【詩】この世界の創造者に対する抗議演説
どうして、この優しい世界は
まえぶれもなく牙を剥くのだろう?
液晶画面をとおして見る濁流の映像に
寂しいあこがれを抱いたり
桜が満開になったってニュースを見て
悲しいなぁって
思ったり
カミサマは、
こんなこと望んでいたのかなぁ
ペアルックの少年少女を捕まえて
その服一生脱がないで
って言いたいの
雑貨屋さんで傘を見ている女の人が
ふわっとそれを開いて、その瞬間に
世界が何か変わるんじゃないかって
怖くなったり
なんてね。
心に形があるならきっと
ふにふにしてて
噛みつかれたりなんかしたら
歯形がついてしまうだろうなあ
雨が降ると安心します。
私のからだを、ゆっくり濡らしてゆくのです。
でも、降り始めの、雨粒が、
点描を描くように
アスファルトを染めていくのは頂けません。
「ほらほら」って迫ってくるように
点描を描いてゆくのです。
ほらほら。あめがふっているよ。
ほらほら。傘をささないと。
ほらほら。早く早く。早く早く早く・・・・・・
――ぷつん。
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