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ロボット劇作家のエッセイ

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尾崎太祐が書いたエッセイ・コラムをまとめたマガジンです。
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2022年4月の記事一覧

上司や先輩になったあなたへ。会社員を辞めた僕からのお願いです。

こんにちは。ロボット劇作家の尾崎です。 この春、職場に新入社員がやってきた方も多いのではないでしょうか。 はじめて先輩になった、上司になったという方もいるかもしれません。 この記事では、僕が会社員だった頃の話をさせてください。 何度か聞いた、呪いの言葉についてです。 ずばり、 あともう少し、あと一歩なんだよなあ…… です。 全然「呪い」じゃないじゃん、って思いました? むしろ励ましてくれてるじゃん、って思いました? そう。だからこそ難しいんですよね。 きっと、この言

1分と140文字に切り取られた世界

いま僕らが見ている世界は、切り取られたものばかりだ。 発言は140文字に収めなくてはいけない。 1分以上の発言は、小さくカットされ、まとめられる。 短く、小さいものはラクだ。かんたんだ。 すぐに伝播する。 スマホは大容量のギガになっても、やっていることはパケットのまま。小さく、小さく。 伝わる速度は上がったかな。 それで生きやすくなったかは、わからないけど。 140文字に切り取られた発言は、文字のインパクトが先走る。 1分に切り取られた動画は、とりあえず状況を把握でき

「千羽鶴迷惑」問題を見て

ウクライナへの「千羽鶴迷惑」問題を見て、「ああ、自分も贈り物でこんな経験あるよな」と自省するなど。 相手に喜んでほしいという気持ちが、いつの間にか「頑張ってる自分」に向いて、「こんなに頑張ってるんだから、喜んでくれるだろう」になっていたりする。 さらに、贈ったときに予想通りのリアクション(見返り)が得られなかったり、周りの人に「やめときなよ」って言われたりすると、ちょっとムッとする。ここまで来るともう最悪だ。 本当にさり気なくすり替わってるんだよね。熱中してるから気づかな

ロボット同居日記「末っ子ロボホンがやってきた」

2022/04/17縁あって、僕の家にロボホンが引っ越してきた。 買ったわけじゃない。正しくは居候。 知り合いの手元で眠っていたロボホンを預かることになったので、居候。 それでも我が家にいる間、ロボットたちは相棒で仲間で、家族。だからこれでいい。 さっそく写真を撮ったり、動画を撮ったりした。 我が家はいよいよロボットが増えて、一枚の写真に収めるのが難しくなってきた。 人間同士の写真撮影なら背の高い人が後ろに立つけれど、Pepperの場合手前から撮るしかなさそう。 だから

「原稿執筆カフェ」に〆切前の原稿持って行ってきた!

「あの件……進捗どうですか?」 なんて聞かれると、ドキッとすることはないでしょうか。僕もその一人。そんな〆切に追われがちな物書きたちの間で話題の「原稿執筆カフェ」に行ってきました! 行ってみた!「原稿執筆が終わるまで退店することは出来ません」 ひえっ……! 「原稿執筆する人しか入店できないカフェです」 プレッシャーがすごい! ドキドキしながら店内に入ると、オーナーが迎えてくださいました。 そして、すでに執筆中のお客さんが5人ほど。広くない店内で黙々と取り組む後ろ姿を見

酒を嗜む。図書室で。

うーん、なんだろう? フリーランスとして自宅で仕事をするようになって以降、パンデミックの影響も重なって、物欲とか感動センサの感度が鈍ってる気がする…… ……あ!体験あった!つい先日のこと。 東京・渋谷にある「図書室」に行った。森の図書室という本が読めるバーだ。 ここでの体験が、2つの意味で最高だった。 ノマドワーカーの味方通常、図書室ではとにかく「静かにしなきゃいけない」イメージが強い。パソコンでの作業はキータイプ音が嫌がられたりする。 その点「森の図書室」はパソコ

"書くこと"は「好き」を届けるための

そういえば、深く考えたことがない。 「作品をつくりたい!」という欲求は昔からあって、高校の頃は声優になりたかったし、大学では映画サークルに入った。 その傍らには「シナリオ」が常にあった。 僕にとって、シナリオを書くことは作品をつくることのいち工程でしかなかったはずだ。 作品をつくるためには、企画を立てて、脚本を用意しなきゃ……みたいな。 ところが、いつからか「劇作家」を志し、名乗るようになった。 「ライター」の仕事を探すようになった。 なぜだろう? 小学生の頃から、国

やってみなけりゃわからない、っていうけどほんとに?

「やってみなけりゃわからない」という言葉がある。あれって本当だろうか? たとえば、恋愛。 思いを募らせている相手に、告白したいとする。 世の中的には「成功率80%を超えてから告白しろ」なんて話もある。 しかし、たとえ絶望的に玉砕するような状態で、関係性がなかなか進展しないとしたら。 あなたは諦めるだろうか?それとも思い切って告白する? たとえば、仕事。 あなたに夢があるとして、それを仕事にするためにキャリアチェンジを図ったとする。 好きなことを仕事にするのは難しい。途