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学ぶ楽しさをみつける対話(昔話)

学ぶ楽しさをみつけるため、対話を促す環境づくりをしていました。環境づくりを担うFOLSの空間と時間についてご紹介します。

■空間

机と椅子

(上図:たいたけの作成した先生向け資料から抜粋)
FOLSの机はダイニングテーブルのような①大きい四角、②コの字型のどちらかにしていました。ご注目いただきたいのは上図の矢印の先で、視点を意味しています。(10年以上前の)「既存の日本の授業」では視点が1点に集中し、FOLSでは視点が拡散します。

この違いが何を生み出すのかというと、生徒同士の対話の有無です。前者では先生しか見えず生徒同士の対話はまず発生しませんが、後者は一緒に授業を参加している生徒が自然と視界に入ってくるので、生徒同士の対話が発生しやすくなっています。

FOLSは私語や雑談を許容・内包する空間設計でした。
(下図は生徒の描いてくれた教室地図)

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■時間

中学生は英数1科目につき3時間、生徒さんをお預かりしていました。6:30〜9:30だったかな?でも休憩や雑談が合計で1時間近くあり、一般的な塾にとっては無駄と言える時間がたくさんありました。

その間に何人かで雑談をしたりカードゲームをしたり、一人でいるのが好きな子は本やマンガを読んでいたりしました。でも時々、その子が他の子たちにツッコミを入れたり、雑談の中で、「あ、それなら私も知ってる、あれいいよね」みたいな、対話が生じたりやんだり、断続的あるいは連続的な対話を生み出しやすくしていました。

FOLSは私語や雑談を許容・内包する時間配分でした。

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これらにより生徒同士の対話が次々と生じていました。対話の数々が蓄積されるにつれ徐々に教室の雰囲気が1つになり、やがて教室は1つの共同体のようになりました。それが生徒たちの言う「頭のいい人から、そうでない人まで居」て「リラックスした気持ちで勉強することが出来」る状況の正体です。

FOLSはとても楽しい塾です。・・・頭のいい人から、そうでない人まで居ます。・・・(中学生)
私がFOLSに入った時は、・・・FOLSはグループ授業で、明るく授業をするかたちだったのでとても楽しく授業を受けることが出来ました。室内も音楽が流れていたり、部屋の中の色もカラフルだったり、毎回リラックスした気持ちで勉強することが出来ました。・・・(中学生)
 私はFOLSに来たのは、中学2年の冬でした。・・・みんなにぎやかで楽しかったです。・・・まわりのみんなが話しかけてくれるおかげで1年間お世話になることが出来ました。・・・(中学生)

(時空間のしかけ、内装や音楽も手伝っていましたが)学ぶ楽しさの主な部分は、生徒たち自身から生み出されていったのです。

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