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予防業務の仕事内容について① 査察編

消防の仕事といえば、消火活動や救急・救助といった現場活動をイメージされる方が多いかもしれません。

しかし、消防には影の立役者ともいえる「予防業務」という仕事があるんです。一般の方からすれば、印象が薄い仕事かもしれませんが、私は予防系消防士として、この仕事を世に広めていきたい。

ということで、シリーズ第一弾「査察編」です。

予防業務といっても、様々内容の仕事があります。今回は代表的な仕事のひとつである査察についてお伝えします。


そもそも査察とは何⁈

ざっくりいうと、消防士が飲食店や物品販売店舗等の事業所に立ち入って消防法令に違反していないか検査をすることで火災を未然に防ぐ仕事です。

これは消防がもつ権限として、消防法第4条に謳われています。

消防長又は消防署長は、火災予防のために必要があるときは、関係者に対して資料の提出を命じ、若しくは提出を求め、又は当該消防職員にあらゆる仕事場、工場若しくは公衆の出入りする場所その他の関係のある場所に立ち入って、消防対象物の位置、構造、設備及び管理の状況を検査させ、若しくは関係のある者に質問させることができる。

消防法第4条

具体的にはどんなことをしているのか

建物に立ち入って検査をしていくのですが、直感的に「ここは火災が起きそうな建物のだな!」とか五感に頼りきるわけではありません。

消防士の仕事は「消防法」という法律が根拠となりますので、ここに書かれていることがちゃんと守られているかというところをみていきます。

例えば、建物に設置されている「スプリンクラー設備」 天井から水を浴びせて日を消すアレです。

これは、建物の用途と面積または階数等で必要かどうかが決められています。さらに、その設置の方法も消防法の中で具体的に決められているんです。

私達消防士はこれに基づいて、設置すべき建物に必要な設備が設置されているか、さらには設置の方法が適正かどうかを検査します。

また、設備関係だけではなく「防火管理者」と呼ばれる建物の防火の責任者に対してもフォーカスします。

例えば、防火管理者が適正に消防訓練等の義務を果たしているか等、法律を遵守しているかを確認していきます。

もっと具体的な実際の査察時の流れについては別の記事にしたいと思います。

査察の魅力

一番は人との繋がりができることです。
法令に基づいて検査をするといっても、結局は人対人です。

自分達が学んだ消防法を噛み砕いて伝えた結果、火災危険の本質を理解して行動してくれる。

これは、何よりやりがいを感じますし、信頼関係が構築されると思います。

実際に街に繰り出し、人と触れ合う査察
この人との繋がりこそが査察をやる最大の魅力だと考えています。

まとめ

火災現場や救急・救助活動など現場で活動することだけが消防士の仕事ではなく、事が起こる前に「予防」することも消防の大事な仕事の一つです。

「査察業務を行うのに査察専門の消防士を採用しているのか⁈」と以前聞かれたことがあるのですが、答えはNOです。

現場に行く消防士も査察に行く消防士も同じ消防士です。本部の規模により査察をメインにやることはあっても、人事異動で救急や救助といった現場活動をやる可能性があります。

つまり、消防士にとって査察の能力は必要不可欠なものなのです。

これから消防士を志す方もそうでない方も消防には予防業務と呼ばれる分野があり、その中の一つとして査察があるということを知って頂ければ嬉しいです!

最後まで記事を読んでくださりありがとうございました。

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