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第58話「夜明けの青春」第一ステージ 山村精一青春抒情編01


1973(昭和48)年8月24日放送
脚本:武田宏一、小川英

監督:竹林進

ストーリー概略

井上堯之バンド
♫「サスペンスI」間奏から始まる。

拳銃強盗を行った男(平野康)が、
ビルの屋上に籠城した。

◆この(平野康)は
太陽!準レギュラーゲストであり、
第22話「刑事の娘」にて、

高校時代の野崎良子(井岡文世)の
ボーイフレンドを演じた。

◆野崎良子も、この22話が太陽!初登場。
彼女(演、井岡文世)も、

シリーズで、
長さんの娘(長女)を長く演じ、
一家の家族旅行、恋愛期間、結納、結婚式と、
人生のその時、その時で
父太郎と家族を想う娘心を演じ続けた。

PART2では二人の孫に恵まれたと
長さんの台詞にあります。
長さんも、お爺ちゃんになったと。
おまけに息子俊一も、大学の寮住まいと
話しています。俊一はジーパン時代で
初登場します。

その22話で

「お父さんが警察官であることを、
 今まで恥ずかしいと思ったことは、
 私は一度もない」と、


父親の経験者ならば、娘から言われたら
誰でも泣かせる台詞があります。
筆者には娘はいませんが。

娘の心と、付き合っている彼の関係を
こっそり探ろうと
娘の日記を秘密裏に見ようとする長さん。
しかし赤い日記には鍵が掛けられていた。
その時、部屋の襖を開ける娘良子。

その後が、上記の良子の台詞。
続いて、その後に良子は、

「私は、
 警察官のお父さんを信頼しています。
 なのに、お父さんは私を何故
 信頼してくれないの?
 あの人は、単なるお友達よ?
 何故、お父さんは、
 それを分かってくれないの?」

この (単なるお友達)が
今回の登場人物(平野康)である。


この言葉に、愕然とする長さん。

角刈り前の長さん。マカロニ初期。

父と娘の、信頼が崩れそうな野崎家。
だが、父をやはり信頼続ける娘良子。
それに真摯に応える父太郎。
マカロニ時代で、たった3回しかない、
長さん主演作。その二作目だ。

◆次のテキサス時代にも(平野康)は
殿下主演の第115話「一枚の名刺」で
ゲスト出演した若者役。

この時、彼と対峙するのは、山村。
第58話「夜明けの青春」以来の再共演。

彼の、閉ざされた心の引き出しを優しく開ける山村。

殿下の殺人容疑を引っ繰り返す、
シロの証拠を引き摺り出す「一枚の名刺」。
その名刺の所在を、一枚一枚と
丁寧な確認に翻弄する、
一係の他の仲間たち。

自分が渡した名刺の相手を、
几帳面な殿下は全てメモをしていた。

捜査渦中で、
渡された名刺は全て100枚セットだ、と
思ってしまう当たり前な常識が
捜査の盲点となり、
突然に、犯人が浮上する。
印刷の業者工員が犯人だった。
誰も、そんな事とは思わない。

しかし、
殿下から名刺を貰った者にとっては、

各自の一人一人の生活の中で遭遇した、
刑事の殿下との心の触れ合いは、
今でも秘密にしたいこともある。
大切に仕舞っておきたい事、
それは大切な思い出だったのだ。


だからこそ、第三者にその暴露はしたくない。
自分の心の秘密は打ち明けたくはない。
例え、殿下の同僚刑事にさえも。

しかし、今は
その名刺の現在の所在を教えて貰わないと、
殿下の殺人容疑は晴れて行かない。

刑事には不似合いな、
その職に釣り合わない、島公之。
ゴリとは対照的な、
殿下の心優しい性格と
「人となり」を浮き彫りにした、
これも隠れた名作と言えよう。

事件の当事者、疑われた殿下は
上層部の指示もあり、
捜査に参加できないため、
他の仲間たちが殿下の為に捜査をするが、
その渦中で、もう一度殿下の、この性格を
再認識するストーリー。

これも名脚本です。

刑事ドラマというよりも、
人間ドラマである「太陽にほえろ!」の
一つの証、所以です。
上記の二話は、当(まさ)にそうだ。


ストーリーに戻ります。

「ボス、これ以上刺激するのは危険です。」と純。
「黙ってろ!」と鬼。

「大丈夫だよ。山さんはこんなケースを
 幾つも経験している?んだよ」と体育会系。

山村に説得を任せる鬼。

「来るんじゃなーい!
 来たら撃つぞおーっ」

非常階段を登り始める山村。

「撃つぞおー。来るなあー!」

「さあ、もういい加減に、
 そいつを渡せー。」と山村。

「残った弾は1発だ。
 そいつを撃ったところで、逃げ切れるか?
 逃げ道は何処にある?」

「見ろ。お前震えてるじゃないか?
 もうこんな事は、止しにしようやー。

 えーっ?
 やってしまった事は仕方がない。
 だがそれを償う道はあるんだ。」

「五月蝿えーっ!」と
山村の説得を無視。

「こんな紙ペラの為に、
 言いたいことも、言えねえで、くそっ!
 人を散々小突き回しやがって!

 だけど俺はやったんだ!
 やりたい事、やったんだ!」

「分かった。もう、いいから降りるんだ!」

「テメーになんか、
 俺の気持ちが解ってたまるかーあ!」

男は、奪った金を空中に投げ捨て、
ばら撒いた。

「こうなりゃ、破れかぶれだ!
 もうどうなっても、いいやあー」

「おいー。デカっ、それ以上近づくと
 俺は死んじまうぞー。」

「いい加減に強がりは、よせ!」

最後の一発で
頭を撃ち抜いて、
自らの生命を絶ったのだ。

屋上から下のコンクリート地面に
叩き付けられた鈍い音が、
見守った一係の男たちに響く。


ジーパン時代の新曲。
♫「青春のテーマ -夜明け-」が間奏さる。


翌日。
この山村が説得したこの事件が報道された。

給料強奪犯人。
ビル屋上で、ピストル自殺。


犯人は住所不定。
無職の若者!


刑事の眼前。
説得も虚しく、犯人自殺!


「奴らと来たら、
 慎重に物事を考えないで、
 簡単に行動に突っ走っちゃうんですよ!」
と体育会系。

◆このゴリの台詞を、
第65話「マカロニを殺したやつ」で
山村も、同じような台詞を言っている。

「あーはーっ。」とは野崎。

「挙句の果てがこれだ!」とゴリは続ける。
「生命を粗末にしやがって、まあ!」

「真面目にやってれば、
 先で楽しい目に出会えたかも知れないのに。
 なあ?馬鹿な奴だ!もう?」と野崎。

しかし、当世の若者の代表者。
黒メガネの純は、
そんな先輩たちに向かって。

「待てなかったんですよ!」とポツリ。

「あはあ?ジーパン。
 やけに解ったような事。
 言うじゃないか?」と体育会系。

「奴は、欲求不満やストレスを
 一杯抱えていたんです。

 そいつを
 宥め透かしながら生きてきた。

 しかし、奴はもう疲れた。
 うじうじ、まどろっこしく
 生きるよりも、、、」

そこに、山村がドアを開けた。
かなり沈んでいる趣きの顔と
皆よりも気落ちしている姿。


■ここで、マカロニ時代に
よく間奏された曲。
これは井上堯之バンド♫ 演奏曲か?
しかし、曲調はオープニングテーマの
別バージョン?

または、
恐らくは、筆者の推測だが。
太陽にほえろ!前作の
東京バイパス指令で使われたもの、か?。
しかし、井上堯之バンドかな?

マカロニ時代の「知らない街で、、」の
終盤でも流用されたBGMだ。
曲調が60年代後半の時代の匂いを
醸し出してくれる。

筆者名付けて、
前回も申していますが、

♫「過去の因縁」★と申しておきましょう。
この曲が、間奏されてくる。


「ボスは、何処行ったあ?」山村。

「えー、あのお、ちょっと、、」とゴリ。

「ちょっと、、何だ?」

しかし、殿下も、野崎も吸っている
タバコの煙のなかで、真実の揺らぎに何も言えず。
言い出せない答えが匿れる。

ここも、太陽!流、台詞無しのシーン。
野崎、ゴリ、殿下、純が誰一人、
上司山村に対する問い掛けへの返答が
見当たらない絵である。


そこに、全体雰囲気、状況が
読めるようで読めない。

そんなお茶汲み。
脳細胞にあるモノが不足?
または、欠乏しているクミが、
部屋に戻った。

午前9時10分。

「ねえ、ねえ。見てーー」

「今日も熱くなりそうーねー。
 これ、昨日縁日で買ってきたのおーー。
 いいでしょー」

初めてのノースリーブのクミ。
お茶汲みファッションで、
初めて見る、初のノースリーブだ。
ヘアもロングで、
今回はカールが掛かっている。しかも当時としては
あまりしない茶髪で、これも太陽!初。
女性のレギュラー出演者では。

ここは、ファッションショーの控え室とちゃうで、
何か、間違えてへんか?クミやん。
公務員の職場やで、警察署は。
ノースリーブはないやろう!?
しかも、50年前で茶髪でカールは、他の職場でも
OLはしないんじゃ、おまへんか? 

京都イオン桂川内のCAFEの オブジェ

買ってきた卓上水槽を、
殺風景な一係の野郎たちに、見せている。

しかも、
昨日の殺伐とした現場を回顧した
皆の雰囲気も知らない、
常に脳天気なそのクミの発言。
第53話「ジーパン刑事登場!」時も、
そうだった。


が、しかし
一係の皆の心を和ませようと、
クソ暑い一係室で、少しでも
涼しくなって貰おうと、皆に披露している。

そのクミの気持ちは、誰にも解る。

だが、しかし。
この拳銃自殺の男の生命も救えなかった、
説得に及んだ山村の気持ちを。
また、現場でそれを見ていた皆の気持ち。
それを思い出し、今部屋で、
静かにそれを回顧している皆の気持ちを、

クミが買ってきたこの卓上水槽が、
今この時、この瞬間に、
和ませてくれる訳がなかろう!

【阿保かあ?クミは?】
と視聴者の、気持ちの代弁の筆者。
【空気を読め、よ!アホっ!】

「誰の机に置こうかなあ?
 あれ?
 どうかしたの!?」
皆、そんなクミをシカト。


場面は変わり、
鬼は署長室に呼ばれていたのだ。


あの嫌味な西山署長の前で。

「あれは、ミスだ!
 明らかにミスだ!
 山村を当分休ませてくれたまえ!」

「署長。
 彼に全てを任したのは私です。
 責任は私にあります。」

「君が責任を取って、済む問題ではない!
 犯人をあそこまで追い詰めたのは、
 山村だよ!
 多くの群衆とマスコミの連中が
 それを目撃しているんだよ!」

「世論というものを考えたまえ!
 世論というものを、、、」

◆西山署長の台詞

「世論」は、よろん、と発音している。
せろん、ではなく。


◆ここで、ちょっと休憩◆
◆◆日本語のお勉強◆◆
太陽!蘊蓄話
夏の日本語学習(特課講座)その1

少し皆さんお付き合い下さい。

All About NEWS
IT・ビジネス

「世論」の読み方は
「よろん」「せろん」どっちが正しいの?
現役アナウンサーが解説!


結論から言うと、
どちらも正しい読み方で、
誤りではありません。

では、どう読めばよいのか、
2つの読みが存在する背景とともに
現役フリーアナウンサーの
笠井美穂氏が解説してます。


そのサイトからの抜粋です。

「世論」の意味と正しい読み方
「世論」は「せろん」としても
「よろん」としても辞書に記載されています。

※ 『大辞泉 第二版』(小学館)

せろん【世論】
ある社会の問題について

世間の人々の持っている意見。

よろん。せいろん。



よろん【輿論・世論】
世間一般の人の考え。

ある社会問題について、
多数の人々の議論による意見。
 

せろん。

意味のよく似た2つの言葉ですが、
「せろん」と読む場合には
「世論」しか漢字表記がないのに対し、

「よろん」と読む場合には「世論」のほかに
「輿論」という表記があることが分かります。



「せろん」と「よろん」は
元々別の言葉でしたが、後述するとおり、
どちらも「世論」という漢字で
表されるようになり、

現在では、一般的に
ほぼ同じ意味の言葉として
使われるようになっています。

「輿論」から「世論」へ
「せろん」だけでなく、
「よろん」にも「世論」の漢字を使うように
なった背景には、

戦後(昭和21年)
政府によって告示された
当用漢字表の影響があります。

当用漢字表は
「日常的に使われる漢字の範囲」を
示したものですが、

この中には「輿」の文字が含まれませんでした
(現在、一般的に使われている漢字の目安を
示した「常用漢字表」にも
「與」は含まれていません)。

そこで、「よろん」の表記は、
「輿論」に代わって「世論」が
用いられるようになりました。

現代では「よろん」が主流
現代では「せろん」と「よろん」
どちらの読み方をする人が多いのでしょうか。


平成15年度に文化庁が行った世論調査では
「よろん」と読む人が73.8%、
「せろん」と読む人が18.9%と、
「よろん」の方が浸透していることが分かります。

本来の読み方である「せろん」や
「せいろん」ではなく、
「よろん」という読み方が
定着した背景には何があるのでしょうか。


「世論=よろん」の定着
放送で使われる用語などを解説した
『ことばのハンドブック第2版』
(NHK放送文化研究所)に、
「世論」の読み方に関するコラムがあります。


これによると、
「與」という漢字が当用漢字から
外されたことにより、

まず新聞各紙で、
それまで「輿論」としていたものが
「世論」の表記に統一されました。


ただ新聞は文字情報だけなので、か
この時点では「よろん」と読むか
「せろん」と読むかは
読者の判断にゆだねられていたといいます。



一方、放送はというと、
当時まだラジオしかなかったため、
漢字表記に留意する必要はなく、
より一般的だった「よろん」という言葉を
使っていたそうです。


しかし、テレビの登場によって
放送の現場でも字幕で漢字を表記する
必要が出てきました。

当用漢字として認められているのは
「世」のみなので、放送業界でも
「よろん」と読み上げる音声の字幕を
「世論」と表記するようになったといいます。


影響力の大きな放送で
「世論」を「よろん」と読んだことで、
一般的にもこの読み方が
定着していったのかもしれません。




「よろん」「せろん」どちらで読む?

ここまで述べてきた通り、
「世論」の本来の読み方は
「せろん」または「せいろん」でしたが、
時代に合わせて「よろん」とも
読むようになりました。


では、どちらの読み方を
すればいいのでしょうか。


先ほど示したとおり、
文化庁の調査では、多くの人が
「よろん」と読んでいることや、

放送で使う言葉のガイドラインを
示したNHKの「ことばのハンドブック」では、

「世論」の読み方は
「〇ヨロン ×セロン」とされている
ことから、一般的には「よろん」の
読みが定着していると言えそうです。


厳密には「せろん」と読むか
「よろん」と読むかで意味合いに
違いがありますが、

実際に世の中で使われている場面を
想定すると、意味によって
使い分けられているとは言い切れません。


こうしたことから、
今の世の中では、「よろん」と読む方が、
一般的には伝わりやすいでしょう。

◆筆者が、小学生の頃。
ニュースでもNHKアナウンサーが、
「せろん」と発音していました。
昭和40年代中期には。

■執筆者

笠井 美穂(かさい みほ)氏プロフィール
福岡県出身。
九州大学文学部を卒業後、
KYT鹿児島讀賣テレビに入社。
退社後は、報道番組を中心に
フリーアナウンサーとして活動。
これまでの出演は、
NHK北九州放送局「ニュースブリッジ北九州」、
NHK BS1「BSニュース」、
NHK Eテレ「手話ニュース」、
NHK ラジオ第1「NHKきょうのニュース」
「ラジオニュース」など。

昭和48年には、よって
「よろん」と発音するのが、
一般的だったのである。

これにて、
太陽!蘊蓄話
夏の日本語学習(特課講座)その1
「日本語言い回し講座」終わり。
その2は、第59話で。


では、署長室の
鬼と鬱陶しい西山署長の会話に
戻ります。

「話はそれだけだ!」と西山

「私は反対です。」

「藤堂くん!」


井上堯之バンド♫
「愛のテーマ 1B」

「山村が仕事を休む時は、
 刑事を辞めるときです。」とは鬼。

「結構だな!
 それじゃあ、直ぐに辞表を出さしたまえ!」

「辞表を出す瞬間から、彼は
 完全に刑事である事を止めます。
 誰が何と言っても、二度と元には
 戻らんでしょう。」


「それでも、仕方ないだろう」

「刑事としても、彼自身を裁くのは、
 彼自身の中にあるでしょう。
 私は、そういう山村を
 信頼してるんです。

 署長が、山村をクビにするのは、
 ご自由ですが、その時は
 私も辞めます。

 あとは、署長の判断に
 お任せ致します。」

西山は、吸い終わろうとしたタバコを
捩り、灰皿で捻り潰した。


鬼は一係室に帰った。

部屋の壁時計は、
午前9時27分を、指していた。

「ボス。。署長は、、
 (なんと言ってたんですか?)」と山村。

「あ?ー。例によって、
 子供の自慢さー。
 ウンザリすんなあ、この暑いのに。
 いくら可愛いっからて、さあ。」

※この西山署長の息子が、
ジーパン時代の中盤で事件を起こします。
その回の前振りである、
この裕次郎の台詞。
これにお気付きですか?皆様。


「ほーおお!
 こりゃまた、涼しそうだな。」

クミが買ってきた、
卓上水槽を取り上げる。

◆署長室での、やり取りは、
今の山村の悩みを深めさせるだけで、
何一つ、発言を避けた。

◆しかし、山村には解っている。
この鬼のうちに秘した想いを感じ取る。
これも、台詞無しの双方の演技です。

「山さん。そう気にするなよー。
 それより、
 死んだ次郎の事なんだがねー。」

ここで、
自殺した若者の名前が、鬼から
発せられる。「次郎」と。

◆またまた、太陽!が好きな
「次郎」と言う名の登場人物。

「畑中次郎」と言う。
マスコミにも公表済みだから、
警察も当然知っていて当たり前。


しかし、まだこの時代は、
新聞で氏名を公表しないことが、
常識だったかは疑わしい。
歳は21歳の設定だ。
二十歳以上ならば、公表しただろう。
当然、犯罪者のレッテルを貼られたのだから。

「ええ。もう一度洗い直したいと
 思っています。」と山村。


純のデスクの電話が鳴る。

「はい。一係。
 はい、変わります。
 ゴリさん!」と体育会系に。

今日は、シンコ席にゴリが着席している。

今日もシンコは欠場だ。まだ、
第53話「ジーパン刑事登場!」だけしか
シンコは出演していない。
他の映画撮影とのかち合い、太陽!を
欠場していたのだ、関根恵子は。

何処でもタバコを吸う純

「もしもし。なーだ、あんたか?
 どうだ、景気は?
 今日のネタは??」と代わったゴリ。

大先輩の気持ち、それを気にしてる純。

純は、その電話よりも、
ボスと山村の対処が気になっているようで、
ボス席を少し気に掛けている。

「何ー。拳銃?」

「うん。それでー!?
 よし解った。詳しい事は後で聞こう。」

「なんだ?ゴリさん。」と長。


◆52話「マカロニ死す」で、
一係とマカロニが、山さんが、主になり
トクさんの生命を助けたのは、
ほんの一ヶ月前のことだ。
だからこそ、皆は知っているのだ。

この回では、
序盤にゴリは腹部に銃弾を受けて入院中。
その前からトクさんは、
ゴリの情報屋をやっている。。。
そのゴリの仇を取ろうと、トクさんを助け、
マカロニは本ボシに復讐しようと、
また勝手に突っ走ってしまう。

それを生命を掛けて
止めに行ったのが、山さんだった。
飯屋「宗吉」で、
「生命を掛けること」と
「生命を粗末にすること」は違うと
マカロニの前で言い放った山村。

だが、柴田純は、それを知らない。
それどころか、
先輩マカロニの事も、よくは知らないのだ。
第53話で、純の前で、
少しだけ、ゴリはその前週の話をするが。

◆また飯屋「宗吉」も、111話のみしか
ジーパン時代で登場してきません。



「情報屋のトクさんですよ。
 3丁目の福永芸能社社長の、福永隆三が、
 拳銃密売をやってる、っんです。」

「福永芸能社?、流しの斡旋屋だ!」と
殿下も知っていた。

石塚の情報屋、トク岡からだった。
第52話「マカロニ死す」以来の再登場だ。

「流しの元締めが、拳銃の密売ねえ?」
と野崎。

「どの程度、信用できる話か?
 ともかくトクさんに会ってみてくれ!」と鬼。

「ゴリさん!」
体育会系への指名だったが、
「俺も連れて行ってくれ」と山村。

顔で山村と、同行を許可している絵。

二人は、デパートの屋上だろう?
暑いさ中の、小規模な遊園地。

◆昭和40年代中期には、
こういう遊園地がありました、な。
筆者も亡き父と母に連れられ、
何度か行ったことはあります。
福岡市玉屋の屋上遊園地、他。

ここでソフトクリームを舐めている
トク岡(上田忠好)が待っていた。

◆上記の第52話から続いて登場の
トクさんだが、丁度一年後、
第103話「狼を見た少年」では、
この狼に扮する。
怪しく変質的で執念じみた殺人者役。
この狼を、追い詰めるのはゴリ。

トク岡は、

「福永は外人ルートから、
 最近、密輸拳銃を23丁手に入れた。」

2、3丁ではなく、
二十三丁と言っている。

「いやに数字が具体的だな?」とゴリ。

「奴は、それを暴力団に流す積もりで
 いるらしい。」とトク岡。

「買い手の暴力団って、いうのは?」

「は、は、はー!
 そいつを調べるのは、
 あんた方の仕事だわなー?」

「福永の拳銃密売は、今回が
 初めての事なのか!」と山村。

「さあーねえ?」


「どーなんだ!」と山。

「ここ二、三年の間に、相当な数を
 動かしているらしい。」

「例の自殺した弾き(ハジキ)も
 出所(でどこ)は福永芸能社らしいぜ。」

「何ぃー?」と山村

ゴリも、それで眼が鋭くなる。

「運びの手先には、店の流したちを
 使っている様子だ。」


井上堯之バンド♫
「事件の片鱗」★
メインテーマバリエーション
★は筆者の勝手な命名。

何処で手に入れたか、不思議?
◆三つあとのシーンで、手に入れたこの写真を
その前のシーンで、使っている?
シーンの順番が、あと先になってまへんか、ね?

この畑中次郎の写真を持って
山村は聞き込み。


「次郎って言うんだよ。こいつ。
 歌舞伎町の出家で
 ゴロゴロしていた時にさあ、
 二、三度話した事あるよ、コイツと。」

「どんな話をしたんだね。」と山村。

「歌手になりたかった、って言ってたな?
 一年程まえに、ね。
 レコード会社のオーディションを
 受けてたことがあったんだけどさ、
 結局歌はダメで、
 サクラになったんだって。」

「サクラ?」

「流しのサクラだよ。」

場所を変えて、山村は、
居酒屋「いちふく」で

「前にこんな流しが来なかったか?」

「見たような気も、するんですけど。」
「この男は、客で来たのか?」
「さあーねえ?」


福永芸能社の
流しの歌手2人が来店した。

「こんばんは。お客さん。
 一曲、如何ですか?」

先輩と後輩の二人の流し?か。

後輩は、店のカウンターに居た娘と
目を合わせて、ニッコリ微笑む。

店の片隅で、

女将と話す山村は、
「あれーは、福永芸能社の流しか?」
「この辺で、流してるのは、
 あそこの連中だよー。」

そこに、野崎が
山村の隣りの席に着く。


向こうのテーブルでは、
若者たちが、歌ってる。

♫「赤とんぼの唄」
歌は、あのねのね。

明治生まれの、ただ一人の
吉本興業所属の漫才師。
故人生幸朗さんが、よく怒ってましたな。
上記の唄を歌う
「あのねのね」のグループ名に対して。

この時の漫才。昭和53年2月の
関西系お笑いネットワークの舞台より。

後半部は、昭和50年9月の舞台。

演者は、「人生幸朗、生恵幸子」
(じんせいこうろ、いくえさちこ)
ご夫妻漫才です。11分36秒。

少し、人生さん(師匠)のボヤキ漫才を
楽しんで頂きましょう。


「赤とんぼの唄」に
重なるように、また、

井上堯之バンド♫
「事件の片鱗」★
メインテーマバリエーション

「なあ、山さん。
 あの場合は、しょうが無かった。
 誰だって同じ結果になったさ。」と野崎。

「いやあ、違うなー。

 あの男の気持ち、性格。
 全て俺がしっかり掴んでいれば、
 あーは、ならなかった。
 絶対に、な!」と山村は

野崎を、顔を見ずに話した。

マカロニ時代、
第49話の自分の反省から。

また、自分の少年時代に好きだった
女性への気持ちの理解が無かった為に
その女性を死に至らしめた経験を
山村はずーっと後悔している。

この経験話は、
ジーパン時代の、もっと後のお話です。
もう少し、待っててくださいね。
順番に進めますから。


「山さん、、」と野崎。
やはり、自分が宥めても、持論を
頑として変えない山村だった。


その山村の隣りカウンターの客が、
若い流しの後輩に、
「戦友」をやってくれ!と希望する。

「戦友、?ですか?」と。

しかし、先輩の流しは
直ぐ様、アコーディオンを奏で、
イントロを弾き始めた。

客は、酔って機嫌良く歌い始めるが、

横で、「戦友」を知らない後輩は、
白いギターを持って突っ立ったまま。
その惨めな顔に、
「おい!知らないのかー!?」

「すいません!」
「なんだあ、それでよく流しが
 務まってるなーっ!」


◆この♫「戦友」を知らない
平成から令和産まれの若者のために。
下にリンクしておきます。

♫「戦友」 賽河原幸之助.氏のアップされたもの


「あ、こいつは、駆け出しなもんで!」と
先輩が客に謝る。

「お客さん。他の歌、歌わして下さい。
 一生懸命にやりますから。」

◆下川辰平さんは、この場合「一所懸命」と
必ず発音されます。これが正しい言葉の
意味だからです。

「もういい!」
「お客さん!」

「もういい、って言ってんだろお!」

それを見ているカウンター接客の女性。


この駆け出し男性が、
最初に目を合わせた女性だ。

その目と目を、山村の眼も
静かに捉えたのだ。

そして、店から先輩男の指図で、
店から退散。

その彼女は心配そうに
店から彼が、退散させられたのを見た。

山村は、じっと目前の
カウンターを見つめる。


店を出た、裏路地で、
流しの駆け出しの男は、

先輩の男(中庸介)に
平手打ちで、痛めつけられた。

「この野郎、まるで
 いい恥かかされたんじゃねーか!」

「兄貴ぃー。許してくれよ〜。」

外に出た山村は、これを見て、
「もういいだろう。赦してやれよ。」

「ほっといてくれよー!
 訳も分からん奴に、
 助けて貰いたくなんかない!」と若造。

この表情はいい。

「分かったかよ!刑事さん。
 こいつにも、意地っていうものが
 あんだい!」

何?ー

「知ってるのか、俺を」と山村。

「犯人の説得に失敗したデカだろお?」

井上堯之バンド♫
名曲「謎は霧の中(テーマ3A)」途中から

◆これも、太陽!と言えば
この曲です。名曲の部類です。

この時、あの若者の拳銃自殺シーンが蘇る。

次郎を、この刑事が殺したんだ!?と疑う目
ということは、みのる、は次郎の、既知の仲間だった?

「おい、行こう!
 お前がドジだからこんなことに
 なるんだ!」

純は福永芸能社を張り込んでいた。

そこに、夜の街を流し終わった二人が
帰ってくる。

「今度は、ヘマやるんじゃねーぞ」

翌朝、五時頃だろう。


宿舎で寝泊まりしている数人の中。
あの駆け出しの男。
男の名前は 木村実(峰竜太)。

彼が、この時間にこっそり抜け出した。


純も、浮浪者の如く、
路地で夜を明かしたのだ。
純も、浮浪者なのか、チンピラか?


実を、この黒メガネが追尾していく。

井上堯之バンド♫
「危機のテーマバリエーション
 ギターバージョン」かな?

走りながら、左腕の時計を気にしている。

橘屋園蔵の落語会があるのか、
これは七代目だ。その予告かな?

向かった先は、新宿中央公園。


そこに、
「おはよー。みのるーっ!」と、

居酒屋「いちふく」で働いていた
山下直子(降旗文子)と待ち合わせ、か。

公園の片隅で、二人が植えた茄子の苗木に
毎日水を与えて、段々と育つのを
楽しみにしていたのだ。


「今朝は、こんなに咲いたぞー。」
「可愛いーわねー。よく咲いたわねえ。」
「ほれ、見てご覧よー。」

そこに、朝早く、山村も
純の隣りに近づく。

「さあ、雨だぞうー。雨だ!」
「どんどん大きくなれーえ。」
「こんな所の土だから、巧く育つか、
 心配だったけど。」

「今に実がなる。
 俺が毎朝水やってるんだもんな。」
「そうねえ、楽しみだわー。」

「茄子の花って、こんなに
 綺麗だとは、思わなかった。」

「うーん。
 もっといっぱいあると、いいなあ。」

「茄子畑って綺麗よね、きっとお!」

「私、こんな街、
 飛び出して、一度でいいから
 行ってみたーい。」と直子。

以前の番組では、
青春を飛び出した(降旗文子)であった。
この台詞が準えている?

この三人は、ジーパン時代にゲスト出演。
内、真ん中の青木英美はレギュラーとなる。
左は第53話で、右はこの58話で。

「飛び出せ!青春」のレギュラーだった。

「行けるよ?」「本当おー?」
「目を瞑ってご覧よ。」




井上堯之バンド♫
「幸福のテーマ トライアングルバージョン」

木村と直子は二人で
茄子畑を、走り回っているのを
心と頭の中で、夢見ていた。

その二人の夢が、
そーっと観ている山村の心に伝播し、

山村も少し笑顔を見せる。

チンピラ黒メガネも、同じ世代の夢が
解るのだろう、少し強張った顔が揺らぐ。

この時、直子が咳き込む。

「まだ、風邪治ってないのに、
 寝てなきゃダメじゃないか!」と実。

「平気よ、これくらい。
 だって、毎朝こうやって実と
 逢うことが楽しみなんだもん。

 それに、茄子が
 寂しがるでしょ。」

純は山村に、

「ねえ。山さん。
 二人はデートしてるだけですよ。
 拳銃密輸には関係無さそうじゃないすか?
 あんなおとなしい奴が、
 拳銃に手を出す筈がないじゃないですか。」

「次郎だってそうだ?
 大人しそうに見える青年だったんだよ。」

他人の性格を見抜けなさを自戒する、純。
メガネの奥で、目を閉じている絵。
二人の希望が、明日の昼間以降は
揺らぎはじめる。拳銃を手にして。
そうならないように、見守る山村。

井上堯之バンド♫
「危機のテーマ スローバージョン」


場面は、
福永隆三宅。

どんな生活してんねん?
流しの元締めが、こんな大邸宅に住んでいる。

書斎の秘密庫に数丁の拳銃が。

手入をして無さそうな、拳銃。
ベレッタか?

また福永の前には、
あの駆け出し若者、みのる。の先輩。
みのる、が兄貴と慕う男が、
この話を聞いていた。

「話は纏めた。梶田組に売る。
 今度の使いには誰を、、?」

拳銃の受け渡し役に、この男は
実の写真を見せる。

「大丈夫なんだろうな?」

「はい。では明日の朝、、
 コイツをよこします。」

※またまた登場の梶田組。
第56話で、ゴリに叩きのめされ、
横浜港署の管内から、とうとう、
七曲署管内に進出してきたのか?
しつこい奴らだ。


一係では、

殿下の捜査結果報告を、鬼が聞いている。
隣りには、黒メガネの純が。

背が高いから、画面から外れる。

「福永隆三の前歴は、昭和30年(1955年)に
 福永芸能社を啓く前は、
 今は解散した暴力団梶田組の幹部として、
 当時マーケット界隈を
 相当均(なら)していたようです。」と殿下。

「芸能社の変わった動きは?」

その質問には、黒メガネが。

「はあ、特にこれといってありません。
 ただ山さんが、流しの一人をマークし、
 徹底的に追っているようです。」

「ほーおう?」と鬼。

「関係ないと、思うんですけどねえ?
 俺の観るところでは。」と純。

◆23歳の純も、人を見る目をもっと
養わないといけないだろう。
上辺だけでは、
他人(ひと)の本心は絶対に見えては来ないで。

純の、人を観る目の無さは、
「親父に負けるな!」で程よく
露呈していくことになります。
純が大好きだった親父は、
息子よりも尊大な名警官だった話が描かれる。

鬼も、山村も、野崎も、
よくそれは分かっていたのだ。


場面は変わり、
山村は、ひとりで
株式会社ハニーレコードに。

「これは、去年のオーディション申込書類です。」

捲った書類の中に自殺した畑中次郎と
今、目を付けている木村実がいた。

井上堯之バンド♫
「サスペンス2#2」

「大体の事は、今でも覚えていますが、
 そうそう、その二人。
 どっちの歌も相当酷いシロモノだったん
 ですなあー。」

「ああそうそう。
 あれは審査結果の日でした。

 勿論、二人とも駄目で、
 ひどくガックリしてましたよ。

 よっぽど歌に憧れてたんでしょうなあ?
 ちょうどその時、流しを仕切っている男が、
 新入を漁りに来ましてね。」

「いつも来るんです。
 福永芸能社とか、何とか。

 名前だけは立派なんですがね、
 一人の方は、喜んで付いて行きました。

 もう一人の方は、慎重に考えこんで
 いましたが、結局、、」

「それで、付いて行ったんですな?
 二人とも、、。」

「ええ。後で聞いたんですが、
 その張り切っていた子は、
 流しにも、使ってもらえなかった
 そうですなあ?」

「で、その二人が、何かあ?」

「死んだんです。
 一人は、、ね。」

◆この時、入手した写真を、
三つ前のシーンで、先に登場させている。
制作側のシーン編成のミスだと、筆者は捉える。


場面は変わって、

福永芸能社。
例の兄貴と言われた男は、
芸能社を仕切っている倉田という男。
皆が、事務所を出、実も白いギターを抱えて
出ようとした時。

◆この時代の代名詞?

♫「白いギター」は、
1973年9月25日に発売された、
チェリッシュの通算8枚目のシングル。

即ち、
1973(昭和48)年8月24日放送の翌月に、
この曲が、発売されている。
だから、番組の方が、1か月先取りしていた?

◆太陽にほえろ!で
マカロニ時代から、ストーリー内で、
よく引き合いに出されるのが、チェリッシュ。
いつもは楽曲だが、これもそうかな?


「実。ちょっと来い。」

「いちふく、で働いている、
 お前の幼馴染み。あれ、何と言ったかな?」

倉田は事務所のデスクで
ビールを喰らっていた。

「直子が何か?」

「今夜も、咳しているのを見たが、
 あれは、風邪の咳じゃないぞおー。」

「えっ!」

「喘息だぜ、あれは。
 俺のおふくろも、あんな咳をしてたから、
 知ってるんだ。」

「本当ですか?」

心配そうな顔の実。

「直子の奴、、、。」

「話は違うが、」

「何でしょうか?」

「明日の朝、ちょっとした仕事を
 頼みたい。大して手間は掛からないが、
 6時に社長の家に行って、
 鞄を受け取り、渋谷の宮下公園に行く。
 其処で、使いの黒川(木島進介)という男に
 鞄を渡す。それだけの事だ。」

「鞄の中身は骨董品だ。
 やってくれるな?
 礼は充分弾むし、今後も割りのいい
 仕事があれば、お前に回してやる積もりだ。
 直子というあの子の為にも、
 お前だって金が要るだろう?」

◆鞄の中身は密輸拳銃だったが、
知らなくて、運搬した木村実も、
以下の法律が適用されるだろう。

三年以上の有期懲役に処する、と。

あまり人を信用し過ぎるのも
自分の破滅になる、ことは、
まだ20代になったばかりでは解らんわなあ?


だが、

一所懸命にやっていながら、
その懸命さが認められても、
他人は、
その行為への無知に対しては誰も報いない。
常日頃から、勉強は身を扶く、である。
「知りませんでした」はダメであると。

仮に、人を殺しておいて、
何故逮捕されるのか?
人を殺すことはイケナイ事とは
知りませんでした。
と、言っている事に等しいのです。

参考までに。
以下の日本国の二つの法律の罰則を、
ご覧ください。ほとんどの太陽!で
描かれる事件の罰則です。
かなり長いので、端おります。


第五章から、列記します。

昭和三十三年法律第六号
🟣銃砲刀剣類所持等取締法

第五章 罰則

第三十一条の三 

第三条第一項の規定に違反して拳銃等を所持した場合には、
当該違反行為をした者は、
一年以上十年以下の懲役に処する。

この場合において、
当該拳銃等の数が二以上であるときは、
一年以上十五年以下の懲役に処する。

2 前項の違反行為をした者で、
当該違反行為に係る拳銃等を、
当該拳銃等に適合する実包又は
当該拳銃等に適合する金属性弾丸及び火薬と
共に携帯し、運搬し、又は保管したものは、

三年以上の有期懲役に処する。

↑これが、今回の木村実の行為。
木村は 5丁を運搬させられたのだ。
また、それを指示した福永芸能社の行為。

3 次の各号に掲げる規定の違反行為が、
団体の活動として、当該違反行為を
実行するための組織により行われたときは、
当該違反行為をした者は、
当該各号に定める刑に処する。

一 第一項前段 

一年以上十五年以下の懲役
又は一年以上十五年以下の懲役
及び五百万円以下の罰金

二 第一項後段 

一年以上の有期懲役 又は
一年以上の有期懲役及び七百万円以下の罰金

三 前項 

五年以上の有期懲役又は
五年以上の有期懲役及び三千万円以下の罰金

4 第三十一条第三項に規定する目的で、
前項各号に掲げる規定の違反行為をした者も、
同項と同様とする。

と規定されている。


また、一方で同様に、

🔵覚せい剤の「密輸」は重い罪

◆これも、知りませんでした、と言う
一切の弁明は認められません。

「海外から覚せい剤を持ち込んだ場合、
問題となるのは『覚せい剤取締法違反』
と『関税法違反』です。

覚せい剤取締法では、
営利の目的で覚せい剤の輸入などをした場合、
最高刑で無期懲役になる可能性があります。

これは裁判員裁判の対象になる重い罪です。
運んだ量にもよりますが、
たとえば数キログラム程度だと、
10年以上の刑期を覚悟しなければなりません」

🔴ある弁護士の指摘ですが、
覚せい剤密輸は、重罪ということだが、
荷物の中身を知らずに
運んでしまった場合はどうなのだろうか。

↓↓ 以下に、この弁護士のご解説を。

「麻薬組織に利用され、
『中身を知らずに運ばされた』という場合なら、
法律違反にはならず、
裁判では無罪判決となります。
これは、郵便屋が覚せい剤と知らずに
配達しても罪にならない、
というのと同じらしい。

ただし、
本人が『知らなかった』と弁明しても、
本当にそうなのかについては、
証拠に基づく事実認定の問題となります」

もっとも、裁判で故意がない
(つまり禁止薬物を所持していると
 知らなかった)と認められれば
無罪になりますし、
検察がその前の段階で故意がないと思えば
不起訴にするでしょう。

◆即ち「未必の故意」が、
裁判の争点になろうと思われます。
これ◆は筆者の意見。

しかし、後半では
木村実は、二人の人間に 拳銃を発砲させ、傷害を負わす。
さらに罪が上乗せしていく。
また人間以外の動物までも、、。

ここで、前半終了。
後半では、山村の視線と、
彼に意見する純の、気持ちの変遷に
巧い映像化が、為されます。
この絵が、この回のキーになるところです。

新人の純が、一係の仲間として
仲間を扶けようと、仲間に溶け込み出す、
きっかけとなる話でもあります。
やはり、隠れた名作の第58話です。


15141字


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