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【ライヴレポ】ポルノとREUNIONした日(CYBERロマンスポルノ’20)

我が人生そのものである、ポルノグラフィティの初のオンラインライヴ、「CYBERロマンスポルノ’20 REUNION」の感想。(51stシングル「テーマソング」の初回特典としてライヴ映像が収録されたので改めて)

※本ライヴは配信画面でのスクリーンショットと、そのアップロードを常識の範囲内で許可されています。

ライヴ概要

ポルノグラフィティ初のオンラインライヴにして、オンライン配信と有観客会場でのライヴのハイブリッドで開催されたライヴ。ただ有観客と言えど、座席を間引いた状態なので現地参戦できる人は相当レア。僕はさすがに東京に行く勇気がなく(という言い訳でくじ運が悪いのを隠し)オンラインで参加。

20周年記念の東京ドーム2DAYSライヴ「神VS神」から1年3カ月ぶりのライヴで、ライヴとライヴの間にこれほど期間が空くのはポルノグラフィティとしても初…。つまり、ファンにとってもポルノにとっても待望のライヴ

セットリスト

1.アポロ
2.オー!リバル
3.星球
4.ワンモアタイム
5.2012Spark
6.リビドー
7.ヴォイス
8.シスター
9.ルーズ
10.カメレオン・レンズ
11.海月
12.アゲハ蝶
13.Hard Days,Holy Night
14.VS
15.ハネウマライダー
16.一雫
~ENCORE~
E1.REUNION(新曲)
E2.ジレンマ

アンコール2曲を含む全18曲。いつものライヴと比べると少し曲数は少な目でしょうか(おそらくコロナ対策で会場滞在時間を最小限にしている影響)。アンコールもすぐに始まりましたし。

定番の曲もやりつつ、ファンが身もだえること必至の”久しぶりの曲”もあり、一部では「神神(20周年記念の2DAYSライブ)の3日目」とも言われるすばらしいセトリでした。

また「CYBER」ということでAR演出が取り入れられましたが、その演出が映える美しい楽曲もたくさんで目でも耳でも楽しめるセトリ。新旧シングル曲と非シングル曲のバランスも良く、往年のファンもご新規さんも楽しめるセトリはないでしょうか。個人的にはずっと聴きたかった「シスター」が聴けてもう…感無量です。

セトリから見るポルノの思い

つながりたい・会いたい:1曲目「アポロ」は冒頭の歌詞をアレンジ。いやーアポロ始まりとは…早速胸を撃ち抜かれました。

僕らが生まれてきて 半世紀後の世界
サイバー空間で あなたとつながりたい

元々デジタルロックな曲でありポルノの元祖CYBER曲ともいえる曲。いつの時代も愛の形を探し続けていて、きっとそれは時代、そして人それぞれ。この2020年は未曾有の危機で「人と直接会う」という普遍的な愛の形があっさりと塗り替えられてしまった年。この危機はアポロが月に降り立った時には想像もできなかったことですが、一方で科学技術の進歩も当時からは想像できないところに到達しています。

「生」で会うことにはまだまだいろんな制限があるけれど、科学技術の進歩でどこにいても「同じ時間・同じ空間を共有する」ことができるようになった。「やっぱり生のライヴがしたい・見たい」と思うかもしれない。
でも、今できることでも最大限の「つながり」を作ることができるのではないか。「今できること」は決して後ろ向きな消極的選択肢ではなく、むしろ積極的な選択肢として。あなたと繋がるために。

また、ライヴでのアポロはラストサビに入る前の「ラブ・E・メール・フロム・ビーナスなんて素敵ね」のビーナスの部分を、ライヴ会場の地名を入れ、会場を盛り上げることが多いですが、今回はそこを地名ではなく「会いたかったぜエブリバディ!」。ライヴ会場である渋谷を入れて、「ラブ・E・メール・フロム・渋谷」でもよかったわけです。でも今回は、配信ライヴによって場所を問わずに「会う」ことができる。彼らが20年以上やってきたライヴの形とは大きく変わっても、「会える」。その喜びを一言に込めてくれていると思いませんか?僕も会えてうれしいよ!!

インディーズ時代から「生のライヴ」を何より大切にしてきたバンド・ポルノグラフィティ。「あなたとつながりたい」はコロナ禍におけるポルノの非常に強いメッセージでした。「つながり」「再会」ということを意識すると、肌と肌が触れることで生まれる熱と衝動を歌い上げる「リビドー」、誰かとの出会い、確かに感じる存在を語る「ヴォイス」、いのちの繋がりや人生の巡りあわせを彷彿とさせる「海月」、「あなたに逢えた それだけでよかった」と歌う「アゲハ蝶」。各曲にもメッセージを感じます。

ライヴ定番、アンコール後の「生声によるメッセージ」でも、二人は「会えてうれしい」と言いました。二人が同じことを言うのはかなりレアです。始まりから終わりまで、一貫して「会えた喜び」を、楽曲・演奏でも生の言葉でもファンに伝えてくれました。

歌いたい・叫びたい:ポルノのライヴの魅力の1つであるコールアンドレスポンス。そしてそれによる会場の一体感。観客が声を出すものも多く、有名なものでは”変な踊り”「ミュージック・アワー」、”儀式”「Century Lovers」など。「会場の観客は発声一切禁止」となる今回のライブでは少な目になるのではと思っていました。

ところがむしろ逆。がっつりセトリに入れてきました。こうやって毎回いい意味の裏切りをかましてくるところ、好きです(大声)。観客と一緒に合唱する「オー!リバル」「アゲハ蝶」、タオル回しが有名な「ハネウマライダー」、観客とのカワイイ掛け合いがある「Hard Days,Holy Night」。

激戦の抽選を経て会場参戦した観客からすれば「叫んではいけない・ポルノライヴ24時」。「したくてもできない」という新手の拷問(いい意味)。新情報を焦らしたり、アンコールでなかなか出て来てくれなかったり、そんなことからファンの間では「ポルノジラシティ」とも呼ばれる現象がありますが、「究極のポルノジラシティ」として未来永劫語られることでしょう。

たとえ声は出せなくても、またオンラインで参戦している組の声は、会場に物理的な意味では届かなくても、ポルノがライヴをするからにはやはり外せなかったのでしょう。これはポルノにとって、新たなコールアンドレスポンスの形を探す挑戦でもあります。
実際に会場は全身全霊の手拍子で応え、また配信組も全身全霊の大声(近所迷惑)で応えました。オンラインなんて関係なく、今までのライヴと同様、間違いなくポルノとファンが一体になっていました

20周年記念ライヴの東京ドーム「アゲハ蝶」での、5万人の「ラララ」合唱、「ハネウマライダー」での5万人のタオル回しに代表される「最高の景色」を経験したポルノと我々。その光景はメンバーやサポートミュージシャンが「ヤバかった」と言及するほどのものでした。コロナ禍においてその光景の再現は、少なくとも今はできません。
でもポルノはそれを否定的に捉えることはありません。あの光景から「観客の熱量」「ファンとのつながり」をしっかり受け取ったから。その熱量は、決して声が出せなくても、オンラインでも、絶対にライヴに参戦している人を一つにすることができる。20年を経てポルノが得たその「確信」は、間違いなかったのです。

またアンコール最後の曲に「ジレンマ」を持ってきたのも、ポルノの強い想いではないでしょうか。インディーズ時代から演奏されている曲で、ライヴ定番曲、そしてアンコールのラスト曲として長年親しまれている曲ですが、近年はライヴの中盤で演奏されたり、演奏しなかったりでした。しかし初のオンラインライヴということで「ポルノのライヴ」として爪痕を残したい。そんな思いから「最後はやっぱりジレンマだよね」となったのではないでしょうか。
画面の向こうでも、声の出せない会場でも、最後は踊って叫んでアホになって帰ろう。最高にアホになって、騒いで終わる。それがポルノのライヴだから。コロナよ、我らが愛の前に跪け!と言わんばかりの最高の締めでした。

寄り添いたい・ともに歩みたい:ポルノの楽曲の数ある魅力の1つに「寄り添うやさしさ」があります。二人の性格からもにじみ出ますが、それはMCやインタビューなどでのメンバーの語りからも伝わるもので、「ある意味過剰な謙虚さ」と言ってもいいかもしれません。今回のライヴはコロナ禍でのライヴでした。ともするとネガティブな方向に目が向きがちな今。「ライヴではポジティブ全開で行くぜ!!」とすることもできたはずで、いわゆる応援ソングやメッセージ性の強い曲でセトリを固めることもできたはず。

でもポルノは違います。もちろんMCでも昭仁が言っていたように「ネガティブになりがちだからポジティブに」という思いはないわけではありません。でも決してポジティブを押し付けない。ネガティブだって君の大事なカケラだから。ポジティブに限らず、ポルノの曲はメッセージを押し付けないんです。あくまで一緒にそっと、進んでくれるのです。

「あなたがたゆたえるほどのテンポで時計の針は緩めておいた」。何気ない、そしてせわしない日々を必死に生きる人へ寄り添う「星球」。厳しい現実の中で自分たちの力を信じ、明日の風が背中を押してくれると歌う「ワンモアタイム」。「優しくなりたければ強くあれ」、同じく厳しい現実の中でも、この時代は自分たちのための時代だと高らかに歌う「2012Spark」。悲しみを抱えて生きながらも、「明日になったら会えるのかな」と、”明日”という希望を失くさずに着実に前へ進んでいるような、行進曲風のリズムが映える「シスター」。

ポルノはいつも、僕らと一緒に歩んでくれます。決して僕たちを置き去りにしません。時には僕らがポルノを引っ張り、時にはポルノが僕らを引っ張り。まるで噛みあう歯車のように、Days of the sentimentalを駆け抜けて行く。「ハネウマライダー」は僕たちであり、ポルノグラフィティでもあります。

CYBER

オンラインライヴということで名づけられた「CYBERロマンスポルノ」。CYBERというところから、今回のライブにはAR技術が取り入れられました。配信ライブだからこその視覚的な挑戦。ポルノのライヴは照明の演出に定評がありますが、AR技術も負けていませんでした。

「オー!リバル」では過去のライヴツアーのキャラクター「サイ(犀)」がARで登場。「オー!リバル」をはじめとするサイシリーズの楽曲・アルバムのキャラクターです。突進を繰り返し、画面にヒビを入れ、そのまま画面の外へ飛び出してきます(場面によっては昭仁と晴一を踏みつぶしているようにも見えましたが笑)。また二人の立体ARも画面から飛び出し、客席の真上で音を奏でます。MVでの大行進を想い出させる演出で、序盤から一気にボルテージを上げていきます。ちなみに「サイ」なのは「サイバー」と掛けているんでしょうね。後で気付きました笑。

「星球」ではきらめく星球が画面から飛び出し観客席に散りばめられます。束の間の煌めく非日常空間を。曲の世界観とリンクした美しい演出。惑星のような物体や、調度品を模したモニュメントも飛び出し、宇宙のような浮遊感も演出されます。

「カメレオン・レンズ」では歌詞が飛び出します。英語のフレーズが特徴的な曲で、それを際立たせるようなシンプルな図形とによるスタイリッシュな演出。続く「海月」では無数の海月が客席に現れ、さながら水族館のような光景。ネオンカラーに光る海月たちが幻想的に漂い、会場を一瞬で深海に変えます。

「アゲハ蝶」では、Twitterで募集されたファンのメッセージが蝶となり、会場へ集合。画面に表示されるTwitterアイコンやメッセージに、自分やフォロワーさんを探した方も多いのでは。

画面からも飛び出し客席と画面を縦横無尽にヒラリヒラリ。日本中からファンの思いが”蝶”となって集まる姿は、1年3カ月前の東京ドームを思い起こさずにはいられません。晴一が思わず見惚れ、昭仁が「20年で最高の景色」と言ったあの景色。あの時のように物理的な意味で同じ空間にはいなくても、再び同じ時間に集まった。歌詞では「近づくことのできないオアシス」と歌われますが、ここが間違いなくオアシスでした。

定評のある照明演出に加え、ステージ演出の映像美もいつも以上に素晴らしい。ステージの背景だけでなく、ステージ床にも様々な仕掛けが特徴的でした。「2012Spark」では心電図・音波系のようなエフェクトが映り、メンバーを覆い隠してしまうほどの眩い光を放ちます。「シスター」では画面に映る木から根っこがメンバーの足元に繋がり、MVを彷彿とさせる演出。ファンから根強い人気を誇る「ルーズ」では背景と床面とが美しく幻想的な演出を魅せ、儚いバラードの世界観を広げます。「VS」では20周年ライヴのロゴ「VS」が浮かび上がり、20周年という節目をゴールとするのではなく、新たなスタートとして踏み出した二人を照らします。前方からだけでなく上方から見ても楽しめる演出でした。

REUNION

新曲としてのREUNION:「再結合」「再集結」などの意味からつけられたライヴタイトル。それは新曲タイトルでもありました。ライヴ開始時のオープニングSEでも「REUNION NOW」と歌う昭仁のサビフレーズが繰り返し流れていました。

まさかオープニングSEが新曲のサビだとは誰も気づかなかったでしょう。今回もカッコいいSEやなあ~としか思ってませんでした。ファンとしてアンテナの設定が甘かったです。すみませんでした(悔)。

美しく力強いピアノで始まり、どこか80年代や90年代のJPOPを感じさせるようなメロディライン。「目を閉じて刮目」「目を開けて瞑想」と相反する言葉で織りなす世界観。サビのキャッチーな「REUNION〇〇」というフレーズが頭に残りやすいですね。サビのほとんどが英語詞なのは、コロナ禍が日本だけじゃなく世界規模の問題だからでしょうか。また新しいポルノの一面を見せてくれたような気がします。

昭仁曰く「リリースとかタイアップとかそういうのじゃなく、今日ここから力強い一歩を共に踏み出すための歌」(意訳)。何が正解か。今まで信じてきた常識は何だったのか。ソーシャルディスタンス。マスクで見えない顔。感染防止と経済活動。一瞬にして、そして確実に世界の常識が変わり、ある一面では様々な”分断”も生じたコロナ禍。

その中で「今このひと時」もう一度出会えたから。これからもう一度「新たな始まり」「新たな世界」を。もう一度「この場所」から力強い一歩を。

日々の生活のために必死で守ってきた「矜持」、不要不急という言葉に疑問を呈する「勇気」、見失いかけた己の「強さ」、かつて確かにあったはずの「信念」。アクリル板に分断された「交流」、匿名のメッセージに埋め尽くされ傷ついた「心」、マスクの下に隠れた「笑顔」、オンラインでは聞こえない「息遣い」、当たり前だった「平穏」、終息を願い生きる僕らの強い「祈り」。これらを「今このひと時」「この場所」からもう一度繋ぐことで「新たな世界の始まりの一歩を」。

昭仁の歌声と晴一のギターが、会場と全国のファンに、そして世界に力強く訴えかけます。そして間違いなく、会場と配信で見ているすべての人が、その思いを1つにつなぐことができたはず。「不要不急」「感染のリスクが高い」とあまりにも強すぎる逆風を浴びているエンターテインメントですが、このライヴでポルノは「こんな時だからこそ必要な音楽のちから」と言うものを提示したのではないでしょうか。

ライヴタイトルとしてのREUNION:様々なインタビューやライヴMCでも言及されていますが、「ポルノとファンとがライヴで再び会う」ということで名づけられたREUNIONというタイトル。

REUNION単体で「再会、再結合」を意味しますが、分解すると、REUNIONは「もう一度」という意味の「RE」と、「結合、団結、組合」などの意味を持つ「UNION」から成ります。UNIONは語源を辿ると「一つになること」を意味するようです。

1年3カ月ぶりの「ポルノとファンの再会」。久しぶりに演奏する「曲との再会」。しかしそれは単なる再会ではなく、「再び一つになる」という意味でもあります。会場と配信という場所を超えて。歓声やコールアンドレスポンスがなくても魂を込めた手拍子と拍手で。曲とともにある思い出たち。アーカイブ配信やメッセージ募集で、当日参加できなかった人も時間を超えて。

20年間、あるいはデビュー前を含めればもっと前から積み上げてきた「ファンとのつながり」。その一つの集大成が20周年記念の東京ドームライヴでした。ポルノが、サポートメンバーが、そしてファンが感動したあの光景は間違いなく最高の景色。

あの最高の景色以上の光景を、絶対に見ることができる。本来はそれぞれが勝手な速度で回る歯車だけど、思いを一つにした時、それは大きな一歩を踏み出す力になる。何度でも「最高の景色」を更新していくために、どんな困難な状況でも一つになり、前に進むことができる。REUNIONというタイトルには、そんな思いも込められているように思います。

個人的ハイライト

曲目でいうと「星球」「ワンモアタイム」「2012Spark」の流れは、コロナ禍のことを考えるとメッセージ性を強く感じました。ただメッセージ性が強いだけでなく、ライヴの曲として会場全体が盛り上がり、「ライヴ映え」する曲でもあります。この3曲はアルバム「PANORAMA PORNO」収録曲で、このアルバムを引っ提げたツアー「PANORAMA PORNO42」が初ライヴだった僕にとっては、思いで深い曲たちでもあります。その上「2012Spark」は、当時よりも高音がきれいに出ていて、昭仁のもともと高い歌唱力がさらに成長していることを感じました。どこまで成長するの…?化物ですね(ほめてます)。

また「リビドー」「シスター」「ルーズ」あたりはファン人気が高く、そして久しぶりのライヴ登場ということで全ファンが泣いたのではないでしょうか。久しくライヴでやっていない曲にもREUNION(再会)。「シスター」は上記僕の初ライヴでは大きくアレンジがされていたので、原曲に近い演奏は初でした(アレンジはアレンジでめちゃくちゃ良いし好きです)。3人体制から2人体制となり、新たな一歩を踏み出すための曲。一見悲しみが前面に出ているようで、実はそうではなく、前進する曲だと思っています。

同様に人気曲「Hard days,Holy night」では、一足早いメリークリスマスをプレゼントされました。独身男性に投げキッスのクリスマスプレゼント、ありがとうございます。ごちそうさまです(?)。

個人的に涙が止まらなかったのは「ハネウマライダー」。ファンへの感謝、そして「これからも・・よろしくね!」と語るMC(かわいい)から、昭仁と晴一がハモリでサビを歌う演出。バックはキーボードのみで、しっかりと晴一のコーラスも聞こえます。二人が並んで一緒に歌っている姿に、条件反射で涙があふれ出てしまいました

ライヴで盛り上がる定番曲であり、タオル回しによる一体感や高揚感が有名な「ハネウマライダー」。歌詞をしっかり読みこむと、かなり強いメッセージが込められていることがわかります。一緒にライドするのは僕たちファンでもあり、また昭仁と晴一がお互いのことを指しているようにも解釈できます。一緒にならどこまでも行ける。途中じゃ降ろしてやらない。どんなにオンボロでも、ハンドルがなくても。先にも述べましたが、ハネウマライダーはポルノのことでもあり、僕らファンのことでもあるような気がします。

そして本編最後の1曲「一雫」。50thシングル「VS」のカップリング曲で、一説にはポルノからファンへのレターのような曲と言われています。ファン、そしてポルノの二人自身も、ポルノグラフィティという「夢」を見ている。時々その夢から覚めてしまいそうにもなるけれど、ファンがポルノに、ポルノという夢を見てくれている限り、ポルノの二人が覚めてしまうわけにはいかない。そのために振り絞った言葉、メロディが、乾いた雑巾から絞り出した一雫でも。

ハネウマライダーからの一雫。ポルノとファンの確かな繋がりを確認させつつ、ポルノはまだまだ駆け抜けて行くという決意表明にも聞こえる曲順。締めの曲にファンへの感謝って…僕の語彙力ではこの感動を語ることはできません。誰か語彙力を分けてください。(ついでに冷たい水をください)

MCその他

MCでは自称”いつもの面白MC”をかますも、会場は笑い声を含めて声が出せないために反応がわからず、不安を見せていました。ぶっちゃけファンにとっては、MCが面白くてもスベッても、ポルノが楽しそうならそれでいいです。うまいこと言ったつもりで反応がなくて焦る晴一もかわいいです(真剣)。意外と昭仁のほうが「慣れるしかない」ってドシっと構えていて、晴一の方が色々きにするんですよね、尊い(真剣)。

相変わらずの「仲良くないアピール」でコロナ自粛期間中のお互いを茶化し合ってみたり、二人は昭仁と晴一のままでした。いい意味で変わらない二人、安心しました。

配信ということもあり、いつも以上にカメラ目線、カメラへのパフォーマンスも多く、おうちの大画面で見ていた方は卒倒したのではないでしょうか。僕ももちろん、卒倒した人です。画面が文字通りポルノです。カメラに照れながらアピールしたり、投げキッスしたり、肩をはだけさせたり、衣装が脱げなくてバタバタしたり、それを冷ややかに見たり。こんなカッコよくてセクシーでカワイイおじさんがどこの世界にいるんでしょうか。そうか、ポルノグラフィティは極楽浄土やったんや、そうですかわかりました。

最後に

ライヴ前のドキュメンタリーを含めて約3時間ほどのライヴ。声が出せなくても全力で楽しむ会場と、チャットコメントと投げ銭機能で盛り上がる配信組との両方が一体となり、新たなポルノのライヴを見せてくれました。デビュー前のインディーズ時代より、生のライヴを何より大切にしてきたポルノグラフィティだからこそ、魅せることができた景色です。何よりポルノのふたりが楽しそうに歌い、演奏している姿がファンには堪らないのです。

新型コロナはまだまだ収束の気配もないですが、晴一がMCで言っていたように「こんなこともあったね」と笑って懐かしめる日がはやく来るように。ライヴは不要不急じゃない、人生の糧であり、夢であり、希望であることを、大声で言える世界が来ますように。

そして昭仁は「ポルノの全盛期はこれからです!」と力強く宣言しました。謙虚なポルノが言うのだからよっぽどですよ。コロナなんか吹っ飛ばすくらいの勢いで、また新たなポルノを、夢の続きを一緒に見たい。

コロナ禍での最大限の楽しめるライヴを届けてくれたポルノに感謝しつつ、また生の会場でポルノとREUNIONできるように。昭仁の「また逢おう!」が現実になることを祈って。

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