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「スクールカーストとは?」対話カフェそもそも レポート#21

【開催日時】
2023年9月10日(日)
12:45~14:45
@池袋会場

第21回のテーマは「スクールカーストとは?」です。

スクールカースト……学校のクラスなどで発生する生徒間の序列。多くは階層構造となり、上下関係を持つ。

時代や地域を問わず発生し、学生生活に影響を与えるヒエラルキーです。

多くの人が体験し、何かと悩みのタネになりやすいスクールカーストについて対話したレポートです。

はじめの問い

まずはテーマについて、抱いている問いを挙げていただきました。

「なぜスクールカーストが生まれるのか?」

「スクールカーストが生まれるからには、何かメリットがあるはず。スクールカーストのメリットは?」

「田舎の10人くらいのクラスでもスクールカーストができるのか?」

「3〜4人だとスクールカーストは生まれないと思う。何人くらいから生まれるのか?」

「企業内でもカーストは生まれるのか?」

これらの問いが挙がりました。

まずは、こちらの問いから。

なぜスクールカーストが生まれるのか?

どんな理由があるのでしょうか?

「公立の中学みたいに多様な属性のクラスは、価値観の近い者同士が仲良くなる」

「小中高は一緒に過ごす時間が長いので、棲み分けが必要になるから」

「ということは、大学ではカーストは生まれづらいのでしょうか?」

「一般教養とかがある1年とかは生まれるかも。それでも、小中高よりはできにくいと思います」

「似たもの同士が集まるのはわかるんです。すごく自然なこと。その集まりに上下関係ができるのはなぜなんでしょうか?」

こちらを元に、新たな問いを立ててみます。

なぜ上下関係ができるのか?

「例えば、文化祭でクラスの出し物を決めるとき、クラス全員が平等に扱われず、カースト上位の人の発言力が強くなるときがありました」

「何かを決めるとき、発言力のあるグループと、そうでもないグループに分かれる。これは上下関係なんだと思います」

「スクールカーストって、何の序列なんでしょうか? 発言力の序列?」

「コミュ力の序列だと思います」

「陽キャ・陰キャの序列とか?」

「親の権力の序列だと思います」

「親の権力ってどんなことですか?」

「社会的地位とか、その学区で偉い人とか……あとは経済力です」

「本人の総合点みたいなものの序列。その総合点には、親の経済力とかも含みます」

「例えば、子ども本人のお金でカラオケに行ける経済力がないと、同じような遊び方をする子とはグループになれない、みたいなことかな」

「あと、普段遊びに行く場所とかもあるかも。原宿に行き慣れているか、とか」

「でも、そういうのは親の影響がすごく大きいですよね。子ども自身で身につけることじゃない。だから、やっぱり親の経済力に依るのでは、と思います」

「たしかに……言いづらいことではあるんですが、自分の体験として、すごく貧しい家庭の子が1軍にいるイメージは持てない」

「小3〜小4のギャングエイジのころだと、ドラえもんのジャイアンみたいな子がクラスのトップに立つことはありました」

「小5をすぎてくると、ジャイアンが1軍に居続けることは難しそう」

「実家が裕福なジャイアンなら1軍に行けそう」

「中学になったら、スネ夫が1軍になるのでしょうか」

「親の経済力と、子どものスクールカーストでのポジションは、深いつながりがあるのかも?」

何が上下を決めるのかは、かなり意見が分かれました。
とくに、親の経済力に依って決まる部分が多いのでは?という点では、活発に意見が出ました。

スクールカーストのメリットは?

「一人一人の居心地がそこまで悪くならない。あくまで悪くならない、という程度で、すごく良くなるわけではない」

「『これがベストじゃないけど、居心地が悪くなるよりはマシ』とクラスの一人一人が思った結果がスクールカースト、という感じ」

「1軍に憧れていても、『無理に1軍に絡んで居場所を失うくらいなら追い出されない3軍に入ろう』という選択をする子はいると思う。こういった選択を一人一人がやって、結果的にできあがるのがスクールカーストなんだと思います」

「メリットとしては、一人一人の居場所が保たれる、ということですね」

「となると、居場所が保たれているのに、どうして『1軍落ち』みたいなことが起きるんでしょうか?」

一人一人がちょうどいい居場所を選んだ結果、スクールカーストができあがる?
次は1軍落ちについて。

なぜ「1軍落ち」が起きるのか?

「さっきの総合点の考え方でいくと……最初は、自己申告の総合点で一旦グループができあがる。つきあっていくうちに、足りていないところが見えて、本当の点数がバレてしまうんだと思います」

「そうなると、1軍に見合わない子は追い出されるわけですね」

「1人を追い出したことで、残ったメンバーは結束が深まりそう」

「少し話がずれますが、1軍にいる子って性格悪い子もそれなりにいるようなイメージなんですが、そういう子はどうして1軍にいられるんでしょうか」

「それこそ実家が裕福とか、つきあうメリットがあるから?」

「親の権力という加点要素が強いのかもしれません」

夏休み前にグループの変動が起きやすいのは、付き合った結果、いろいろわかってしまうからなのかも?

少人数クラスでもカーストは生まれる?

はじめの問いからピックアップしました。

「これって、地方の学校の、8人くらいのクラスってことですかね」

「みんな幼馴染、みたいな」

「カーストは生まれると思います。親の権力差があれば」

「権力差がほとんどない場合はどうなるんでしょうか? 田舎のコミュニティだと、同じ村で似たような生活レベルで、ということもありそうな気がします」

「その場合は、発生しづらいのでは?」

「すごく変わった子がいたら、疎外されるとは思います」

「わかりやすい例が、転入生ですね」

「休み時間とかに楽しく雑談できる人数って、4〜5人が限界だと思うんです。それは大人でも同じ。みんなが居心地よく休み時間を過ごそうとすると、最大でも4人くらいが1単位になる。例えば、女子20人なら、4〜5グループに分かれると思います。だから、8人なら、2グループくらいに分かれることは起きそう」

「確かに女子はそんなイメージあります」

少し話題が逸れて……

「そういえば、最下層グループの女子ほど、『自分はその中でいちばん下だった』と言いがちで……それは、その子が『一番下』というアイデンティティを持ちたいからだと思います」

「何かしらの唯一性を持ちたい人は、そういうマイナスのことでも自虐的に言いがち」

「『5軍のさらに下だったんでw』みたいなことですね」

スクールカースト最下層が、その子なりのアイデンティティとなることも?

何人くらいから生まれるのか?

「さっきのお話から考えると、4〜5人を超えると2つに分かれる、ってことですよね」

「実際は10人くらいからだと思います」

「転入生とか、お家がすごい裕福だとか、属性が違いすぎると人数に依らずカーストは分かれそう」

3人でスクールカースト、とは想像しづらいですね。
やはり10人くらいからでしょうか。

企業内でカーストは生まれるのか?

「同期が10人くらいいたらできるかも」

「そもそも、同期入社の場合は属性が近いから、カーストが生まれづらいと思います」

「仕事力に差が出てくると、カーストが生まれるかもしれない」

「仕事ができるかどうかって、わかりやすいですものね」

このあたりで時間いっぱいとなりました。

「スクールカーストとは?」の板書

ファシリテーターの思うこと

メリットを考えたとき、「個々が居心地を追求した結果」というお話がありました。
35人クラスで、35人が平等・均等に仲良し、というのも現実的ではありません。
ある程度分かれた方が居心地が良いのもわかります。

そこで、階層を決めるのは何なのか?という問いで、「親の経済力」という意見が上がりました。
容姿や性格ではなく、親によって子の所属グループが決まる……?

ぜひ、フィールドリサーチしてみたいところです。
スクールカーストと親の経済力は相関しているのか?

参加してくださった皆様、ありがとうございました。

次回の開催案内

次回は2023年9月23日(土)開催。
テーマは「孤独感とは?」です!
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