見出し画像

【ユル話】 この名曲はトレーダーを歌っていたのかも、という話

山下達郎、大貫妙子、竹下まりや、といった「シティーポップ」が世界的に流行しているそうですが、筆者が多感な10代を過ごした80年代、数え上げればキリがないほど、邦楽・洋楽、新版・旧版、いろいろ聴いていました。

いま若い世代はご存知でしょうか?
小室哲哉も在籍していた「TM Network」を。
こちらも当時の愛聴アーティストでした。

視聴主である私の年齢と趣味をよくご存知のGoogle先生は、最近「全曲24bit非圧縮PCM」なる高音質TMネットワーク・ヒット集をYouTube動画にお勧めしてくれました。

さっそくヘッドフォンを装着して聴いたところ、どれも懐かしく、確かに音質に優れた大変素晴らしい作品集だったのですが、名曲「Self-Control」を聴いているうち、「これってトレーダーのことを歌っているのでは!?」と思った次第です。

4thアルバム『Self Control』TM Network

君を連れ去る 車を見送って  
追いかけることさえ できなかったあの夜
すべてを許す 消えそうな横顔
窓越しに映って せつなく手を振ってる

言いたいことも 上手くいえなかった
このままサヨナラを する訳にはいかない
心の中に高まっていくリズム
もう抑えることはできないさ

『Self Control』作詞:小室みつ子、作曲:小室哲哉

歌詞にある「君」とは、「利益をもたらす勝利の女神」の暗喩です。武運つたなく女神は遠くへ去ってしまったが、サヨナラ、つまり退場はしない。失ったもの(利益)を再び取り戻すと、心はむしろ高鳴っていく。

ちなみに作詞家と作曲家は同じ小室性ですが、夫婦でも血縁関係でもありません(みつ子さんは、「今だに元妻とか言われるの…」とボヤいている)。「Self Control」以外にも、この二人が世に送り出した名品は数多く、TM Networkの代表作の多くが、このコンビによるものでした。

縛られたアダムとイブ
走り抜けたボニー&クライド
大切なあの子の目を
これ以上 曇らせないで

『Self Control』作詞:小室みつ子、作曲:小室哲哉

「アダムとイブ」「ボニー&クライド」はいずれも「罪人」の比喩でしょう(詳しいことはググって下さい)。

損切りできず、損失を膨らまし続ける「罪」を犯すトレーダーを、悲しく見つめる女神は両眼を濡らし視界を曇らせる。これ以上、女神さんを泣かせるんじゃない。早く切れと。

Self Control 今までのぼくは
Self Control 本当の悲しみに
Self Control 知らずにいたのさ
Self Control 君に会うまでは
Self Control 自由のナイフで
Self Control とらわれた心を
Self Control 粉々にするさ
Self Control バラバラにするさ

『Self Control』作詞:小室みつ子、作曲:小室哲哉

ついに強制ロスカットでも喰らったのでしょうか。こんな悲しみを感じたことは今までなかったと嘆くトレーダー。欲望や恐怖に屈することなく、決めたルールを守り抜く自己規律、セルフコントロールが足りなかったと悔やむ心の声が呪文のように脳内にこだまする。

見えない明日に迷う時は
ノアの箱舟で二人こぎ出してゆく
Self Control

今ならきっと間に合うはずだから
悲しみに閉ざした
君のドアを叩くよ
素直なままに流れる その髪に
もう一度この指を触れさせて

『Self Control』作詞:小室みつ子、作曲:小室哲哉

予想のつかない明日を思い煩い、迷い苦しみながらも、また相場の海に乗り出していく。「君」とは「利益をもたらす勝利の女神」の暗喩であることを踏まえて、大損した辛さを乗り超えて、自身の元を去った女神を再び尋ねようと心に決める。

Self Control 教科書は何も
Self Control 教えてはくれない
Self Control 明日のことなど
Self Control 誰もわからない
Self Control おもいきり泣いて
Self Control おもいきり笑って
Self Control 君をとりもどせ
Self Control 夢をとりもどせ

『Self Control』作詞:小室みつ子、作曲:小室哲哉

トレードに教科書はない。必勝法はない。明日のことは誰にも分からない。
泣いて、笑って、大きく勝つ日を夢見て、今日もマーケットに戦いを挑む。
Self Control。

・・・どーでもいいんです。失礼しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?