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「劣等感とは?」対話カフェそもそも レポート#23

【開催日時】
2023年10月14日(土)
13:00~15:00
@池袋会場

第23回のテーマは「劣等感とは?」です。

ネットで見る他人は、みんなキラキラしてる。
みんなはできるのに、私だけできない。
どうして私だけ、こんなにダメなんだろう。

気づけば自分の中で膨らんでいる劣等感。

「劣等感とはこう向き合えばいいよ!」という情報も、ネットで見かけます。
しかし、そんなに簡単に向き合えたら苦労はしません。

私たちを悩ませる劣等感について、10代・20代で対話したレポートです。

はじめの問い

まずはテーマについて、抱いている問いを挙げていただきました。

「劣等感は何才から生まれるのか?」

「劣等感が消えるきっかけは?」

「気分が落ちているときに劣等感を感じやすくなるのはなぜ?」

「劣等感を持つのは悪いこと?」

「劣等感を感じる対象は何か?」

これらの問いが挙がりました。

劣等感そのものについて掘り下げた方が良さそうなので、こちらの問いから始めてみます。

劣等感を感じる対象は?

私たちは何に対して劣等感を抱くのでしょうか。

「自分のスペックや、本人の周りの環境が近い人。すごくかけ離れた世界に生きている人を見ても劣等感は感じない」

「確かに。大谷翔平を見て、なんて自分はダメなんだ、とは思わない」

「何かしらのパーツが、自分より少し秀でている人」

「この『少し秀でている』がポイントですね。すごく秀でている人には感じなさそう」

「会社に勤めていると、同僚や、同期入社の人に追い抜かれるたときに感じやすい」

「自分から見て『自分より下』だと思っていた人に抜かれたとき」

「自分がこだわっていたり、自分ががんばっているジャンルで感じやすいと思います」

「まったく興味ないジャンルですごいものを見ても、劣等感は感じないですものね」

「確認ですが、劣等感の対象はあくまで『人』ですか? トラとはハムスターとか見て劣等感を感じることはありますか?」

「動物に思うことはないですね、人に対してだけだと思います」

「これまで出てきた対象は他人ばかりですが、それとは別に、自分が持っている『理想の自分』比べて、そのギャップで感じることもある」

「『うまくできていた過去の自分』と比べて感じたりもします」

「こういう劣等感は、他人から見ると『そうでもないよ?』となりがちだと思う。自分だけが強く気にしていることが多い」

「理想の自分と同じ方向を進んでいて、『ちょっと先に行ってるな』と感じる他人。同じタイミングで何かを始めているとか」

「同期入社とかがまさにそれですね」

「自分より後から始めた人とか、自分より年下とか」

自分に近い存在で、自分より少し先に進んでいたり、少し優れている人と接すると、劣等感を抱きやすいようです。
また、理想の自分と比較して抱く劣等感も。
劣等感には2パターンある?

劣等感は何才ごろから生まれる?

成長過程で、いつごろから感じるものなんでしょうか?

「自我が生まれたころから。例えば、お友達はディズニーランド行ったことあるのに、私は行ったことない、とか」

「○○ちゃんはおもちゃをたくさん持ってるけど、自分は持ってない、とか」

「これだと『羨ましい』とも言えそう。『羨ましい』と劣等感はどう違うんでしょうか?」

「『羨ましい』の積み重ねが劣等感になるんだと思います」

「成長過程だと、他者との比較を意識し始める頃から」

「そうなると、小学生にはもう劣等感を生まれてきますね」

羨ましいと劣等感の違い、気になりますね。

理想の自分との劣等感はいつ生まれる?

「さっきまで挙がっていたのは、どれも『他者と比べて感じる劣等感』ですよね。最初の問いで『理想の自分』と比較してしまう劣等感もある、という話が出ました。こちらはいつごろ生まれるんでしょうか」

「他者と比較する劣等感よりは、後になりそう」

「ここで言う『理想の自分』は、実は他者のことではないかと思うんです。他者に理想のモデルがいて、そこから『理想の自分』が作られる。劣等感は自分に満足できていないわけで、その背景では必ず何かと比べているはず」

「『理想の自分は実は他者』という説も興味深いですね。とりあえずは現在の問いに沿って進めます」

「小学生以降、自分に点数をつけられるようになるころ。『本当は100点を取れるはず』と思ったなら、100点を取るのが理想の自分」

「言い換えると、自分には100点を取れる可能性があると信じられているわけですね」

「自分の得意・不得意がはっきりしてくるころ。さっきのテストの例えだと、得意なのに思ってたほど点数が取れなかった、とか」

「自分の能力が数値化されるころ。小学校の50m走でタイムを取るとか」

「タイムが悪かったら、クラスで足が遅いという事実をはっきり数値で出されちゃう」

こちらも小学生くらいには生まれる劣等感のようです。

メンタルが落ちているときに感じやすいのはなぜ?

「仕事でうまくいかなくて落ちこんでいたりすると、普段は何とも思わない同僚が働いている姿を見て、劣等感を感じたりするんです。あれはなぜなんだろう、と」

「わかります。妙に気になって、『なんで自分は……』ってなる」

「メンタルが落ちると比較したくなるのかな?」

「自分がマイナスの状態になると、マイナスのことに目が行きやすくなるんだと思います。アンテナがマイナスに立っているというか」

「マイナスのフィルターがかかって周りが見えてしまうんですね」

「自分のメンタルがおちているときって、自分の自信が揺らいでいるときで、『この先うまくできないかも』という不安が増えてしまうのもあると思います。

マイナスの気分になると、いつもの風景が変わって見えてしまう?

劣等感が消えるきっかけは?

歳を重ねるほどに劣等感が増えていく、というのもどこか不自然に感じます。お年寄りが最も劣等感を抱いている世代、というようにも思えません。
どこかで劣等感が消えているならば、そのきっかけはあるのでしょうか?

「劣等感を含めた自分を、受け入れられたとき。こういうのもひっくるめて私なんだ、と」

「そうなったら楽だけど、問題はそれがいつなのか、ですね」

「人生のステージが変わったとき。例えば就活なら、内定もらうまでより、内定をもらったあとのほうが劣等感が減る」

「大学生の劣等感と、社会人になってからの劣等感は違いますよね」

「違うけど、質が変わる」

「劣等感の総量は同じで、中身が変わっている感じ」

「他人は他人、自分は自分、と思えたとき」

「良い意味で、自分にあきらめがついたとき。『こんなもんでいいよね』と自分に思えたとき」

「大学生のときにしか感じない劣等感ってありますよね」

「例えばどんなジャンルですか?」

「さっきの内定とかは、まさにそうですね」

「周りとの育ちの差とか、実家の裕福さの違いとかは、大学生のときに感じやすい。社会人になるとそこまで気にならなくなる」

「社会人になると、大事なものが変わるからだと思います」

ライフステージで、劣等感は増えたり減ったり、内容が変わったりするみたい?

劣等感は悪いこと?

「とりあえず不快」

「良い悪いではなく、捉え方だと思います」

「劣等感が何もないと、それはそれで成長しなさそう」

「劣等感をバネにできていたなら、良いもの」

「コンプレックスとも似てますね」

「劣等感、バネ、コンプレックスは、似ているけどそれぞれ違う」

「捉え方次第なら、劣等感を上手く捉えて、バネに変えられたら良いですよね」

「劣等感の捉え方のコツは? 何かありますか?」

「過去の自分と比べて、成長していることを認識する。過去から成長していることは多いから」

「自分の中の、別の良いところに注目して、こういういいところもあるよね、と思ってプラマイゼロにする」

「劣等感って、まだ自分があきらめていないことの表れだと思います。あきらめていたら、劣等感は出てこない」

「でも、いざやろうとすると、『私にはどうせできないし〜!』って思う劣等感も湧きそう」

「向上心の要因のひとつではあると思う」

「劣等感があるのは、伸びしろがあるってこと」

「自分への期待があるからこそ、劣等感が生まれる」

劣等感を違う言葉に言い換えると?

「憧れ、かな。本当はこうなりたい、という」

「理想とのギャップ」

「正直な『こうなりたい」という気持ち。普段は誰にも口に出せない『こうなりたい』」

「確かに雑談では出しづらいですね」

「他人を見て感じるのも、潜在的な理想の自分が刺激されるからなんだと思う」

「理想との劣等感は表裏一体、本質は同じなのかも。キラキラして出てきているのが理想で、ドロドロしているのが劣等感」

このあたりで時間いっぱいとなりました。

第23回の板書

ファシリテーターの思うこと

対話を振り返ると、『理想』というワードが頻出していました。

『こうなりたい』と思う自分のイメージがあるからこそ、劣等感が生まれる。

逆に言えば、劣等感は『なりたい自分』を導き出すヒントになるのかも?

参加してくださった皆様、ありがとうございました。

次回の開催案内

次回は2023年10月28日(土)開催。
テーマは「社会不適合者とは?」です。
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