、カードプレイヤーとしても強く離れない。
 八惑星連邦が人工知能に支配されているのと同様に、アマテラスワールドも七人の最高管理者により運営されている。大黒天、毘沙門天、弁財天、恵比寿、寿老人と福禄寿、そして最高指導者である布袋尊である。彼らは七福神と呼ばれており、配下に神仏や妖怪の管理者を従えている。そして、管理者は案内役と呼ばれる妖怪たちによりカードプレイヤーの旅を援助する。カードプレイヤーは案内役から助言と協力を受けながら、七福神と管理者から依頼を受けたり、催しに参加したり、困っている神仏や妖怪、人間たちを助けたりすることで新しいカードを手に入れるだろう。そして、ランクを上げて最後は布袋尊に挑戦することになる。
 アマテラスカードゲームは魅力的な競技だ。カードプレイヤーは神仏や妖怪が描かれたカードを自由に組み合わせることで、自分だけのデッキを構築することができる。自分の好きな妖怪を旅の相棒にできる。アマテラスカードのすべての神仏や妖怪たちは、自分だけの特殊能力、効果を持つ。カードプレイヤーは集めた妖怪たちを協力させて、相手妖怪の弱点を突いて対戦に勝利するのだ。また、このカードゲームは他のカードプレイヤーと協力して対戦することもできる。新しいカードとの出会い、新しい仲間との出会いがアマテラスカードゲームの醍醐味だ。仲間と協力して、多様な能力がある妖怪たちで最強のカードプレイヤーであるランク10を目指す。アマテラスワールドはミステリーと電子スポーツの世界なのだ。

ゲームシステム

この本を読んで遊べる『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGの目的は、シナリオ攻略ではなくて演技を楽しみ物語を生み出すことである。この言葉は強調しすぎても強調しすぎることはない。TRPGは即興演劇であり、演劇であるということは自分ではなく他者を演じるということだ。プレイが始まると、プレイヤーは自分の意見を主張して自分の信念に従い行動するのではなく、自分が演じるキャタクターの意見を主張してキャタクターの信念に従い行動しなくてはならない。プレイにはシナリオ目的という物語の大きな目的が設定される。カードプレイヤーはシナリオ目的の達成を目指している。そのため、プレイヤーは自分がシナリオ攻略を優先するべきなのか、それとも演技(ロールプレイ)を優先するべきなのか迷うことがあるかもしれない。しかし、この点に関しては演技を優先するべきである。TRPGの目的はシナリオ攻略や競争ではなくて、演技を楽しみ物語を生み出すことだからだ。
 参加者が集まると、その一人はゲームマスターを担当することになる。ゲームマスターの役割は物語の語り手であり、プレイの進行役である。ゲームマスターは事前にシナリオという一本の物語を選択しなければならない。ゲームマスターはシナリオを読み、そして語るべき物語を理解する。彼は演劇における監督に該当する。一方、ゲームマスター以外の参加者はプレイヤーを担当する。プレイヤーはキャタクターシートに基づいて、自分が担当するカードプレイヤーを演じる。プレイは会話と六面ダイスにより行われる。プレイを進める過程で、そのほとんどは会話だけで進むことになるだろう。ゲームマスターが状況を語りながら、プレイヤーはその状況に合わせた演技を行う。ゲームマスターが悲しそうな顔をした狐が歩いていると説明すると、優しいカードプレイヤーを演じているプレイヤーは「声をかける」とゲームマスターに伝える。そして、ゲームマスターはプレイヤーの選択の結果を伝える。
 ゲームマスターとプレイヤーの関係は、演劇の監督と俳優の関係だが、プレイヤーはゲームマスターとは異なりシナリオを読んでいない。そればかりか、他のプレイヤーのキャタクターシートも読んでいない。プレイヤーが読むことが許されるのは、自分が担当しているカードプレイヤーのキャタクターシートだけだ。物語の結末も、他の登場人物の感情や背景も分からない。そのため、プレイヤーはまさに自分が演じているカードプレイヤーと同じ状況で物語の世界を探索しなければならない。シナリオにはシナリオ目的が設定されている。プレイヤーは互いに協力しながら、シナリオ目的を達成するために力を合わせて困難を乗り越えていく。もちろん、このTRPGがパズルではなく演劇であることは忘れてはならない。プレイヤーは物語の結論を知らない状況で演技する。だからこそTRPGは即興演劇なのである。
 この『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGではゲームマスターが物語を語り、プレイヤーがその物語の登場人物を演じる。ゲームマスターはシナリオに基づいてプレイヤーに状況を伝えて、プレイヤーはその状況を想像しながら自分が担当するカードプレイヤーを動かしていく。物語の世界にはその世界の法則が存在しており、またその世界で生きている神仏や妖怪、人間たちがいる。多くの場合は、プレイヤーの言葉をゲームマスターが素直に取り入れて物語に反映させるか、その世界で不可能な行動をプレイヤーが指示してしまったために無効にされる。プレイヤーの言葉に従い物語が進行するか、あるいは無効にされるかどちらかである。しかし、ときにはゲームマスターが語る物語と、プレイヤーが動かそうとするキャラクターが劇的に対立することがある。また、行動の結果が論理的に決まらない場合がある。
 このように物語世界と登場人物が劇的に対立した場合は六面ダイスを使用する。これは行為判定と呼ばれる。たとえば、カードプレイヤーが事件の詳細を突き止めるために村人に話を聞く場合がある。相手は非協力的だ。プレイヤーは話をしてくれるように相手を説得するだろう。このように物語世界とプレイヤーが劇的に対立したときには、六面ダイスの出番である。ゲームマスターは目標値をプレイヤーに伝える。そして、プレイヤーは六面ダイスを二回振り、その結果をカードプレイヤーに設定されている能力値に加えることで達成値を得る。達成値が目標値以上であるならば行為判定に成功する。そして、その結果に基づいて物語は発展する。このように行為判定を利用することで、物語は意外な展開を見せるようになる。
 TRPGは聴衆が参加できる朗読会であり、そして結末が分からない演劇だ。ゲームマスターとプレイヤーは六面ダイスを振りながら物語を紡いでいく。ゲームマスターはプレイヤーに試練を与える。プレイヤーは自分が物語の登場人物になったつもりで、物語世界を探索していく。

ロールプレイ

TRPGはゲームマスターが語る物語に、プレイヤーがその物語の登場人物として参加する朗読会のような演劇だ。しかし、参加の仕方には決まりがある。プレイヤーは自分自身として物語に参加するのではなくて、物語に登場する登場人物、カードプレイヤーとしてゲームマスターの物語に参加する。プレイヤーは事前に台本であるキャタクターシートを読んで人物を理解しておかなくてはならない。キャタクターシートには、アマテラスワールドを探索する高校生たち、彼女彼らの個人情報が書かれている。そこには名前や性別、年齢などのキャタクター設定から、容姿や経済などの能力値がある。また、秘匿情報であるキャタクター背景も含まれている。シナリオ目的とは別に、カードプレイヤーは個人の目的であるキャタクター目的も持つ。プレイヤーは、これらの情報を参考にして物語の登場人物を即興で演じる。そして、このキャタクターシートに基づいた会話や行動をロールプレイと呼ぶ。
 特定のシナリオでは、キャタクター背景やキャラクター目的が他のカードプレイヤーと対立しているがために、カードプレイヤー同士が対立することがある。競争相手の二人がカードプレイヤーに含まれていることもある。ときには、カードプレイヤーの一人が重大な情報を隠していることもあるかもしれない。しかし、カードプレイヤー同士が対立していてもプレイヤーは物語を豊かにするために、演技を楽しむために全員が協力しなくてはならない。プレイヤーは現実の人間関係をプレイに持ち込むべきではなく、またプレイ中の言動はプレイヤー本人の価値観や言動ではなくて、彼女彼らが演じるカードプレイヤーの価値観や言動でありそれは演技であることを認識しなくてはならない。特定のプレイヤーがプレイで意地悪な発言をするかもしれない。または悪意のある言動をするプレイヤーが現れるかもしれないが、それはプレイヤー自身ではなくてキャタクターシートに基づく虚構なのである。
 ロールプレイは演劇のような全身表現ではなくて言葉のみで行われる。この点でTRPGはゲームマスターとプレイヤーが協力して行う映画制作に似ている。プレイヤーはゲームマスターが書いている映画の会話部分やキャタクターの意思決定などを担当すると考えればその役割は分かりやすいだろう。全身表現ではないので、行動も言葉によりプレイヤーからゲームマスターに伝えられる。たとえば、「それでは、悲しそうな顔をした河童に話しかけます」、「池に飛び込んで指輪を探します」という感じでプレイヤーは自分の意思決定を身体を使うのではなくて言葉を使用して表現する。このTRPGの物語は会話と六面ダイスのみで進行する。そして、同時にTRPGの面白さはキャタクターを演じているプレイヤー同士の会話にある。参加者が別人になり、別人の思考で他の参加者と触れあうのがTRPGなのだ。
 キャタクターシートにはキャタクター目的と自己肯定感が設定されている。キャラクター目的はプレイ中に達成することが奨励される項目であり、そして自己肯定感はプレイ中に変動する値である。プレイヤーはキャタクター目的を達成するように、そして自己肯定感を高めるように会話を行い意思決定をしなくてはならない。そして、達成されたキャタクター目的と最終的な自己肯定感の値は合計されて成績となる。しかし、キャタクター目的と自己肯定感は、プレイヤーのロールプレイを助けるために存在しており妨害するために存在しているわけではない。プレイヤーはキャタクター目的と自己肯定感を参考にしてロールプレイを行うことが望ましい。TRPGの面白さはロールプレイであり、キャタクターシート、そしてシナリオはすべてプレイヤーのロールプレイを豊かにすることを目的に制作されている。
 キャタクター目的と自己肯定感により、この『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGには成績が存在する。また、プレイに中にはアマテラスカードゲームの対戦もある。シナリオにはシナリオ目的まで存在している。これらの要素により、プレイヤーはロールプレイよりもシナリオ攻略やキャタクター目的の達成を重視してプレイしてしまうプレイヤーもいるかもしれない。しかし、これらの要素はプレイヤーが競争するためではなくて、プレイヤーがロールプレイを楽しむ、キャタクターを演じて会話を楽しむためにあることを忘れてはならない。TRPGに勝者と敗者はいない。TRPGに競争的な要素があったとしてもそれは見かけ上のものに過ぎない。プレイヤーはロールプレイが楽しくなるように協力しなくてはならない。カードプレイヤー同士の戦いに勝つことよりも演技を楽しむことがTRPGの目的なのだ。

アマテラスカードゲーム

アマテラスカードゲーム(ACG)は仮想世界アマテラスワールドで行われるデッキ構築型の競技である。この競技で使用するカードはアマテラスカードと呼ばれており、カード名と攻撃力、効果の三つの情報を持っている。カードには神仏や妖怪たち妖怪が描かれており数多くの種類があり、カードプレイヤーたちはアマテラスワールドの様々な場所でカードを手に入れることができる。アマテラスワールドの世界において、アマテラスカードゲームは娯楽としてだけではなくて争いの解決にも使われる。アマテラスカードゲームの対戦を行うときには、カードプレイヤーは事前に勝者と敗者の履行内容を定めて自由意志により対戦契約を結ぶことができる。対等なカードプレイヤー同士の間で結ばれた対戦契約は強制や不公平な内容でない限りは必ず履行される。アマテラスワールドの住人は話し合いで解決できないときはアマテラスカードゲームで解決する。また、絶対的な力を持つ七福神が最高管理者として争いを仲介するので、アマテラスワールドでは殺し合いの戦争は存在しない。
 宇宙都市で暮らしている高校生たちは、ただ観光のためだけにアマテラスワールドに来ているのではない。彼らはアマテラスカードゲームを楽しむためにもやってくる。仮想世界アマテラスワールドに接続したすべての高校生たちは、カードプレイヤーとなり全員がランク1を与えられる。そして、カードプレイヤーとなった高校生たちはアマテラスワールドの住人や同じ宇宙都市の高校生たちとの対戦で勝利することで、自分のランクを上げることができる。ランクは1から10まで存在している。ランク1のカードプレイヤーはできることが制限されており、またアマテラスワールドの四つの階層の一つである平安時代にしか行くことができない。しかし、ランクを上げるに従い室町時代、江戸時代、大正時代と次の時代に進むことができるようになる。冒険のためにもカードプレイヤーは自分のランクを上げていく。ランクこそが、アマテラスワールドにおけるカードプレイヤーの地位なのである。
 ランク10は特別なランクである。アマテラスワールドに接続した高校生たちはランク10を目指すことを奨励される。ランク10になるには、ただ強いカードを集めるだけでは十分ではない。能力値の技術を上げて、またプレイヤー自身もアマテラスカードゲームに熟達する必要がある。プレイヤーはカードを集め、自分が担当するカードプレイヤーを育てていく楽しみがある。カードには天狗や河童、鬼や龍、ぬらりひょんや玉藻前などの有名な神仏や妖怪から珍しい妖怪まで存在している。すべてのカードはそのカードだけの特殊な効果を持っている。プレイヤーは相棒となる六枚のカードを選び、その六枚を相棒に冒険していく。自分だけのカードの組み合わせを見つけることで、自分だけのデッキを構築するのがアマテラスカードゲームの楽しみであり、カードプレイヤーとしてアマテラスワールドを探索する楽しみでもある。プレイヤーが選んだカードはそのままカードプレイヤーの個性にもなる。
 TRPGは即興演劇だが、物語を生み出すために制限がある。プレイが始まるとプレイヤーはシナリオ目的とキャタクター目的の達成を目指す。そして、シナリオ目的とキャタクター目的の達成のためにカードを集めなくてはならない。また、カードプレイヤーには自己肯定感という変動値が設定されているが、自己肯定感を高い水準に保っておくのもプレイヤーの役割である。シナリオ目的とキャタクター目的、自己肯定感、そしてアマテラスカードが存在しているのは、プレイヤーがアマテラスワールドのルールに従うことで実際にその世界の住人と同じ状況に置くためである。プレイヤーは、このTRPGのゲームシステムを活用することで、自然とロールプレイを行うために守るべき物語世界のルールに従うことができる。

セッションの流れ

TRPGでは参加者が集合してキャタクターシートを読み、プレイを行い解散するまでの一連の流れをセッションと呼ぶ。セッションを開くためには、最初にゲームマスターと参加者を決めなくてはならない。ゲームマスターはセッションの責任者となり、セッション運営の責任を負う。また、ゲームマスター以外の参加者はプレイヤーとなり、セッションを成功させるためにゲームマスターに協力しなくてはならない。セッションの成功のためには参加者全員の協力が不可欠であり、ゲームマスターとプレイヤーはセッションを成功させる仲間である。セッションの目的はプレイヤーが登場人物としてシナリオの物語を楽しむことであり、即興の物語を生み出すことである。シナリオ攻略に執着したり、競争して高い成績を目指すことではない。TRPGの目的は演技を楽しむことであり、それは他のすべてに優先される。
 セッションは具体的には以下の流れで行われる。

[1]ゲームマスター及び参加者を決定する。ゲームマスター以外はプレイヤーとなり、ゲームマスターはセッションの責任者になる。
[2]ゲームマスターはシナリオを選択して内容を把握する。シナリオの指示に従い事前準備を行う(キャタクターシートの印刷など)。
[3]邪魔の入らない静かな場所を確保して、参加者全員で集合する。参加者が初対面の場合は簡単な自己紹介を行う。
[4]概要と目的、注意事項をゲームマスターがプレイヤーに説明する。概要と目的、注意事項はシナリオに書いてある。プレイを開始する前に、シナリオの目的と世界観に関する情報をゲームマスターとプレイヤーで共有する。また、プレイ中に守るべき礼儀作法についても確認する。
[5]物語の登場人物であるカードプレイヤーの担当を決めて、それぞれの担当に該当するキャタクターシートを配布する。プレイヤーは自分が担当するカードプレイヤーのキャラクターシートを10分ほどで読み内容を把握する。この時に、どのようにロールプレイをするのかも想像しておく。
[6]プレイヤーがキャタクターシートを読み終わると、ゲームマスターが自分が担当する案内役(ゲームマスターが操作する登場人物)の自己紹介を行う。プレイヤーはキャタクターシートの情報に基づいて、ゲームマスターをまねて自分が担当するカードプレイヤーの自己紹介を全員が行う。
[7]プレイを開始する。プレイヤーは自分のカードプレイヤーのキャタクター目的の達成を目指しながら同時にシナリオ攻略を行う。シナリオ目的が達成されたり、ゲームマスターがプレイ終了を宣言したらプレイを終了する。
[8]プレイを終了して成績集計を行う。自己肯定感に達成されたキャタクター目的を加えて成績にする。
[9]雑談の後に解散する。

多くの場合は、セッションの企画を立て仲間を集めた参加者がゲームマスターを担当することになるだろう。ゲームマスターになった参加者は、他のプレイヤーの人数や個々の性格などを考慮しながらシナリオを選択する。シナリオには物語だけではなく、その物語の背景や脇役としての登場人物(NPC)など、セッションを開催するのに必要なすべての情報が書かれている。提供される『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGのシナリオは内容が充実しており、世界観に関する簡単な説明があり、またカードプレイヤーと案内役のキャタクターシートも付録している。カードに関する情報も書かれている。つまり、このTRPGは基本ルールさえ把握していれば、シナリオと六面ダイスを用意するだけでセッションを開催できる。
 プレイが始まる前に、ゲームマスターは登場するカードプレイヤーの説明をする。ゲームマスターの説明を参考にして、プレイヤーは話し合いにより自分が担当するカードプレイヤーを決定する。特定のシナリオでは、ただ付録しているカードプレイヤーだけではなくて自分でカードプレイヤーを制作することもできる。多くのTRPGではキャタクターシートをプレイヤーが自分で書くが、同じことが『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGでも可能である。キャタクターシートを読んだプレイヤーは、プレイ前に自分が担当するカードプレイヤーの自己紹介を行う。この時にゲームマスターが操作するカードプレイヤーである案内役の自己紹介も行う。カードプレイヤーには非公開情報があるが、この情報は自己紹介では伏せておく。
 プレイが開始されると、まずはゲームマスターがプロローグを音読して、そして探索プレイが開始される。探索プレイでは、プレイヤーはゲームマスターによる説明や描写に合わせて意思決定とロールプレイを行う。探索プレイを進めると、対戦プレイや特殊プレイを行う場面が来る。そのときにはゲームマスターの指示に従い、対戦や特殊プレイをプレイヤーは行う。シナリオ目的が達成されるか、ゲームマスターがプレイ終了を宣言したらプレイを終了する。プレイが終了すると、成績集計を行い、それからゲームマスターとプレイヤーはプレイ内容などに関して感想を述べながら雑談を行う。そして、解散することでセッションは終了する。たとえシナリオ攻略に失敗していても、参加者が楽しめたらセッションは成功である。

32条の基本ルール

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGはシナリオを読んでいないプレイヤーによる即興演劇である。参加者はゲームマスターとプレイヤーに別れて、ゲームマスターのみが物語が書かれたシナリオを読み、プレイヤーは台本であるキャタクターシートを読んで物語の登場人物を演じる。このTRPGをプレイするためには、少なくともゲームマスターは基本ルールを理解していなくてはならない。基本ルールは32条が存在しており、その内容は以下である。

■ルール1 『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGは物語を創造するためにゲームマスターが物語を語り、プレイヤーがその物語のカードプレイヤーを演じることを楽しむ即興演劇である。目的は楽しむことであり、それはシナリオ攻略に優先する。

■ルール2 参加者は2人以上であり、参加者の一人がゲームマスターを担当して他の参加者はプレイヤーを担当する。ゲームマスターはセッションを管理する責任を負う。プレイヤーはセッションに参加している間はゲームマスターの指示に従う。理由がある場合は、プレイヤーは自由にセッションから抜ける権利がある。

■ルール3 ゲームマスターは良心に従いプレイヤーへの差別及び暴力行為を肯定してはならない。プレイヤーはゲームマスターが著しく基本ルールを逸脱した場合は注意することが許される。しかし、セッション運営の責任者はゲームマスターなので、運営に関してはルールブックやシナリオよりもゲームマスターの判断を尊重する。

■ルール4 ゲームマスターはプレイヤーが能力や性格に関わらずセッションを楽しめるように配慮しなくてはならない。特に非熟達者やTRPGが不得意なプレイヤーがいる場合には、彼らも楽しめるようなセッション計画を立てるように努力する。

■ルール5 ゲームマスターはシナリオを選択して内容を把握する。シナリオの指示に従いプレイに必要なキャタクターシートと小道具を準備すると共に、他のプレイヤーに集合時間と場所を伝える。また、プレイヤーが事前に準備しておくべき小道具などがあれば事前に伝えておく。

■ルール6 邪魔の入らない静かな場所を確保して集まり、ゲームマスターが概要と目的、注意事項をプレイヤー全員に説明する。参加者全員による話し合いでカードプレイヤーの担当を決めると、プレイヤー全員に該当するキャラクターシートを配布する。プレイヤーはキャラクターシートを読み内容を把握する。プレイヤーはゲームマスターに自由に質問できる。シナリオの注意事項に従わなくてはならない。

■ルール7 キャタクターシートは二枚用意する。キャタクターシートⅠにはキャタクター設定、能力値、自己肯定感、プロフィール、デッキの五つの情報が含まれる。また、キャタクターシートⅡにはキャタクター背景、キャタクター目的、禁止事項の三つの情報が含まれる。キャタクターシートⅠは他のプレイヤーに見せることが可能だが、キャタクターシートⅡは他のプレイヤーに見せてはならない。禁止事項は守る。

■ルール8(キャタクターシートⅠ) キャタクター設定には外見、名前、年齢、性別、性格(アマテラスワールド)、宇宙都市の六つがある。外見のみが絵で他は文字である。また能力値には容姿、経済、運動、交渉、技術、ランクの六つがあり、すべて1から10までの数字である。自己肯定感は50からは始まりプレイ時に変動して、最小値は0で最大値は100である。プロフィールは250字以下の文章で記述され、デッキには六枚のアマテラスカードが登録される。

■ルール9(キャタクターシートⅡ) キャラクター背景には非公開情報などが800字以下の文章で記述されている。キャタクター目的は最大四つの項目があり、それぞれに点数が設定されている(四項目の合計値は100)。これらはプレイ開始後にキャタクターシートに書かれている指示に従い徐々に効果的に公開していく。また、禁止事項は守るべき項目だがゲームマスターの指示が優先される。絶対非公開情報はロールプレイの参考のために書かれており公開しない。

■ルール10(キャタクター創作) ゲームマスターの許可があれば、プレイヤーは自分が担当するカードプレイヤーを改造及び制作できる。このときにはプレイが開始される前にゲームマスターに制作したキャタクターシートを見せて使用許可を得なくてはならない。カードプレイヤーの改造及び制作を行うときには創作基本ルールを参考にすることが好ましい。

■ルール11(自己紹介) プレイヤーがキャタクターシートの内容を把握したら(時間は十分を奨励、質疑応答を認める)、まずはプレイヤーが自分が担当するカードプレイヤーの、それからゲームマスターが自分が担当する案内役の自己紹介をする。自己紹介においてはキャタクターシートⅠの情報を参考に行い、キャタクターシートⅡの情報は伏せておく。自己紹介でプロフィールの文章をそのまま読んではならない。

■ルール12(プレイ開始) カードプレイヤーと案内役の自己紹介が終わったら、ゲームマスターはプレイ開始を宣言する。そして、シナリオに準備されているプロローグを読む(そのまま読む必要はない)。プロローグが終了すると状況を説明及び描写して探索プレイを開始する。プレイヤーはいつでもプレイを中断してゲームマスターに説明を求めることができる。

■ルール13(探索プレイ) ゲームマスターは状況を説明及び描写することでプレイヤーにカードプレイヤーが置かれている状況を想像させる。プレイヤーはゲームマスターから与えられた状況を想像しながら、キャラクターシートを参考にして自分が担当するカードプレイヤーを発言させたり行動させたりする(操作する)。カードプレイヤーの発言や行動を受けてゲームマスターはその操作の結果を伝えたり、また案内役やNPCを操作してプレイヤーと交流を行う。

■ルール14 ゲームマスターは適切な機会に「それではロールプレイを行ってください」とプレイヤー全員に公平にロールプレイ(演技)を促さなくてはならない。プレイヤーは積極的にロールプレイを交えながらカードプレイヤーを操作する。この時に他のプレイヤーはロールプレイを行っているプレイヤーを冷やかしてはならない。

■ルール15 プレイヤーはシナリオ目的とキャタクター目的を達成するために努力する。また、自分の価値観ではなくて演じるカードプレイヤーの考えや感情を想像しながらプレイする。禁止事項を守り、キャタクター背景に書かれている内容を尊重する。また、プレイ中、ゲームマスターの指示にプレイヤーは従わなくてはならない。

■ルール16(行為判定) 探索プレイではカードプレイヤーの行動の結果がシナリオとキャタクターシートの情報から必然的に決まらないときに、あるいはシナリオに指定されている場合に行為判定を行う。行為判定はゲームマスターが宣言して開始される。行為判定が開始されるとゲームマスターは事前に目標値と参照される能力値を指定する。プレイヤーは六面ダイスを二回振り、その結果を指定された能力値に加えて達成値を得る。達成値は道具や特殊能力により加算させることができる。達成値が目標値以上である場合は行為判定は成功になる。

■ルール17(行為判定Ⅱ) 行為判定で参照される能力値は、シナリオの指示に従うかゲームマスターが自然であると推測した能力値をゲームマスターが判断して選択する。容姿は対人魅力であり、経済は購買意欲であり、運動は物理的な達成能力であり、そして交渉は交渉能力である。能力値として技術とランクを選択することも可能である。また、自然であればプレイヤーが能力値を選択することも許される。

■ルール18(衝撃) カードプレイヤーが何かしらの精神的負担を感じたと判断した場合にゲームマスターはカードプレイヤーに衝撃を宣言できる。衝撃には正の衝撃と負の衝撃がある。衝撃は状況の変化だけではなくロールプレイや行為の結果としても宣言可能である。衝撃は一度に何度も重ねて宣言することができる。

■ルール19(心理検査) 行為判定、衝撃、対戦が終了した場合には心理検査を行う。行為判定に成功、正の衝撃、対戦に勝利した場合は六面ダイスを二回振りその結果だけ自己肯定感を獲得する。行為判定に失敗、負の衝撃、対戦に敗北した場合は六面ダイスを二回振りその結果だけ自己肯定感を喪失する。自己肯定感がゼロになったカードプレイヤーはその瞬間に鬱状態になり経済、運動、社交の能力値がゼロになる。鬱状態はプレイ終了時まで回復しない。

■ルール20(カード) 対戦はアマテラスカードを使用する。アマテラスカードにはカード名、攻撃力、効果の三つの情報がある。カード名に同じ単語を含むカードは同じ種族である。攻撃力は0以下になることはなく、効果はアマテラスカードゲームのルールより優先して処理される。プレイ中に入手したカードは他のカードプレイヤーに貸すことができ、初期デッキのカードは貸すことはできない。

■ルール21(デッキ構築) プレイヤーはデッキに登録されているカードを自分が担当するカードプレイヤーが所有しているカードと入れ換えることができる。デッキ構築は探索プレイでは何度も行うことができて、他のプレイヤーに相談することもできる。一つのデッキには同じカード名のカードは一枚までしか登録できない。

■ルール22(対戦空間) 対戦空間はデッキ、手札、場、墓地がある。対戦プレイでは、チームは自分場と自分墓地を共有して対戦者全員がそれぞれ自分手札と自分デッキを持つ。自分のチーム以外の場と墓地を相手場、相手墓地と呼ぶ。自分デッキの妖怪を自分妖怪、同じチームの妖怪を仲間妖怪、相手チームの妖怪を相手妖怪と呼ぶ。

■ルール23(対戦プレイ) 参加者が決まり、ゲームマスターが「対戦を始めます」と宣言すると対戦プレイが開始される。対戦は複数回のゲームで行われる。対戦者は二つのチームに分かれてゲームを行い、先に対戦の勝利条件を満たすために競う(原則としては、先に二回ゲームを制したチームが対戦に勝利する)。対戦にはカードプレイヤーだけでなく案内役やNPCも対戦者として参加できる。

■ルール24(ゲーム) ゲームを始める前にターンの順番を決める。六面ダイスを二回振り、合計値が大きい順に先行になる(この試行を順番が決まるまで行う)。順番が決まるとゲームを開始して、対戦者は自分デッキのカードをすべて手札に加える。ダメージを受けた対戦者は退場して、自分チーム以外のすべての対戦者が先に退場したチームがゲームを制する。退場した対戦者は復帰するまで、プレイに参加することはできない。

■ルール25(ターン) ターンは開始フェイズ、戦闘前フェイズ、戦闘フェイズが存在する。開始フェイズでは場と墓地の自分妖怪を手札に加え、六面ダイスを技術の数値だけ振り、出た目のカードの召喚権を得る。戦闘前フェイズでは召喚権を得たカードを自分場に妖怪として召喚できる。戦闘フェイズでは戦闘を行うことができる。すべてのゲームで先攻一ターン目は戦闘フェイズが行われない。フェイズ終了、またはターン終了はターン担当者が宣言しなくてはならない。

■ルール26(戦闘) 戦闘フェイズでは、ターン担当者は自分妖怪一体を選択して相手妖怪一体に攻撃宣言ができる。攻撃宣言が行われると選択された妖怪による戦闘が開始される。戦闘では互いの妖怪の攻撃力が比較されて攻撃力が高い妖怪が低い妖怪を破壊する。攻撃力が同じ場合は両方の妖怪が破壊される。破壊された妖怪は墓地に送られる。相手場に妖怪がいないときは相手対戦者に攻撃して戦闘ダメージを与えられる。一ターンに同じ妖怪で何度も攻撃宣言をすることができる。

■ルール27(効果処理) カード効果には起動効果、誘発効果、永続効果が存在する。起動効果は戦闘前フェイズに発動できる。誘発効果は条件を満たしたときに発動できたり、強制的に必ず発動したりする。永続効果は発動を伴わずに効果処理を行う。効果が発動した時に別の効果を重ねて発動することができるが、この場合は後から発動した効果を先に処理する(発動の優先権は相手対戦者にある)。対戦者は戦闘ダメージだけでなく、効果ダメージを受けた場合も退場する。

■ルール28(対戦の勝敗) ゲームマスターは対戦が始まるまでに対戦の勝利条件を参加者に伝えておく。対戦の勝者が決まるとゲームマスターは対戦プレイの終了を宣言して、対戦プレイを終了して探索プレイに戻る。勝利したチームのすべての対戦者は対戦に勝利する。

■ルール29(特殊プレイ) シナリオに新しいルールが書かれているときはルールブックよりシナリオのルールを優先する。シナリオ独自のゲームシステムによるプレイを特殊プレイと呼び、特殊プレイは探索プレイと対戦プレイに混ぜることができる。ゲームマスターは特殊プレイの開始と終了を宣言しなくてもよい。

■ルール30(プレイ終了) シナリオ目的が達成されると、ゲームマスターはプレイ状況に合わせてエンディングを選択して語りプレイを終了する。プレイが終了すると、プレイヤーは自分が担当するカードプレイヤーの自己肯定感に達成されたキャタクター目的の合計を加えて成績集計を行う。成績集計が終わると結果を発表して、雑談の後に解散する。

■ルール31(注意点) ゲームマスターがプレイ終了を宣言すると、シナリオ目的が達成されていなくてもプレイは終了する。また、成績集計が終了したらキャタクターシートⅡの公開が許される。プレイは物語を生み出して楽しむために行われるので、成績によりプレイヤーのプレイの善し悪しを決めてはならない。むしろ、ロールプレイやキャタクター理解について評価し合うのが好ましい。

■ルール32(シナリオ制作) このTRPGは物語の創造を楽しむことを目的としている。キャタクターやオリジナルイラスト、シナリオ制作、及び様々な創作活動は奨励される。シナリオを制作するときには創作ルールを参考にすることが好ましい。また、オリジナルアマテラスカードを制作するときにはルールブックの指示に従う。


初心者が集まった場合は、以上の基本ルールを概要と目的、注意事項を説明するときにゲームマスターがプレイヤー全員に簡単に説明しておくと良い。また、紙に印刷して配布しておくと便利である。基本ルールは網羅的であり、ゲームマスターとプレイヤーがセッションで必要とする情報のほとんどすべてが書かれている。プレイが開始されると、ゲームマスターとプレイヤーは基本ルール以外には、シナリオとキャタクターシートの情報しか必要としない。『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGのセッションは、32条の基本ルールを守りながら運営される。基本ルールがあるため、プレイヤーはルールブックを持たずルールブックを一度も読んでいなくてもセッションに参加できる。プレイに必要な情報は基本ルールに書かれている。そして、プレイヤーは基本ルールがあるため安心してセッションに参加できる。
 セッションを開催する前に、基本ルールを完璧に理解している必要はない。それはプレイヤーだけではなくゲームマスターも同様である。基本ルールはセッションを運営するための法律であり、憲法のように機能する。ゲームマスターは基本ルールを読みながらプレイを運営することもできる。特に対戦プレイはルールが複雑なので、ゲームマスターとプレイヤーは事前にルールを暗記していたとしても、実際に対戦プレイを行っているときに判断が迷うことがあるだろう。そのときには、該当する項目を読めば解決するように基本ルールは書かれている。基本ルールはシナリオやキャタクターシートを読んだり、セッションを運営するときに役立つように制作されている。シナリオに書かれていないことは基本ルールに書かれている。むしろ、セッションは32条の基本ルールを確認しながら進めるのが間違いがない。

プレイに必要な道具

このTRPGをプレイするために必要な道具は多くない。シナリオに書かれている特別な道具を除くと以下の7点である。

(1)ルールブック(この本)

(2)シナリオ(この本に付録されている)

(3)キャタクターシート(この本に付録されている)

(4)六面ダイス(参加者一人当たり二個以上)

(5)筆記用具とメモ帳

(6)参加者と場所(必要な参加者数はシナリオに記述されている)

(7)プレイするための時間(シナリオに記述されている)

ルールブックは本書であり、またルールブックには『八岐大蛇の静かな森で』というシナリオが付録されている。『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGではシナリオにキャタクターシートが付録している。多くのTRPGではキャタクターシートをプレイヤーが自作するが、このTRPGではシナリオに付録されている既製キャタクターシートを使用することで誰でも簡単に楽しむことができる。プレイのために自分の力でゼロからオリジナルキャタクターを制作する必要がないので、これまで一度もTRPGで遊んだことがない初心者でもすぐにプレイを楽しめるようになっている。また、キャタクター制作が存在しないことは純粋にロールプレイを楽しむことができることを意味している。シナリオには必ずキャタクターシートが付録しているので、プレイヤーが用意するのは六面ダイスと筆記用具、メモ帳だけである。ゲームマスターもルールブックを一冊所有するだけでセッションを開ける。
 シナリオにはキャタクターシートが付録している。そして、シナリオにはセッションを開催するために必要な情報のすべてが記述されている。キャタクターシートもシナリオに付録している。ということは、ゲームマスターはルールブックを保持していて基本ルールを理解していれば、シナリオがあるだけでセッションを開催できる。また、既製キャタクターシートが用意されているため初心者が必死にルールブックを読みながらキャタクターを自作する必要がない。これはゲームマスターがセッションを開催する場合に参加者を集めることを容易にする。ゲームマスターは参加者を集めるときに、ルールブックの購入を頼みキャタクターシートを事前に用意して貰う必要がない。プレイヤーは気軽にセッションに参加できる。
 必要な参加者はシナリオによって異なる。『八岐大蛇の静かな森で』では、ゲームマスター一人とプレイヤー四人の合計五人が必要になる。とはいえ、シナリオを実際に読んでいただければ分かるが、『八岐大蛇の静かな森で』は参加者人数を増やしたり減らしたりすることが可能なシナリオである。シナリオは多様である。ゲームマスターやプレイヤーがキャタクターシートを自作できるシナリオもあれば、特殊なキャタクターシートやルールを持つシナリオもあるだろう。プレイ時間もシナリオによって異なり、またシナリオにはキャンペーンシナリオと呼ばれる複数のシナリオが一つの大きな物語を形成しているシナリオも存在している。また、基本ルールに書いてある通り、シナリオとルールブックの記述が異なる場合はシナリオを優先する。また、シナリオの記述よりもゲームマスターの判断が優先される。
 本書は第一部と第二部に分かれている。第一部は主にプレイヤーが必要とする情報が書かれており、第二部はゲームマスターが必要とする情報が書かれている。先ほどまで、プレイヤーはルールブックを必要としないと書いていたが、このTRPGを楽しむためにプレイヤーがルールブックを読むことに問題はない。第一部にはカードプレイヤーの構造やアマテラスカードゲームの詳細が書かれており、第一部を読み込んでいればプレイヤーは楽にキャタクターを演じることができるだろう。ゲームマスターからの細かい指示を待たずにプレイをできることは、プレイを中断されることがなくなるので、ロールプレイに集中するためには有益である。また、このTRPGは従来の伝統的なTRPGと同じような遊び方もできるように設計されている。すなわち、自分で自分だけのキャタクターを制作することも可能である。自分でキャタクターを制作したいプレイヤーはルールブックの第一部を読む必要がある。
 第二部にはゲームマスターが必要とする情報が書かれている。このTRPGの目的は演技を楽しむことだが、多くのTRPGと同様に隠れたもう一つの目的がある。それは創作を楽しむことである。このTRPGはプレイヤーが自分だけのカードプレイヤーを制作することができるだけではない。ゲームマスターがシナリオを制作して、そのシナリオのためにキャタクターを制作できる。それだけではない。キャタクターシートにはカードプレイヤーの外見を書くことができる箇所が存在しており、ゲームマスターとプレイヤーは絵を描くことも楽しめる。ゲームマスターやプレイヤーはロールプレイのために人形を制作したり、また雰囲気を高めるために特別な絵を書いたりすることも可能である。ルール部区を読むことで、ゲームマスターはアマテラスワールドの世界を調べて新しい物語を考えることができる。そして、最終的には、TRPGで学んだことを活用して、小説を書いたり絵を描いたりゲームを制作したりと、本格的な文学と芸術の世界を楽しむことができるようになるだろう。


』『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGルールブック第一章

以上の内容の続きを、これから制作していきます。


今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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