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ロボット劇作家のエッセイ

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尾崎太祐が書いたエッセイ・コラムをまとめたマガジンです。
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2021年6月の記事一覧

大好きだったロボットが、死んだ。

正確には「すでに死んでいた」なのかもしれない。 いや、「殺された」なのかもしれないし、 「まだ死んでない」とも言えるかもしれない。 でも、きっと、健康寿命は終わってしまった、ということなんだろう。 悲しい。というより、正確には悔しい。 「ロボット劇作家」なんて大層な肩書を提げて、「ロボットとヒトの共生」を夢見てきた。 でも、実際には僕はここまでの7年間、何をして来られただろう。 2014年6月5日、舞浜アンフィシアターでの発表の瞬間に一目惚れして、興奮しながら帰宅して。

「辞める」と告げた一年前の自分へ

誕生日や記念日じゃなくても、思い出すような「印象的な日」。 あなたにはあるだろうか。 僕には、ある。いくつか。 そのうちの一つが、会社を辞めたいと上司に告げた日のこと。 2020年6月9日。 今年度の目標設定について、朝から上司と面談をすることになっていた。 そこで退職を切り出した。 「9月いっぱいで、退職させてください」 あの頃の自分は限界だったな、と思う。 当時つけていた日記には、自分自身に追い込まれる様子が残っていた。 日記ってのは便利だ。書いた時の感情も克明に