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ロボット劇作家のエッセイ

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尾崎太祐が書いたエッセイ・コラムをまとめたマガジンです。
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#読書

酒を嗜む。図書室で。

うーん、なんだろう? フリーランスとして自宅で仕事をするようになって以降、パンデミックの影響も重なって、物欲とか感動センサの感度が鈍ってる気がする…… ……あ!体験あった!つい先日のこと。 東京・渋谷にある「図書室」に行った。森の図書室という本が読めるバーだ。 ここでの体験が、2つの意味で最高だった。 ノマドワーカーの味方通常、図書室ではとにかく「静かにしなきゃいけない」イメージが強い。パソコンでの作業はキータイプ音が嫌がられたりする。 その点「森の図書室」はパソコ

小説の「地の文」が面白い

こんにちは。ロボット劇作家の尾崎です。 最近、ひさびさに小説を読んでいます。 劇作家と名乗りながら恥ずかしいのですが、近年、活字に疎いのです。 この頃、戯曲を読むことや、学ぶための読書の機会は増えたものの、「小説」というジャンルからは、やはり縁遠くなっています。 そんな中で買った小説が、田辺聖子 作『ジョゼと虎と魚たち』。 現在上映中のアニメ映画版を見て、原作が気になったので電子書籍を。 恋愛小説を読むのも久しぶり。 しかも予想外なことに、短編集だったので驚いたのです

噛みしめるように、読書をしたい

多読、速読、効率的な読書術…… そうしたハウツーを目にするようになって、だいぶ久しい。 子どもの頃、速読ができる同級生は、クラスの中で一目置かれていた。 社会人になってからも、とにかくたくさんの本を読むべきだと、上司、友人、いろんな人に言われた。 最近は、話題の本のレビューや、要点をまとめた動画が人気らしい。 たくさんの本と習慣的に出会い、どんどん読める人。 そんな人のことが、私は正直、羨ましい。 自分には絶対できない、と思ってしまう。 なにも最初から最後まで、完璧に読