あなたと一緒の墓に入れてね

隣、すぅすぅと静かな寝息をたてて眠るあなた。
私よりも早い呼吸に、昔聞いた心拍と寿命の関係を思い出す。
あなたはわたしよりも脈が早いから、きっとあなたのほうが先に寿命が来てしまうのだろう と、きっと遠い未来であろう時に思いを馳せる。

私が死んだら、きっとあなたと一緒の墓に入れてね。

ふとそんな考えが頭に浮かんだ。
あぁ 私もこんなことを考えられるようになったのか と自分に驚いた。

あなたに先立たれ私一人取り残されたら、きっと私はその環境でも生きるために新たな楽しさや安らぎを見つけ出すことでしょう。
私は私の天寿をめいっぱいかけて生きる意味を果たしたいもの。与えられた環境で行けるところまでゆきたいもの。

けれども
それでもずっと
あなたが私の大切な人であることはきっと変わらないから

周りの人は知らない人ばかりになるだろうけれど、構わない。
死しても尚、わたしはあなたの伴侶でいたい
あなたを愛した人でいたい
そう思えるくらいに、きっと私は今、あなたとともにいる時間が幸せなのだわ

【補足】
後で調べたら「ゾウもネズミも生まれてから、死ぬまでの心拍数は一定である。心拍が早いネズミは短命であり、心拍の遅いゾウは長命である」というのは、人間には適応しないらしいです。
念の為、補足しておきます。
https://medicaldoc.jp/column/201905p0651/