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関節炎を悪化させる食べ物

 変形性膝関節炎やリウマチ性関節炎、五十肩やテニスエルボーなどといった関節の痛みは、関節の炎症です。関節の炎症を悪化させるのは、身体の動かし方が悪いとか酷使しすぎなどといった要因のほか、食事にも原因があることが多いのです。
 どんな食品の成分が関節炎を悪化させるのでしょうか?

レクチンが、関節炎やリウマチを誘発する!

 関節炎を悪化させる基本成分は、『レクチン』です。レクチンは、植物が鳥や虫に食べられないためにつくる「毒」です。
 レクチンを日常的に多く摂取していると、まず腸が『リーキーガット』になります。
 リーキーガットとは、腸の栄養吸収細胞同士の密着結合がゆるむことです。絨毛の表面に並んでいる栄養吸収細胞の結合がゆるむと、その微細な隙間から未消化なタンパク質や腸内細菌が、腸から吸収されます。すると腸の免疫細胞が「異物が侵入した」と判断して、異物を排除しようとします。その結果、軽度な炎症(慢性炎症)がおきます。慢性炎症は痛みや発熱などを伴わないので自覚症状はありませんが、血液中に「炎症性サイトカイン」を増やします。サイトカインは免疫細胞のメッセージ物質で、炎症性サイトカインのメッセージは「炎症をおこせ!」です。
 こうして炎症性サイトカインの多い血液が全身を循環すると、身体のあちこちに炎症がおきやすくなり、今おきている炎症が悪化します。関節に炎症があれば、関節炎が悪化するわけです。

 さらに腸から吸収されたレクチンは、血液によって全身に循環して、軟骨や内分泌腺や神経などに蓄積していきます。そしてレクチンが蓄積した組織を免疫細胞が攻撃すると、炎症がおきます。
 例えば、腸から吸収されたレクチンが、血液によって関節に運ばれて軟骨に蓄積していきます。すると免疫細胞が、レクチンと結合した軟骨細胞を攻撃して排除しようとします。その結果、関節炎がおきます
 さらに、レクチンと結合した軟骨細胞に対する「抗体」が作られてしまうと、身体中の関節が免疫の攻撃ターゲットになってしまいます。その結果おきるのが、リウマチ性関節炎です。
 つまり、レクチンを多く摂り続けていると、関節炎やリウマチになりやすいのです。

レクチンを多く含む食べ物とは?

 レクチンは、植物が捕食を免れるためにつくる「毒」ですから、『穀物や豆類の外皮や芽』に多く含まれています
 例えば、玄米や胚芽米、大麦(グラノーラ)や小麦(パン・パスタ・うどん)、稗や粟やキビなどといった雑穀には多く含まれていて、とりわけ多いのはキヌアです。
 大豆をはじめ、小豆やインゲン、ヒヨコマメ、レンズマメ、ソラマメなどといった豆類は、すべてレクチンの宝庫です。大豆を加工した豆腐や豆乳、枝豆や煮豆、厚揚げやガンモドキ、キナコや大豆プロティンなどは、すべてレクチンがたくさん含まれています。(味噌と納豆と醤油は、発酵によってレクチンが消失しています)
 ジャガイモの芽に含まれる「ソラニン」も、レクチンの一種です。ソラニンを摂取すると、激しい腹痛や嘔吐などの食中毒がおきます。ソラニンは水溶性なので煮汁に溶け出し、いくら加熱しても毒性がなくなることはありません
 ソラニンは、収穫後も光に当たると増えます。皮が緑色になったジャガイモにはソラニンが充満していますから、丸ごと捨てるべきです。また成長未熟なミニジャガもソラニンが充満していますから、丸ごと捨てるべきです。
 ジャガイモだけでなく、ナス科の野菜はレクチンが多く含まれています。
 例えば、ナスやトマトにはレクチンが多く含まれています。「秋茄子は嫁に食わすな」という言い伝えは、ナスをたくさん食べると不妊症や関節炎になるからです。
 また、ウリ科の野菜にもレクチンが多く含まれています。
 例えば、キュウリ、スイカ、カボチャ、ズッキーニ、ニガウリなどはすべてウリ科で、レクチンが多く含まれています。
 要するに、『玄米や雑穀+豆類+ナス科やウリ科の野菜』が中心の食生活をしていると、関節炎になりやすく悪化しやすいのです。

何を食べれば良いのか?

 関節炎を治すためには、できるだけレクチンを摂らないようにすることが大事です。
 炭水化物は、白米ごはんが良いのです。白米ごはんには、リーキーガットの原因となるレクチンやサポニン(界面活性成分)が含まれていません。また日本のお米は消化しやすい(アミロペクチンが多い)デンプンなので、腸内ガスを発生しません。
 さらに良いのは、無洗米です。無洗米は、単に「洗わなくていい」というだけのために作られたのではなく、「米のとぎ汁が海を汚染している」という事実を知ったお米の販売会社の社長さんが、「海の汚染を防ぐため」に15年もの歳月をかけて開発したお米です。海を汚染する成分が含まれたご飯はまずいし、食べたら腸内が汚染されるでしょう。だからその成分を落とすために、洗米してから炊くわけです。それを予め取り除いてくれているのが「無洗米」なのです。

 味噌汁には、海苔やワカメなどの海藻を入れるとよいでしょう。海藻のミネラルは体液のミネラルバランスに近いので、理想的なミネラル源です。それに対して、野菜のミネラルは体液のミネラルバランスとは程遠いので、野菜より海藻のほうが良いのです。
 海藻からは、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどといったミネラルのほか、ビタミンCや水溶性の食物繊維も摂れます。ヒジキの煮物やモズク、メカブなどを一品加えるのもよいでしょう。
 味噌にはアミノ酸やビタミンB群も多く、多数の微生物が棲息していて、整腸作用や抗ガン作用も認められています。大豆ですが、発酵によってレクチンがなくなっています。
 またダシの成分であるグルタミン酸には、食欲を増進する作用のほか、腸内環境を改善する効果もあります。
 つまり味噌汁は、理想的なミネラルとビタミンと水溶性食物繊維の補給源であるとともに、整腸作用と抗ガン作用もあるスーパーメニューなのです。

 タンパク質は、肉か魚から摂取するのが望ましいです。アレルギーがなければ、貝や卵でもいいでしょう。油で揚げると酸化油脂を多く摂ることになるので、なるべく煮るか茹でるか蒸すといった「水の調理」で加熱するほうがいいでしょう。
 ちなみに肉の動物性脂肪が、動脈硬化の原因になることはありません。動脈硬化の原因は、サラダ油に含まれるリノール酸です。リノール酸が血管の内皮に炎症をおこすことで、動脈硬化が進むことが脂質学会の研究で明らかになっています。
 リノール酸は炎症を悪化させますから、関節炎も悪化します。捨てるべきは、紅花油・大豆油・コーン油・ヒマワリ油・ナタネ油・キャノーラ油・グレープシード油などといったサラダ油です。こういったサラダ油を使って揚げた食品も食べないようにしましょう!
 さらに悪いのは、マーガリンです。リノール酸が多い油脂に水素を添加してつくったトランス脂肪酸は、細胞毒性があり炎症を悪化させます。また、マーガリンに含まれるジヒドロビタミンK2は骨の合成を阻害するので、骨が脆くなり関節の変形が進んでしまいます。
 調理に用いる油脂は、バター、ラード(豚脂)、MCTオイル、シソ油、米油、エキストラバージンオリーヴオイル(ギリシャ産)などを使うとよいでしょう。これらの油脂は酸化しにくく、炎症を悪化させるリノール酸が含まれていません。
 魚に含まれるDHAやEPAといった油脂には、炎症を抑える作用があります。しかし、摂りすぎると出血しやすくなるといったデメリットもありますので、毎日続けて魚ばかり食べているのはお勧めしません。魚は、週に2~3回食べれば十分です。
 ちなみに、DHAやEPAのサプリメントはお勧めしません。これらの油脂はきわめて酸化しやすいため、発ガン性の疑いがある防カビ剤が添加されているからです。

 野菜でいいのは、キャベツ・ブロッコリー・アボカドです。とりわけアボカドには、関節炎に有効なバターが豊富なので、週に3個くらい食べるとよいでしょう。大根や人参、レタスなどもいいですが、いずれも大量に食べる必要はありません。
 大事なのは、『白米ごはん・肉か魚・海藻入り味噌汁』です。

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