「見る音」@創作の種

水面に波紋が広がる。あちらこちらに円状の波紋が見える。お、雨か?と空を見れば、どんより暗い雲が項垂れている。「ポタポタ」が「ポタポタポタ」になって「ザーザー」になる前に、家に戻ろう。

漫画の表現では頻繁に、オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)が用いられる。音を発さない紙面から、自由自在に音を発することが出来る。それらの音は字形もデザインされ、文字そのもので音を表現することができる。僕は集中線と並ぶ、大発明だと思っている。

音は言うまでもなく、空気の振動である。見えるものではない。
この見えない音を可視化することに、興味がある。


オーディオ機器に備わっている「オーディオメーター」「ラウドネスメーター」というものがある。音が大きければ針が大きく振れる or メーターが大きく表示され、小さければ針は小さく振れ、メーターは小さく表示される、アレだ。音の大小という点で、目に見える形になっている。


それと少し関連したところで、とても好きな作品があるので紹介する。

(50) Audio Architecture - YouTube
・Audio Architecture(Cornelius)(※1)
 音のイメージや楽曲の進行が様々な図形で表現されていくこの作品は、音ハメの気持ちよさもあり、気付けなかった音にも気付くことができる。2:58~あたりの「Loud」からの「Quiet」は休符を聞かせる(音が無いのに聞こえている!?)点でとても面白い。

(50) 東京塩麹 単独ライブ『ジャーニー 目黒→横浜→金沢』 - YouTube
・『ジャーニー 目黒→横浜→金沢』東京塩麴(2022)(※2)
 ミニマルミュージックを展開する東京塩麴のライブ映像。無料で見れて良いのかとも思うけど、折角見れるんだから見て欲しい。映される映像は音ハメというより、イメージよりな印象。音の楽しみやステージとしての楽しみを拡張してくれている。繰り返しながら展開していくことで、先の展開が「見えてくる」、が、良い意味で予想を裏切るトリッキーな展開を見せて魅せていくバンドである。


「聞く」と「聴く」の違いは多分、どこかの教育課程で習う。
「目で聴く」ということは多分、習わずして身に着けていく。


ここからは創作のネタを記していきます。
キーワードとしては「無音」「環境音」「聴覚以外」あたりだろうか。

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