「自分らしさとは?」対話カフェそもそも レポート#29
【開催日時】
2024年1月13日(土)
13:00~15:00
第29回のテーマは「自分らしさとは?」です。
自分らしく暮らしていますか?
誰かといるときのあなたは自分らしい?
「あなたらしいね」と言われたことは?
自分らしくいられる場所を探している人もいれば、
自分らしく働ける仕事探している人もいます。
では「自分らしさ」はどうやってわかるのでしょうか。
自分らしさって、いったい何なのでしょう?
自分らしさについて対話したレポートです。
はじめの問い
まずはテーマについて抱いている問いや、思うこと挙げていきます。
「いつ自分らしさを考え始めるのか。自分らしさを考えるきっかけは? 普段は考えないことだし、子どもの頃も考えない」
「自分らしさの確実性はどれくらいなのか?」
「自分らしさはどうやって決まる?」
「自分らしさを考えると、自分らしくないこととつながってくる。自分らしくないこととの関係性は?」
「自分らしさの粒度は? 例えば、性別を自分らしさにすることはない。自分の生まれ育った実家の住所は国内レベルでユニークな情報だけど、それを自分らしさに使うこともない。どの程度の情報が自分らしさになるのか?」
これらの問いが挙がりました。
粒度についてさっそく話が広がったので、まずはこちらの問いから。
自分らしさの粒度は?
どれくらいの具体性、どれくらいの抽象度のこと?
「地方出身なので訛りがあるのですが、大学の頃、友人たちといるときについ訛りが出てしまったときに、『○○さんらしいね』も言われた」
「髪型を変えたときに、似たようなことを言われました」
「引っ越したときに最寄駅を伝えたら『○○駅っぽい』って言われました。でも、自分にはそういう自覚はなくて。言われても『そうかなぁ?』って思いました」
「これは、他人に対して感じる『その人らしさ』ってことですね」
「振り返れば、自分も誰かに『○○さんらしいね』って言ったことはある。誰かの○○らしいは簡単に見つかるのに、自分らしさを自分で見つけるのは難しい」
「言われた人はポカンとしてる場合もあるとなると、誰かが決める『その人らしさ』は、本質じゃないのかもしれない」
「そもそも、訛っていること『○○さんらしい』と言われると『東京にいるけど田舎が似合っているね』と言われているようでちょっと不快。私は田舎があまり好きじゃないし、東京みたいな都会が好きだから余計にそう思うのかも」
「誰かに○○さんらしいねって言うのはホント簡単に言ってしまっていて……ざっくりと分類分けしてるようなものかも。ポケモンのタイプみたいな」
「訛りをいちいち取り上げて『○○さんらしい』って言うのはなぜなんでしょう。関西弁だとそこまでは言われないですよね」
「関西弁はテレビでよく聞くから慣れているのかも?」
「その訛りに接したことがないからユニークに感じて、リアクションとして『○○さんらしいね』と言っているだけかも」
「いろんな訛りの人がいるよね、と受け入れている人もいるだろうから、その指摘はその人の主観でしかない。主観だから、否定もできない」
「訛りをそう言われたのは、そこの友人コミュニティの平均から逸脱してたからだと思うんです。コミュニティの平均が基準になっていて、基準から外れるとユニークとして指摘される」
「ある種の異質さ、場の空気に合わないことは、指摘したくなる気持ちもわかります。無視しづらい」
「いまさらなんですが『○○さんらしい』と言われやすい要素、ワードって何があるか挙げてみてもいいですか?」
定番の自分らしさ要素は?
よく言われるのはどんなことでしょうか?
「さっきの話だと、訛り、イントネーションがありますね」
「帰国子女っぽい、とか。オーバーリアクションだったり、考え方が少しみんなと違ったり」
「所作とか、ふるまいがみんなと違うと言われやすい」
「ひとつの事柄じゃなくて、何か他の情報と繋がっていると『○○さんらしい』って言われやすいと思います。元から物静かで、教養がたくさんある人が『村上春樹が好き』と言ったら『らしい!』ってなる」
「本の選び方とか、個性出ますね」
「あとはファッションとかも」
「レストランで、メニューの選び方とか」
「これらって『いつもそうしている』って積み重ねがあってこそ、ですよね。突然奇抜なファッションしてきたら、その人らしいとかじゃなくて心配になる」
「継続性があってこその、その人らしさなんですね」
「遅刻しがちとか忘れ物しがちとかも、そう言われますよね」
「何を選ぶか」は、わかりやすいその人らしさ?
自分らしさの確実性は?
どれくらい確かなことなんでしょうか?
「所属しているコミュニティによって変わりそうですね」
「これは『他人が決める自分らしさ』の話ですね。誰が言うかでかなり変わりそう」
「自分で決める自分らしさはどうでしょうか?」
「それについては自分らしくないことが手掛かりになると思います。無理してるなあとか、向いてないなあ、ということははっきり感じて、それ以外に残るものが自分らしさ」
「営業向いてない、とかは自分らしさって言えますか?」
「言えないと思います」
「不器用は?」
「それは自分らしさと言いやすい」
「なるほど、ちょっとしたニュアンスの差で変わってきますね」
「向いてないことはすごくはっきりしてる情報だから、わかりやすい。仕事を辞めるときも、これが嫌だというのがはっきりしている。逆に、向いてることがはっきりわかることは少ない」
「他人が決める自分らしさは、もうその人の主観だからどうしようもない。否定できない。的外れだなと思っていても何も言えないですよね」
「主観は強いですね」
「自分の主観による自分らしさと、他人の主観による自分らしさは、ただあるだけ。そこに正しい正しくないを考えるのは無駄なこと」
他人が決める自分らしさ、自分が決める自分らしさ。
自分で決める自分らしさとは?
「転職したあとで、転職先から『キャリアについてきちんと考えていてすごいね』と言われたけど、まったくピンと来なかった。自分にはそういう自覚がまったくなかったんです」
「そのコミュニティ、その人にとっては、すごいことだったんでしょうね」
「人生の優先順位をしっかり考えている、ということを言われたんでしょうけど、コミュニティによっては特別感あるのかもしれない」
「転職すること自体がマイナーなコミュニティもありますものね」
「人から言われたことでも、そもそも思っている自分らしさと一致したら納得する。私は都会の風景や都会の暮らしが好きで、自分の過去を振り返ると、10代の頃に原体験があった」
「原体験と、自分の好きがつながると、自分で決める
自分らしさになるのかもしれない」
「あと、都会が好きというのは、家族で私だけだったんです。家族の中でのユニークさもあったからかも」
「好きとか楽しいという気持ちは、自分らしさと思えますよね」
「私はミュージカルが好きで、就職先もミュージカルに関連する企業に入ったんです。そうしたら、社内には私よりもずっとコアなファンがたくさんいて、『私なんか大したことないのかな、私のミュージカル好きは自分らしさじゃなかったのかな?』って思えてしまって、自信が揺らいだんです。それまでは周りから詳しい人と頼られていたことが、会社では下っ端、カーストの下になってしまった」
「マウントとられまくったんですね」
「そうです、『○○はまだ見てないの?』とか」
「会社だと仕事の結果にも繋がるからつらいですよね」
自分らしさが揺らいでしまったときには……?
どうしたら揺らがずにいられたのか?
「よく面倒なオタクが言う『本当に好きなら○○するよね』って、結局は他人の基準で、絶対に正しいわけじゃない」
「他人の基準と、自分の基準が混同するのはよくない。他人が『ファンならこうすべき』と言っても、あまり真に受けないほうが良さそう」
「シンプルな話、自分の好きなことでマウントとられるはめっちゃストレスですよね」
「他人にあれこれ言われて、自分らしい好きの楽しみ方ができなくなるときつい」
「ミュージカルのことでマウントとられた経験も、コアなファンのコミュニティだからそうされたわけじゃなくて、マウントとるような面倒な人がいたってだけだと思います。コアなファンがみんなマウント取るわけじゃない、と思いたい」
「良質なコアなファンと出会いたいです」
「ここまで聞いてきて、自分の『好きへの行動量と課金量』は自分らしさにつながるんだと思いました」
「主観は強いという話がありましたけど、同じように『自分の好きの原体験』は誰にも犯せないことですよね。マウントをとられないし、否定もされない」
「自分の思う自分らしさには、原体験が大切な気がします
このあたりで時間いっぱいとなりました。
ファシリテーターの思うこと
自分らしさには、
・他人が決める自分らしさ
・自分が決める自分らしさ
の2種類あるというのは新しい気づきでした。
他人が決める自分らしさは、的外れに感じてもどうしようもない。その人の主観と戦っても仕方ない。
自分が決める自分らしさには、好きや原体験が手掛かりになる。
改めて、自分の思う自分らしさを見つめ直してみたいと思います。
参加してくださった皆様、ありがとうございました。
次回の開催案内
次回は2024年1月27日(土)開催。
テーマは「親子とは?」です。
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