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京本は天才的だったのか?【映画ルックバック】

映画化されてから、3年ぶりにルックバックを観ました。

原作を読んだ当時は大学生。社会人になった後に映画化されたものとして改めて観ると不思議な感覚で、印象的だった事が違っていました。

一番は「描くことに対する向き合い方」です。
藤野と京本の2人でこれが少し違っていて、考えさせられるポイントでした。

藤野は6年生の時、描くことを一度やめます。
姉や同級生からの横やりが理由なのか、もしくは学年新聞を見るのが嫌になったからなのか。どっちもあると思いますが、前者が強かったんじゃないでしょうか?

なぜなら”子どもの頃に夢中になっていたこと”を、藤野と同じようにやめた体験をしたことがあるからです。
「学校は社会の縮図」と言われますが、そうして誰かと生活をしている以上はよくあることなのでしょう。

対して京本は不登校でした。(中学以降は詳細に描かれていませんが、少なくとも藤野と出会うまでは)
ペンを手放す事なく描き続け、ドアの前には信じられない量のスケッチブックが積んでありました。あれ全部描いたのか…とちょっと引いたくらいです。
そして高校卒業後の進路にあたっては、藤野と決別してまで絵を究めようとしました。

学年新聞で小学生とは思えない画力を見せ、”藤野キョウ”が若くして連載を勝ち取るには欠かせなかった京本は、天才的な存在でした。
ただ、藤野やクラスのみんなと同じように学校生活を過ごしていたら、結果は変わっていたかもしれません。
他に魅力的なものが現れて、周りの人の目が気になってなど…良い悪いはないことですが、環境がその人の人生に与える影響力はとんでもなく大きいと思います。
その対比を生々しく描いている作品でした。

人生懸けてやると決めたことは左右されずに続けなければと、大人になって尚更思います。
ただ「俺も子どものころ夢中になっていたあんなことやこんなこと、辞めずに続けていれば今頃…」と、今になって考えながら映画館を後にした休日でした。


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