マーケターが知っておきたいポッドキャストの利用実態2023。国内外の音声コンテンツ動向の解説
こんにちは、オトナルの八木です。
今回は、インターネットラジオの代表格である「ポッドキャスト」の利用実態についてまとめていきたいと思います。
米国で伸び続けるポッドキャスト広告市場
先月5月に米IAB(Interactive Advertising Bureau)から米国のポッドキャスト広告の市場レポートが公開されました。このレポートでは、下記が示されています。
ポッドキャスト広告市場は、前年比で26%増加し18億ドル(約2500億円)の市場に。
ポッドキャスト広告市場は、2025年で40億ドル弱(約5500億円)まで成長する見込み。
上記の通り、このレポートには「ポッドキャスト広告はまだまだ伸びて、あと3年で2倍の規模になる」というなかなかシビれる成長予測がされています。
(ちなみに、このレポートの話はポッドキャストエピソードでもお話しています。)
成長するポッドキャスト広告市場ですが、その成長にはメディアのユーザー(=リスナー)の増加が不可欠です。
そこで、今回はその下地である「ポッドキャストリスナーの利用実態」について触れていこうと思います。
日本と米国の2つのポッドキャスト調査
2023年2月に我々オトナルは朝日新聞社と共同で、毎年日本国内のポッドキャストの利用実態をまとめている『PODCAST REPORT IN JAPAN ポッドキャスト国内利用実態調査2022』というレポートの最新版を公開しました。
一方、米国でも2023年の3月に『The Podcast Consumer 2023:An Infinte Dial Report』という米国のポッドキャストのレポートが公開されました。こちらも毎年、調査会社Edison Researchにより公開されているものです。
これらを紐解きながら日米のポッドキャストの利用状況に触れていきます。
なお、レポート全体をご覧になりたい場合は、こちらからダウンロードいただけます。
1.米国と日本のポッドキャスト利用率には2.5倍の差がある
まずはポッドキャストの利用率についてみてみます。
日本のポッドキャストの月間利用率は15.7%
2022年の12月時点の日本の月間アクティブリスナー率は調査対象の15.7%。年代比率とインターネット利用率で試算すると約1,680万人がポッドキャストのリスナーだと推測されます。
米国のポッドキャストの月間利用率は42%
一方、米調査では、月に1回以上ポッドキャストを聴くリスナーは米国人口の約42%という結果がでています。
日米のポッドキャスト月間利用率には、2.6倍の差がある
日米のポッドキャスト月間利用率を比較してみると
日本15.7%
米国42%
ということで、月間利用率には2.6倍の差があることがわかります。そして、米国では10人に4人が毎月ポッドキャストを聴いていることになります。
2.米国と日本いずれもポッドキャストは若年層の利用率が高い
下記は日本と米国の利用リスナーの年代データです。
若年利用率の高い日本のポッドキャスト
日本では、15歳から20代以下の利用率39.6%となっており、若年層に利用されているメディアであることがわかります。
米国のポッドキャストの利用年代
一方、米調査から見ると、ポッドキャストは12-34歳で48%利用されています。
年代の区切りこそ異なりますが、共通していることとして日本・米国いずれもポッドキャストが若年層に利用されているメディアであることがわかります。
3.ポッドキャストの人気ジャンルは「ニュース」と「お笑い」(あと、米国だと「文化&社会」も)
日本のポッドキャストの人気ジャンルでは、
1位「ニュース」
2位「コメディ/お笑い」
が突出しています。
また、「言語学習(英語)」が6位にランクインしており上位に位置していることも日本市場ならではの傾向のように思えます。
一方、米国の人気ジャンルでは、数字こそ公開されていないものの、 1位「Comedy(コメディ)」 2位「Society&Culture(社会・文化)」 3位「News(ニュース)」 と続きます。 4位に「TrueCrime(犯罪・ホラーもの)」が位置しているのが特徴的です。 また、「Sports(スポーツ)」が5位にランクインしているのもスポーツ好きな米国らしい傾向だと感じました。
人気ジャンルの上位傾向の顔ぶれに差はあるものの、「コメディ」「ニュース」が3位以内にランクインしているという点は共通しています。
ニュースと、お笑い(コメディ)というのは音声コンテンツでも鉄板の人気ジャンルと言えるでしょう。
なお、米国は「News(ニュース)」が3位になっていますが、実は2018年以降、ニュースは不動の1位でした。
ここにきて米国のポッドキャストの人気ジャンルにも変化が起きているようです。
4.その他の興味深いポッドキャストの利用結果
日米の利用傾向の比較として、
・ポッドキャスト利用率
・リスナーの年齢
・人気番組ジャンル
に焦点をあててみました。
なお、その他にも日本の調査結果では興味深い結果がでていたので、おまけで以下にご紹介します。
利用プラットフォームごとに年代層にばらつきが
Spotifyが人気のように見えますが、微妙にプラットフォームごとに年代差があって興味深いです。
ビジネス層と学生に指示されるポッドキャスト
ポッドキャストリスナーと一般の平均人口と比べると、
・意思決定層を含むビジネス層
・学生
が特に多いことがわかります。
コロナ禍明けで、移動中などの「ながら聴き」の特徴が顕著に
ポッドキャストの聴取シチュエーションをみると、前年に比べて、移動中などの外出時の利用が成長しているのがわかります。
これは、外出先で「ながら聴き」を行うことのできる音声コンテンツの特徴が、コロナ禍からの以前の生活への回帰で現れてきているためだと推測できます。
まとめ:2.6倍差だが、実は共通点も多い。広告市場成長に期待
以上、簡単でしたが、日本と米国のポッドキャストの利用状況についてご紹介しました。
日本においてもポッドキャスト番組を企業が展開したり、広告出稿事例が増加するなど、企業のマーケティングにおいても活用の機会が増加している用に感じます。
日本のレポートについてはこの記事で紹介したのはほんの一部でしたが、より詳しいレポートに興味がある方はぜひ目を通してみてください。
「PODCAST REPORT IN JAPAN ポッドキャスト国内利用実態調査2022(2023.2月公開)」(36ページ)の掲載内容
調査レポートでは以下の情報を記載しています。
■01. ポッドキャストユーザーの属性と特徴
■02. ポッドキャストの聴き方
■03. ポッドキャストで聴かれているコンテンツ
■04.ポッドキャスト聴取後の行動と音声広告に対する印象
■05. ポッドキャストと他メディアユーザーの比較
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【市場調査】ポッドキャスト国内利用実態調査2022 / 資料ダウンロードはこちらからどうぞ
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調査レポートの音声解説は以下から
市場レポートの裏話から、概要の解説までこちらでお話しています。
ポッドキャスト「配信者視点」での考察です。
あと、別件ですがこちら↓もよく聴かれています。ポッドキャスト運営をされている企業さんには参考になるかと思います。
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