こんなもので本当に良いのか

先日「ゴジラ-1.0」を見た。ゴジラは全然詳しくないけれど子供のころに映画をいくつか見たことがある。いっぱい色んな種類の怪獣が出てきて、それをバッサバッサと倒していくゴジラがかっこよかった。なんてタイトルだったかな。あとはメカゴジラとかも好きだった。全体が銀色で出来ていて少しだけ濃い青色の武器を搭載しているのもかっこよかった。プテラノドンみたいな鳥のような怪獣も結構好きだった。やっぱり飛べるってかっこいいですよね。

ここから先はネタバレあり。

まず映像がすごく綺麗。VFXという技術?を使っているらしくてとても綺麗。監督がこの技術を前から使っていて力を入れているのは知っていたけれど映画館で見るととてもよかった。とくにゴジラの背中のトゲトゲみたいな部分が水色ぽっく光って口から熱線を出して銀座を破壊するシーンはすごいかっこよかった。光ながら徐々にトゲトゲが展開されるのがずるい。それはかっこいいに決まってるって。
あと、ゴジラを倒すための作戦が意外だった。海にゴジラを誘いこみ、ゴジラの注意を引きつけながらいくつかの装置をゴジラに巻き付ける。そして、その装置から泡?を吹きだすとゴジラが海底に沈んでいき水圧でダメージを与える。それでも倒せない場合は今度は泡じゃなくて装置からゴムボートのようなものを出してゴジラを深海から海面に急浮上させる。要するに水圧の急激な変化でゴジラを倒す、というものだった。私はなるほど~、と思ったが、この方法は昔からあるゴジラや怪獣を倒す方法なのだろうか。また、調べてみると私にはよくわからなかったが、深海では物質が気化することは出来ない?ため現実では再現不能だと言っている方もいらっしゃった。
と、ここまで良い部分を書いてきたけど、個人的にどうかなと思った部分もある。
ストーリーが単純。映画を見ていると次の展開が予想できる。特に捻りはない。これは昔のゴジラの作品のリメイク作品なんだろうか、と思うくらいストーリーが単純。セリフもどこかで聞いたことのあるようなセリフが多い気がした。
次にゴジラは何のために日本に来て人を襲っているのかがわからなかった。食べ物を食べるためなのだろうか。ここらへんはちゃんと説明しない、というのがゴジラの伝統みたいなものなのだろうか。
次にゴジラへの対策として米軍も日本政府も何もしないということだ。今作の舞台は戦後の日本なのだが、ゴジラが来ることが予想されているにも関わらず、日本政府は軍を持っていないので何も出来ない、アメリカはソ連との軍事関係で軍を動かすことが出来ない、よって民間の有志でゴジラを対処するしかない、ということになる。うーん、いくら何でもそんなことあるのか、と思ってしまう。アメリカは未知の生物を研究して、その結果を軍事利用しよう等は思わないだろうか。また、今作ではゴジラの口からの熱線によって銀座が壊滅するのだが、映像の爆発の迫力の規模から銀座だけでなく東京の大部分が壊滅状態であってもおかしくないはず。また、ゴジラの熱線は放射能を使っているらしく、黒い雨が降る描写もなされていたので東京は放射能に汚染された地域もあるということになる。日本の首都の東京でそんなことがあれば日本はまず間違いなく最低でも少しは混乱するだろうし、その後の朝鮮戦争への影響も全くないとは言えないかもしれない。もしかしたら、この映画の世界では日本を使って朝鮮戦争の援助が出来ず、連合軍は負け続け、韓国は北朝鮮に完全に併合され、世界のパワーバランスは現実の今とはかなり違っているのかもしれない。
要するに突っ込みどころが多い。突っ込みのない作品というのはないのかもしれないけれど、それでも突っ込みたくなってしまう部分が色々あるとは思う。
確かに人気コンテンツの最新作を作るというのは色々と事情があるのかもしれない。長年のファンの方からすると最新作を作ってくれるというだけでも嬉しいものなのかもしれない。確かに映像を綺麗に迫力あるものにする技術はすごいと思う。でも今いくら映像が綺麗でも、何十年後先の未来では映像は古いねって話になってしまう可能性だって高いかもしれない。そうなったときに、良い作品とそれは呼べるのだろうか。先ほども言ったように長年のファンの方からすると最新作を作ってくれるというだけでもありがたいものなのかもしれないが、こんなもので本当に良いのか、と正直一番最初に思ってしまった。


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