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学ぶ楽しさをみつける関係性(昔話)

前回は対話の生まれやすい環境づくりから、対話が徐々に累積して雰囲気が醸成され教室が1つの共同体のようになり、「頭のいい人から、そうでない人まで居」て「リラックスした気持ちで勉強することが出来」る状況になることをお伝えしました。

今回は"どのように"対話がされていたのかを、先生と生徒さんとの関係性を通して述べます。

FOLSはとても楽しい塾です。先生は、たいさんと〇〇さんと△△さんと□□さんです。どの先生たちもこせい的で・・・(中学生)
FOLSは楽しくて、集中出来る所でおちついて、たいさんと〇〇さんと△△さんと□□お兄さんがおもしろくわかりやすく教えてくれる場所です。・・・FOLSの先生はたまに怒ると怖いけど、本当は、とても楽しくて良い先生方だと思います。相談とか、よくのってくれたりしてくれます。なので、私は特色で合格できたんだと思います。(中学生)

先生たちはさん付けで呼ばれることが多かったです。そのように指示したのではなく、生徒さんが先生と親しくなっていく中で自然となったものでした。三者面談で、生徒さんが先生をさん付けで呼ぶと、保護者が「〇〇先生でしょ」と正すシーンが複数ありました。そのたびに保護者に向けて図を描き、説明をしました。

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先生というのは「先に生まれた人」と考えています。先に生まれただけの人なので、さんづけでも構いません。先生とお呼びいただいても構いません、と。

近世儒教的な上下関係を意図的に排しました。水平な関係性を目指していました。先生がさん付けで呼ばれるのは、その成果のひとつです。

雪の日

(左上図:生徒さんと雪合戦するたいたけ 右上図:教室から見た外の景色)

先生たちには対話を以下のように考えていると説明していました。

対話
人と人とを結び付ける対話。先生は子どもたちと、子どもたちは先生あるいは同窓の子どもたちと結び付けば結び付くほど良い授業に変わります。基本的な対話はやはり会話や雑談で、3時間授業であるならば、20~30分は雑談や私語を行なう時間があると好ましいです。クラス全体に解説していく際、縫うように次々と生徒から言葉を促し授業展開していくのもいいでしょう。
大事なことは「聞き手」と「話し手」の両者が揃うこと。クラスによっては「聞き手」が多いこともあれば、「話し手」が多いこともあります。「話し手」だけで「聞き手」がいないのは対話ではありません。逆もしかり。”I”だけの会話も、”YOU”だけの雑談もないです。誰もが”I”であり、”YOU”です。これが成り立つとき、上向きの人間関係が形成されていくでしょう。(たいたけの作成した先生向け資料から抜粋)

誰もが”I”であり”YOU”である水平な関係性。互いに敬意を持ちながら共に学ぶ。そんな学びの共同体を目指しつづけていました。

子どもたちが先生を自然とさん付けする関係性は、安心感や帰属意識、社会意識の高まりにつながり、学ぶ楽しさを引き出していたのではないかと考えます。

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