始める前に、捨てることについて

こんなことを書くと、邪道だ生意気だと怒られるかもしれないけれど。
自分自身のためと、近くを走っている人に向けて、書こうと思います。

「新しいことを始めたいけれど、どうしたらいいかわからない」
と、同じように悩んでいる人に、参考として読んでもらえたら嬉しいです。

今年の秋、僕は捨てまくっていた。

まずは、8年間住んだ部屋と、そこにあったものを捨てた。
本棚の肥やしの書籍類、着なくなった洋服、思い出のグッズ、使うはずだった日用品、移転を諦めた家具あれこれ……
大家さんに怒られる勢いで捨てまくり、新しい街に引っ越した。

もうひとつは、それまでの仕事とキャリアを捨てた。
新卒入社から5年半、”エンジニア”としてやってきたキャリアを完全に捨てた。
退職によって、チームメンバーとしてあったはずの人間関係も無くなってしまった。
心配して今でも連絡をくださる方々、ありがとうございます。

捨てないと、できなかったこと?

なぜ、そんなに捨てたのか。
シンプルに変化を望んでいたこともある。
ただそれ以上に、これまでの諸々を捨ててでも、自分の目標と、本気で向き合いたかったからだ。

本来であれば、副業的に始めて、成功したら……と考えるのが利口かもしれない。
でも、僕は「新しいことを始めたい!」「状況を変えたい!」と思った時、”これまでのモノ”が障壁になるのが、どうしても嫌だった。
”副業”とか、”ライフワークバランス”なんて、器用には考えられなかった。キャパシティを超えるのが目に見えていた。
だから、これからのために、それまでの環境を捨てた。

身動きが取れなくなる前に

捨てる選択が、正しいのか。
まだ成果を上げていない身なので、本当のところはわからない。
最近なんて、風邪は引くわ、進捗は悪すぎるわで、不安になってしまう日も多い。

でも、以前に比べれば、目標に向かって、より明快に考えられるようになった。
それに、本当に大切なものは、ちゃんと手元に残せている。死んだりはしない。

もちろん、自分の例がかなり極端だということも理解しているつもりだ。
家族、生活、仲間――守らなきゃいけないものが多いという人もいると思う。
でももし、「新しいことを始めたいけれど、どうしたらいいかわからない」という、僕みたいな人がいたならば。

始める前に、捨てることを考えてもいいんじゃないだろうか。
「なんでもやろう」「とにかくやろう」と闇雲に手を出していると、いつかは限界が来る。本当に大切なものが霞んでしまう。そうなる前に。

余計なものは捨ててみるのも、ありじゃないだろうか。
その後に見えてくるものも、きっとあると思う。




……エラそうにすみません。
捨てまくった状態からの再スタート、僕も頑張ります!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました! これからも応援いただけたらうれしいです。 (いただいたサポートは、作品制作のために活用いたします!)