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ものを「作る」と「売る」話

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地場産業・伝統工芸・量産品の「作る」と「売る」に関する記事をまとめています。
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2021年1月の記事一覧

三味線をデザインするために、三味線を習い始めた話。

みなさんは三味線を弾いたことがありますか? 普段の生活では見かけることも少なくなりましたが、誰もが三味線を手にしていたという時代も日本にはありました。例えば、カラオケのない時代では伴奏は三味線というのがお決まりで、日常的によく見かけるものでした。 ただ時代と共に、三味線を習う人は減りつつあります。同時に三味線を作る職人さんも、どんどん減りつつあるというのが現状です 自分も今までは三味線とは関わりが無かったのですが、縁あって何年も前から東京三味線職人さんと仕事をするように

デザイナーが直販する時代。プロダクトデザイナーのオンラインストア一覧。

今週、自分のオンラインストアをオープンしました。 ぜひそちらも見てもらいたいのですが、同業者であるプロダクトデザイナーが運営しているオンラインストアがどのくらいあるのか気になって、調べてみました。 プロダクトデザイナーが自分でデザインしたものを直接販売できるのは良い仕組みだと思っています。なぜならユーザーに直接思いを伝えることができ、ユーザーとの距離が近くなるからです。 どんな人が買うのか、どうやって使うのかなどを知ることができるので、次の商品開発に活かせたり、ブラッシ

エコやSDGsを売りに出してる商品は、機能やデザインにおいては既存の劣化版?

SDGsが掲げられるようになってから、エコ素材を使用した商品やエコ機能を持つ商品がより一層増えてきました。 身近なところで言えば、エコバッグ。 ビニール袋が有料化になってからは、エコバッグを持つ人が増えてきて、今では当たり前のようにマイバッグを持っている人が増えました。エコを普段から意識するようになると言う点では、非常に良い変化だと感じました。 一方で、ビニール袋は実際の環境負荷が少なく、全国の自治体のゴミに占める割合が0.4%でしかないという結果もあります。さらにエコ

3Dモデリングを使える人が増えたらプロダクトデザイナーの仕事が減るみたいな話を聞いたけど、そんなことない。

3Dプリンターの台頭などで、3D自体に興味ある人が増えています。それに必要な3Dデータを制作するためには、今までは多くの時間とコストを費やして3DCADソフトのスキルを習得する必要がありました。 ただ、オンライン学習環境、無料で使える3DCAD(3DCG)ソフトウェアなどが出てきたことで学びやすくなり、本業以外で3Dモデリングの勉強をする人が増えつつあります。 その中で、3DCAD使える人が増えたらプロダクトデザイナーの仕事が減るみたいな話を聞きました。果たして、そうなの

落としたら大体のものが危ない。

そんなこと誰でも知っている事ですが、商品開発の現場では「落としたら危ないかも」という理由でデザイン変更を求められることがあります。 これが正しいかどうかは置いておいて、何でも過敏に反応しすぎることが良くないと感じます。 基本的にガラスのコップでも包丁でも何でも落としたら危ないですが、本来の用途から離れたら大体の物に危険性があるってことを理解したほうが良いです。つまり、落とさなくても使い方によっては危ないってことです。 それでも「落としたら危ないかも」と言う理由でデザイン