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子どもは毎日何時間寝るべきなのか…小学生は9〜12時間

こちら札幌市では、子どもの軟禁状態(笑)が始まって今日で5日目です。
次の日学校が無い!と思って、夜ふかしが続き、翌朝まったく起きられないという子が、そろそろ出てくる頃合いかもしれません。

先日、こちらの記事で「睡眠リズムを崩さないことを最優先」と書きましたが、そもそも子どもは毎日何時間寝るべきなのでしょうか。今日はこの点について書いてみます。

なお、わたくしは医学の専門家ではなく、記事の内容は、子どもとネット利用についての研修等での利用を前提とした、「眠育アドバイザー」としてのわたくしの学習の範囲に限定されたものであることを、最初にお断りしておきます。

案外長い、専門家の示す推奨睡眠時間

日本ではなかなか見つけられない子どもの推奨睡眠時間。仕方がないので、米国睡眠医学会(AASM)の数字を借りると、6から12歳の子どもは9〜12時間、13から18歳で8〜10時間とされています。

12時間の睡眠を確保するということは、毎朝7時に起きるためには、夜7時に就寝という計算になります。10時間だとしても、夜9時がタイムリミット。日本に暮らすわれわれにとっては、ちょっと驚くような数字かもしれません。
実際、こうした数字を保護者向け研修会でご紹介しても、残念ながら、毎回失笑を買うところではあります。(日本は諸外国と比べ、睡眠時間が短いことで知られており、こんなに寝かせるのはとてもムリと反応してしまうのも仕方がない面はあります…)。

睡眠が足りているかの簡易な判定法

必要な睡眠時間には個人差が大きい、ということはよく知られています。同時に、慢性化すると、本人には自覚しにくいのが睡眠不足でもあります。

上記の推奨値を参考にしつつ、自分自身の睡眠が足りているかどうか、どのように判断すればよいのでしょうか。
ここでは、簡易な判定法を二つご紹介しましょう。

一つ目は、週末と平日(学校がない日とある日)の睡眠時間の差が、90分を超えていないか
週末に普段の寝不足を少しでも補おうというのは、自然なことですが、最近の研究では「寝だめ」は出来ないとされており、本来は平日の睡眠時間を毎日15分ずつでも多く確保できるように、生活リズムを変えることの方が先決です。

もう一つは、平日午前中から眠気を感じるかどうか。
午後になって眠気を感じる時間帯があるのは、ある程度は仕方ありませんが、午前中から眠いというのは、睡眠不足の蓄積(睡眠負債)を疑わざるをえません。

睡眠を削って努力しても結果は出ない

小学生のうちから、習い事やスポーツの練習があり、塾があり、家庭学習もあり、中学生になるとさらに部活がありということで、子どもの睡眠時間は、ゲームやネット動画がなくても、ついついシワ寄せを受けがちです。

しかし、睡眠を削ってしまっては、学習能力も運動能力も、100%のパフォーマンスを発揮することは出来ず、努力するほど結果が伴わない、本末転倒な状況になるでしょう。

優れた運動選手がしっかりと寝ることはよく知られていますし、睡眠とスポーツパフォーマンスの関係については学術研究も多数存在しています。最近だと、将棋の羽生善治さん、藤井聡太さんも、睡眠を大切にするという記事も見かけます。

もちろんこれは子どもだけでなく、われわれ大人にも共通のお話です。(仕事と育児などとのバランスがあるので、なかなか苦しいところではありますが)。

睡眠リズムの崩れ、どう修正すべきか

上記の判定法で少しでも怪しいなという結果が出たら、すぐに睡眠習慣を見直しましょう。
しかし、人間の身体に根付いた生活リズムは、急激な変化が苦手です。
これまで夜11時に寝るのが当たり前だった子を、突然夜9時に寝かせようとしても、なかなかうまくいかないでしょう。

わが家での経験上、就寝時間を動かす(前倒しにする)のは、一度に15分くらいにとどめるほうが、結局はうまく進むのではないかと思います。また、週の何日かだけ思いきり早寝するというのも、リズムが崩れて、身体には負担になります。

つまり、子どもの睡眠リズムの修正に取り組む際には、保護者の側にも長期戦の構えが欠かせません。

必要な睡眠時間について、子どもと情報を共有することも大切です。
しっかりと寝る方が、寝ずに勉強したり運動したりするよりも、結局は結果が残るということや、睡眠不足は、心と身体の病気につながることなどを、キチンと説明することで、睡眠リズムの修正についての動機づけが生まれます。(ついて夜ふかししたくなるのも自然なことなので)。

ゲームやネット動画だけを特別扱いしない

ゲームやネット動画で、寝る時間が削られるのは目の敵にするのに、勉強や部活が理由だと、つい大目にみてしまう保護者がいます。
しかしそれでは、子どもには筋が通りません。

大人自身のスマホの取り扱いも、よい/わるいお手本になります。
寝る時間を決め(大人でも毎日7時間は確保したいところです)、その1時間前以降は画面を凝視しないこと、寝室にスマホを持ち込まないことを、ぜひ今夜から、試してみてください。

より詳しく、専門家の書籍で勉強したいという方には、以下のお二人のものをオススメします。




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