飲み会をすれば叩かれる世の中を考える

昨日から話題に挙がっているニュースにこんなものがある。

要約すると、「人気YouTuberたちが緊急事態宣言下で大規模飲み会していたよ!」ということらしい。
この行為が正しいのか間違っているのかは、あえて問わない。メディアが幅を利かせているこの世界で、かつコロナが蔓延して問題となっている中で飲み会をしてしまうのは、軽率とは思う。

しかし、一つだけ物申したい。今更こんなことを言ってもしょうがないのだが、それでもやはりおかしいと思うから、せめて記事として残したいのだ。

今回彼らは、法を犯しているのだろうか。
世間の炎上とは対照的に、恐らく誰一人捕まってはいない。

店側にどんな措置が下されたのかは分からないが、緊急事態宣言下の酒類提供・カラオケ提供なので、過料が請求されることであろう。
この件はそれで終わりのはずだ。規制されているのは店側で、それに対する罰則を甘んじて受ける。一般的には、それで全てが終わる。

しかし、YouTuberのようなこと有名人になると、それが火種となって燃え上がってしまう。

メディアが取り上げ、SNSでみなが好き勝手に呟き、事務所は謝罪しスポンサーにも苦情の電話が届く始末。「法を犯したわけでなく、罰則も特に受けない」個人に対して、まるで罪人のようにみんなで責め立てて、社会的に殺そうと躍起になるのだ。

それに私は物申したい。もしこの行為が明らかにおかしいとか危険だと思うのなら、責めるべきは彼らではなく、国ではないだろうか。そのような行為が規制されていないことが問題なのだから、法を整備して、同様の事項が発生しないように再発防止策を打つべきではないだろうか。

そんな風に言うと、「そんなの無理」「現実的でない」なんて言われる。何故無理だと思うのだろうか。
それはみんな、潜在的に分かっているからである。自分たちがおかしいと騒いでいる対象は、別の見方をすると正しさを含んでいるということを。

大人数での飲み会は感染者増加のリスクが高いが、それを法的に規制すると飲食店に多大な経営負担を強いることになる。それを補填するためのお金を出す力はこの国にはない。だから「推奨」だの「要請」だのといった中途半端な形で情報が発信される。結果、してもいいのかしてはいけないのか、一人一人のモラルに任せられることになり、判断がバラつくことになる。そして日本人の性質上、我慢をしている人たちが声を大にして、「お前らも我慢をしろ!」と訴える。メディアもそれを煽って、推奨や要請に従わなかった人たちがまるで罪人のように扱われることになる。

ちなみに筆者は、この緊急事態宣言下、ひたすら家で仕事やらPC作業をしていた。自粛の神である。その上で、飲み会をしたことがニュースになって総叩きされている絵面が、気持ち悪く映ってしまうというのだ。
感染を抑えるためにどういう社会にすれば良いのか、そのために法や措置はかくあるべきなのか、一人ひとりが考えて、規制を整える方向で声を上げるべきではないだろうか。YouTuberが飲み会していただの、謝罪がどうのといったニュースとそれに荒れ狂う人々を目にする社会ではなく、それをみんなで考えるきっかけにできる社会であればいいなと切に願う。

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