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ものを「作る」と「売る」話

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地場産業・伝統工芸・量産品の「作る」と「売る」に関する記事をまとめています。
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#お店

なぜ価格と価値に差が生まれるのか。

ものづくりを知れば知るほど、市場にある商品が安く感じてきます。手間暇かけて工夫を凝らしたものが、何故こんなに安い価格で売られているのかと心配にもなってきます。 価格と価値の違いについてそもそも価格と価値とは何なのでしょうか?世界的に有名な投資家ウォーレンバフェット氏の言葉がわかりやすいので、引用してみます。 価格とは、自分が支払うもの。 価値とは、自分が得るもの。 つまり価格とは、商品につけられた値段のことで、商品やサービスを得るために、対価として支払うお金のことです。

規格外の商品を販売しだすと価格破壊が起きるのか?

最近農家さんから、規格外の商品を販売しだすと価格破壊が起きて、規格品も安くせざるを得ない状況になり、結果全体の売り上げが落ちるという話を聞きました。 プロダクト業界でも規格外品を販売したり活用しようという流れになっており、共通している部分も多くあり、個人的には色々と納得がいきました。 まず作り手側からすると、廃棄予定である規格外品(B品)を安く買ってもらうより、規格品を高く買ってもらう方が嬉しいということが分かります。 つまり、規格外品がたくさん売れたからと言って、儲か

伝統を身に着ける、組紐マスクバンド。蓄光糸・抗菌糸・正絹を組んだ革新的な組紐。

本日2021年3月3日(月)、クラウドファンディングサイトMakuakeにて先行販売を開始いたしました。 日本の伝統技術である組紐。 その組紐の伸縮性や組み技術を活かし、耳への負荷を軽減するマスクバンドとしてデザインしました。 さらに蓄光糸・抗菌糸・正絹の3種類の糸を組んだ組紐を開発しました。暗所で光り、菌の発生を抑え、肌に優しい。 製作は創立130年の龍工房。映画「君の名は。」の組紐や某ラグビーワールドカップのメダルの紐を監修。 商品名:組紐マスクバンド 【 プ

偽物が売れるという現状を何とかしたい。偽物は見せ方が上手いので、本物よりも本物っぽくに見えてしまう。

何を本物と色々と定義できますが、今回は本物とは【オリジナル】、偽物は【模倣品】として定義して考えてみます。 例えば、こんな偽物がたくさんあります。 ・ヒット商品の二番煎じで、同じようなものを安く作る。 ・海外産なのに表記をしていない。小さく書いてある。 ・伝統工芸品の名前が入っているのに、別の産地で作られている。 現在の市場には、本物の商品よりも模倣品の方が多く溢れているのが当たり前になっています。なぜなら、本物よりも安く、品質も変わらないようにみえるからです。 本当に

デザイナーが直販する時代。プロダクトデザイナーのオンラインストア一覧。

今週、自分のオンラインストアをオープンしました。 ぜひそちらも見てもらいたいのですが、同業者であるプロダクトデザイナーが運営しているオンラインストアがどのくらいあるのか気になって、調べてみました。 プロダクトデザイナーが自分でデザインしたものを直接販売できるのは良い仕組みだと思っています。なぜならユーザーに直接思いを伝えることができ、ユーザーとの距離が近くなるからです。 どんな人が買うのか、どうやって使うのかなどを知ることができるので、次の商品開発に活かせたり、ブラッシ

フリーランスのプロダクトデザイナーの2020年を振り返ってみる

2020年も、大変お世話になりました。 noteでは去年から100日連続更新したり、週1更新したり活動したりと、ものづくりを中心に記事を書いていました。まとめるとこんな感じでした。今年はnoteを通して、大きな反応を頂けてありがたい限りです。 来年もデザイン・ものづくりについて、特に販売についても書いていければと思います。色々と試行錯誤しながら、noteでも面白いことが出来たらと思いますので、これからも暖かい目で見て頂けたら嬉しいです。 今回は2020年について、簡単に

プロダクトデザイナーが陶芸を習い始めて一年経ったので、町の陶芸屋さんをそろそろ始める。

本業がプロダクトデザイナーの自分ですが、自らの手でモノを作りたくなり、一年ほど前から陶芸を始めました。少しは上達してきたので、自分のためではなく、人のために作品を作って販売していきたいと考えるようになってきました。 そこで思いついたのが、町の陶芸屋さん。 町の陶芸屋さんとは何かというと、お店には器は置かないで、来たら話しながら、欲しい器のイメージを聞いて、自分がデザインして作って、一か月後にお届けするみたいな感じです。 つまり、既に作った器を販売するんじゃなくて、オーダ

物を売る方法を改めて考えてみる。

今回は消費者に商品を直接買ってもらう方法を考えてみます。 B2CとB2Bでは販路拡大の戦略が異なりますので、法人の販路(B2B)については、既存顧客からの紹介が一般的かと思いますので省きます。 前提として、中小製造業の新規事業、町工場や伝統工芸の職人さんがこれから新しく商品を売ることを想定して話していきます。 リアルかオンラインか 商品を新しく作るときに、まずどこで・誰に・どうやって売りたいかを具体的に考えることをおススメします。どこで売るかも分からないまま商品開発を先

板橋区は都内有数のものづくり地域?板橋でオープンファクトリーをやりたい。

今現在、自分はプロダクトデザイナーとして日本全国を飛び回り、伝統工芸から町工場まで地場産業を活かしたモノづくりをしています。 関わってきた地域を地図(2018年・2019年)で以前まとめてみましたが、北から南へ非常の多くの職人さんやメーカーさんと仕事をさせて頂いています。これは本当にありがたいことだと思っています。 一方で、地元である板橋の伝統工芸や町工場の職人さんと仕事がしたいとも強く感じてきました。現在は東京都という括りでは職人さんと仕事をしていますが、板橋の職人さん

自分がデザインしたものなら熱く話せて、物の用途から産地まで誰よりも詳しく説明できる。なので、お店ではこれから販売していく。

6月20日、板橋のお店オープンとなりました。 最初のうちは、土日メインに営業することを考えております。お越しの際は、なるべく事前にご連絡して頂けると幸いです。平日も開いていますが、自分が居ない可能性もあります。 お店と言いつつ、量産がまだ間に合っていないモノも多いので、最初のうちはギャラリーのような実物を見れる場所として来てくれれば嬉しいです。 カフェも併設してあり、こちらは定休日以外は空いております。このご時世ですので、ごゆっくりとお越し頂ければ幸いです。 <アクセ

築100年の古商家「板五米店」で、お店を始めます。

ご縁あって、地元の板橋でお店を始めることになりました。 場所は築100年の古商家「板五米店」を間借りして、営業します。大正3年(1914年)に建てられた板五米店は、元々は米殻類の販売所で、江戸時代の宿場町である板橋宿の面影を残す、歴史的な建造物です。 板橋区の有形文化財に指定されており、今自分が携わっている伝統の仕事と最適な場所だと感じ、こちらをお借りしようと決めました。 まずは自分が関わっている伝統工芸・町工場の地場産品を販売していく予定です。面白い場所にしていくので

縁あって、板橋でお店を始めることになりました。

地元である東京・板橋で、本当に自分のお店を始めることになりました。 最初は自分が関わっているモノづくり、伝統工芸・町工場の地場産品を中心に販売していく予定です。面白い場所にしていくので、ぜひ板橋に遊びに来て下さい。 場所や詳細については、後日正式に告知させて頂きます。今回はその思い立った経緯などをお話し致します。 お店を始める理由今まで「物を作る」だけでなく、「物を売る」大切さを書いてきました。ゆくゆくは自分のお店をやりたいと思っていたところ、ご縁があって本当に始めるこ

販路を広げるなら、まず手に取りやすいモノで知ってもらってから、本業のモノを買ってもらう流れがオススメ。

伝統工芸品でも1万円を超えると買う人が絞られてきます。さらに5万円を超えると、その場で販売するのは相当難しくなります。 もし販路を広げるなら、裾野を広げるなら、まず手に取りやすい価格のモノを新しく作り、良さを知ってもらう。それから、本業の質が高いモノを買ってもらう流れを作るのが良いかと思います。 ハードルを下げる。本業のモノは質が高いのですが、値段も高い傾向があり、今まで関わりの無かった人にとって、知らないモノは買いにくいです。そうなると、新規の利用者や購入者は増えず、既

サークルを立ち上げます。「これからのモノづくりを考える部」の内容について

皆さま、初めまして。 プロダクトデザイナーの三島と申します。日本全国を飛び回り、伝統工芸や地場産業を活かすモノづくりをしています。 noteでは、ものづくりの「作る」と「売る」についての記事を書いてきました。今までは自分の経験の話や考えを書いてきましたが、これからは皆さんと一緒に考えたり、実際に作っていくこともやりたいとも思います。 そのために、今回サークルを立ち上げました。 「これからのモノづくりを考える部」 コンセプト モノを「作る」「売る」「使う」を考える。一