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【アークナイツ考察】アビサルハンターの使命、クトゥルフとの関係性

【注意】この考察は非公式であり、個人の見解や推測、一部ネタバレを含みます。2020年3月時点の情報を元に執筆しているため、今後の実装次第で公式設定とはかけ離れた考察となる可能性がある点を予めご了承ください。

先日行われたイベント「騎兵と狩人」では、いくつかの謎が提示されました。滴水村での一幕の後、スカジはグラニの血を吸わせた赤い結晶と引き換えに、ケルシーにとある情報を求めています。

赤い結晶

スカジ『そして「C-カーブ」「ファイヤーラング」「イェモーク」、そいつらも全員片付けてきた。そうじゃなきゃ、こんなのとっくの昔に奴らの手の中よ。そして奴らの条件にはあなたは絶対に乗らないし、取引する気もないでしょう。あなたはこの「石ころ」が必要でしょ。そして私には知りたいことがある。』

ケルシー『お前もお前の同胞たちも浅はかなものだ。私はただ一つの断片だけを頼りにして世界の全貌を掴もうというわけではない。お前とロドスは契約で結ばれている、お前と私も同じだ。』

スカジ『言ったでしょう、等価交換よ!』

ケルシー『お前が怒りをあらわにするのは珍しいな。そうなって初めて、普段の無気力な表情を崩すのか。さて、スペクターに施された源石神経剤の出所を知りたいのか。』

スカジ『ーなぜ知っているの。』

ケルシー『(エーギル語)「深海の狩人の血脈のつながり」私は全てを知っている。』

騎兵と狩人イベントGT-HX-3シナリオ

ストーリー中では多くを語らず、グラニに襲い掛かったかと思えば共闘したりと謎めいた行動が多かったスカジ。彼女はスペクターの苦しみを終わらせる方法を見つけるため、他のロドスオペレーターから忌み嫌われることも憚らず独断で行動しています。

・スカジの同胞とは?
・スペクターに施された源石神経剤とは?
・深海の狩人とは?

現時点で全ての問いに答えることはできませんが、アビサルハンターについて考察を進めることで、その手がかりを探っていきます。

アビサルハンターのロゴ

まずはこれまでの記事通り、アビサルハンターのモチーフを明らかにしていきます。

アビサル(英:abyssal)は深海を意味します。前述のケルシーがエーギル語で口にした「深海の狩人」はまさしくアビサルハンターのことを指していると考えられます。

アビサルハンターのロゴは、タコに二叉槍が突き刺さったデザインとなっています。

ロゴ

タコはイカなどの頭足類と共に、その特徴的な外見と習慣から古来より人から恐れられてきた存在です。時折、その巨大な触手は海の怪物と見られ、船舶の難破を引き起こすと考えられてきました。そのような事情から、タコは海洋における神秘の象徴として見做されています。クトゥルフ神話においては、タコの触腕は多くの"外なる神"を示す基本要素です。
(ロゴのタコの触腕は10本描かれています。よくタコは8本足と言われていますが、一部のタコは100本を超える触腕を持つものもいます。)

二叉槍については、別の神話としての要素があります。ギリシャ神話において、ゼウスと2人の兄弟、ハデスとポセイドンはそれぞれ天界・冥界・海界の支配者となっています。彼らの持つ武器、力の象徴は雷・二叉槍・三叉槍として有名です。ここで注意したいのが、アビサルハンターのロゴは二叉槍であるということです。二叉槍は冥界の主ハデスの象徴であり、深海というアビサルの設定と矛盾しますが、恐らくこのロゴは本来海界の主ポセイドンの三叉槍が壊れたものであると推測されます。

ポセイドンへの崇拝は古代ギリシャ人の海への信仰に由来し、三叉槍は漁師が使用していたヤス(先端がきっさき状の漁具)がモデルになっていると言われています。

現実世界において、タコは3つの心臓を持っています。1つは人間と同じく全身に血を循環させるための心臓。もう2つは鰓(エラ)心臓と呼ばれるもので、2つの鰓に血液を送る役割を持っています。
熟練の漁師は先端が3つに分かれた銛を用いることでその3つの心臓を破壊し、タコを仕留めます。この観点からロゴは三叉槍と考えられ、信頼度報酬の家具でも三叉槍が描かれています。

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まとめると、ロゴのタコはクトゥルフ要素、槍はポセイドンを示していると考えられます。

ディピカから見えるクトゥルフの要素

タコ=クトゥルフと結びつけるだけではやや強引であるため、もう1つクトゥルフを感じさせる要素を紹介します。陣営はロドスになっているものの、タコをモチーフにしたオペレーター、ディピカも図鑑の位置や彼女が口にする台詞、プロファイルからアビサルに関係していることが分かります。

ディピカ

マダラな世界も、その幽暗の中で安らかな眠りを迎える……。そう、それこそが深海の色。黒しか見えない?なら、まだアタシの全部を知らないってことだね。(ディピカ信頼度上昇後会話3)
注1:彼女の語る「海洋」「深海」といった言葉は、一部のオペレーターは聞き慣れないものかと思う。こちらは「無限の水」と理解しておいて欲しい。(ディピカ第二資料)

彼女が身につけている服に注目してみます。

名称未設定

左下のタグには"CTHULHU"と書かれており、クトゥルフ神話との関係性が見出せます(ROO-LEE-AHはルルイエ?)。他にも、ディピカには更にクトゥルフを強く感じさせる要素がありますが、本筋から逸れるためここでは一旦割愛します。

※4/5追記 ディピカの記事を書きました。

アビサルハンターの使命

"アビサルハンター"という組織名は、何かを狩る存在であることを仄かしています。何かと闘うために生まれた組織とも言い換えることができるでしょうか。陸生生物にとって海洋は謎に包まれた未知の存在であり、海洋の生態系を推し量ることは非常に困難です。そんな正体不明の海洋の怪物たちによる陸の世界へ侵略を阻むべく、長きに渡って活躍しているのが、同じ海洋生物であるアビサルハンターであると考えられます。とりわけ、スカジの一族はアビサルハンターの中でも大きな役割を果たしてきました。

伝説によると、私の一族はあの厄災と長きにわたって戦ってきたと言うわ。もしかすると、私たちが街に住むあなた達に迫る厄災を陸の外に食い止めていたのかもしれないわね……。(スカジ信頼度上昇後会話2)

アビサルハンターのロゴは、組織としての意義を明確に示しています。タコは"旧支配者"(=クトゥルフ)を意味し、三叉槍は"旧神"(=ポセイドン)を象徴しています。クトゥルフ神話(※)では、旧支配者と旧神は互いに争い、最終的に旧神がニャルラトホテプを除く旧支配者の一味を追放・封印しています。この世界に存在してはならない厄災に立ち向かい、その厄災を封じ込めることこそがアビサルハンターの使命であると考えられます。

※ここではオーガスト・ダーレスの設定ではなく、ラブクラフトの設定として"旧支配者"と"旧神"を定義しています。

壊れた三叉槍が示すこと

しかし、なぜ三叉槍はロゴの中で欠けた状態で表現されているのでしょうか?この理由はスペクターとスカジのプロファイルから探ることができます。

【血液中源石密度】0.013u/L
何だ?どういうことだ?どうして?!ま、まるで温室から出てきたばかりで、源石とはどんな接触もしたことがないかのようです!数値が低いどころの話じゃありません。はっきり言ってありえません!(スカジ健康診断)
スペクターと同様に、スカジはアーツに対しての知識が極度に欠如している。当然、スカジにとって、目標を早めに解決しておくのは最も効果的な戦い方だ。(スカジ第二資料)

このことから、アビサルハンターはオリジニウムに触れたことがないことが分かります。しかし不思議なことに、スペクターはアビサルハンターとしての記憶がなく、オリジニウムに関する知識がないのにも関わらず、感染者として特殊な症状が出ています。

体表に源石結晶の分布を確認。メディカルチェックの結果、感染者に認定。
特殊な感染状況のため、更なる臨床研究の実施を推奨。(スペクター基礎情報)

スペクターは本来そのような名前で呼ばれているわけでなければ、シスターでもないことが、スカジとの会話から分かります。

あれはもしかして……いや、今はスペクターと名乗ってるんだったわね。シスターの恰好なんてして一体どういうつもり?記憶がない?それは厄介ね……ドクター、彼女には気を払っておいてね。自分の本当の役目を忘れるなんてダメに決まってる。(スカジ会話3)

以上より、1つの推測を立てることができます。

それは、スペクターは元々アビサルハンターの一員でしたが、秘密組織に洗脳され、アビサルハンターとしての任務から強制的に引き離された、という推測です。その洗脳手段が恐らく冒頭の源石神経剤であり、それに起因して感染者として特殊な症状が発現しています。

まず、かなり厳密な秘密組織がスカジさんと密接な関係を結んでおり、その組織は敵意が強く根深いだけでなく、暴力的な手段を得意としています。
そして、その組織が巻き込んだのはおそらくスカジさんだけではないでしょう。スカジさんの発言からすると、組織はスカジさんを使って実験をしていたんじゃないかと思います。或いは、スカジさんに少しずつ近づき、何かせようと誘導しているのか、もしくは組織がしばらくの間処理することができなかったか、スカジさんを処理する時間がなかったか、それかスカジさんを精神的に攻撃しようとしているのか、絶好の機会を伺っている、といったところでしょうか。(スカジ第四資料)

アビサルハンターの歴史において、任務を遂行していく中で被害を受けたメンバーは多数存在するため、そのメンバーを忘れない、そして自分たちへの戒めの意味も込めて壊れた二叉槍が描かれているのではないかと考えられます。

スカジ本人が他人と関わらないようにしている理由はただ一つ、「他の人を危険に巻き込みたくない」からだ。
スカジは、自分と親しくなった人は最後にはみな不測の事故に遭遇しているので、友を守るために二度と友を作らないと決めた、と言っている。(スカジ第三資料)

この不測の事故はスカジの言う災厄、つまりは"旧支配者"、もしくはそれに準ずる存在によって引き起こされたものでしょう。スカジが多くを語らないのは、周りを巻き込まないように行動するためであり、孤独な闘いを続けていくことを決意しているようです。

あなたのために言っておくけど、私からは少なくとも二メートル以上を離れることね。もちろん話しかけてくるのもなし……危険な目に合わせるわけにはいかないから。(スカジ秘書任命時セリフ)

更なる疑問

では、スペクターは一体何を経験し、今のような状態になってしまったのか。次回はスペクターについて考察を進めることで、その真相を探っていきます。
3/29 考察記事アップしました。


参考リンク

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