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ものづくりは企画・デザイン・製造・販売がセットだから、デザイナーとして全ての工程に関わった方が良い

自分の仕事はデザインをしているというより、ものづくりをしている感覚の方が近いです。ものづくりという大枠の中に、企画・デザイン・製造・販売があり、自分は全てに関わるようにしています。


なぜデザイナーはデザインだけをしているのか?

プロジェクトとして大きくなればなるほど、分業化されます。クライアントや企画部が企画を考え、デザイナーは決められた企画の中でデザインだけをします。そして、決められた図面通りに工場が製品を作り、販売部や営業部が小売店などで完成したものを販売します。

分業化することで、分野に特化したプロフェッショナルが仕事をするので、その分野では質が高くなります。一方で、商品の一部分にしか関わらないので、商品全体でちぐはぐになり、消費者と思いがずれることもあります。

そうならないように、ボスやディレクターという存在が居るのですが、どうしても関わる数が多くなるほど、分業化するほど、このズレは発生します。

逆に小さなメーカーやフリーランスは、一人で色々なことをこなします。単純に作業量は増えて、分業化したところと比べて、その分野では質は劣るかも知れません。

ただ、一から十まで関わることでずれることなく、商品を完成させることができます。商品全体として比べた場合は、後者の方が高いことも多々あります。


全てに関わる理由とメリット

まず消費者(ユーザー)との距離が近くなることがあります。すべてに関わると言うことは、販売にも関わります。実際にどういう人に使ってもらうのか、いくらで販売するのか、どこで販売するのか。

それらを考えることで、消費者がどういうものが欲しいのかを直接感じることができ、提案することもできます。

また製造に関わることで、今までにないデザインかつ実現可能なデザインを提案できるようになります。元々デザイナーは製造にも深くかかわる職種ですが、今後より関わる必要があると思っています。

そもそもデザインする際には、徹底したリサーチが必要になります。それは既存の知識を知り、新しいことを生み出すことにもつながります。まず知らなければ、何が新しいのかもわかりません。

またデザイナーとエンジニアはよく意見がぶつかると言われています。それはデザイナーが実現不可能な構造やデザインの製造をお願いしてしまったり、コストが見合っていない商品を考えることが原因だったりします。

つまり、それはデザイナーが製造を知らないことで原因だと言えます。


今は全てに関わることができる時代

少し前までは、フリーランスがすべてに関わるのはコスト的にも時間的にも実現不可能でした。ただインターネット・技術発達により、フリーランスでもすべてに関わり、モノづくりが出来る時代になりました。

企画とデザインに関しては元々の分野なので自分でできますし、製造に関してはインターネットで探して見積もりを撮ったり、実際に訪問して聞いてみたりして、お願いすることもできます。販売もオンラインストアがあるので、自分で販売に関わることもできます。

もしお金がなければ、試作を作ってクラウドファンディングで量産の費用を集めることもできます。自分やユーザーが使いたいものを自分で商品化できる時代です。ぜひ挑戦していきましょう。



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