私にはそんな資格はない。自己肯定感の低さから退院ができなかった40歳女性のケース【軽度発達障害】

※事例に関しては個人が特定されないよう一部脚色して作成しております

とある日の相談はいつもと違う機関からの連絡だったが、事業所ではなく私宛だったため、後日改めて折り返した。ある一人の女性の地域生活移行についての相談であったが「具体的な話を進める前に、まずまっさらな段階で会ってほしい」との依頼だった。彼女のバックグラウンドがかなり複雑であり、それらを理解した上で、本人の意思を確認したいとのこと。これまでに同じような相談を他機関に拒まれたこともあり、慎重に進めたい様子だった。色々と抱えていそうだなと雰囲気を察しつつ、そのご依頼について快諾させていただいた。


その女性は某県内の精神科病棟にもう10年以上入院している。最近は病院のスタッフだけでなく、入院仲間との関係も良く、一緒に過ごすことが多くなり、「お姉さん」として慕われていた。

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