貴方はもう「微分と積分」を仕事で使ってる
微分と積分のコンセプトは仕事で使える
突然ですが皆さん、高校の時に習った「微分と積分」って理解できました?
僕は高校生の頃、そもそも微積分が生まれた背景や、何に役立つのかをまったく理解せず、ただ受験に出るからという理由で暗記していました。
ただ、エンジニアやプロダクトマネージャー、特に機械学習を活用した仕事に関わり始めてから、当時習っていた数学的知識が「ああ、そういう背景でこの数学的アプローチは生まれたのか」「めちゃくちゃ使えるじゃん!」と再発見できることが多くてですね。
結論から言うと、微分積分のコンセプトは、ビジネスの世界でも使える、というか、貴方は既に使っているということが言いたいです。
積分は細かく分割してから足し合わせて全体を推定
まずは、イメージしやすい積分の方から。
「積分って何?」と聞かれたら、要するに「細かく分割したものを足し合わせて全体を推定する方法」ということになります。
積分の起源とされる「アルキメデスの求積法」は、放物線と直線で囲まれた全体の面積を求めるために、三角形に分割してから全体を推定するという極めてクリエイティブな方法です。
でも、この「全体を細かく部分に分けたあと、それらを足し上げて全体像をイメージする」って、プロダクト開発の現場でも開発工数を見積もるために自然とやってますし、開発以外でも、あらゆる仕事の現場で見かけるシーンですよね。
巨大なコンセプトやプロジェクトは、単なる作業ではないので直接実行できません。まずは、それを何とか扱えるようにするために数百〜数千にまで分割され、その具体的なタスクが実行されて、ようやくプロジェクトは「実現」するわけです。
そして、この積分的な仕事のアプローチは、僕のブログ「ユニコーン転職日記」でも書いてまして。下記の「②大きな問題を見つけて、扱える形に分割する」というのがそれです。
さて、次は「微分」です。
微分は「それどれくらい勢いあるの?」を描写
微分の目的は、数学的には「接線を求めるため」とか「傾きを求めるため」とか言われますが、接線とか傾きって、要するに何を表すんですかね?
これは、僕の解釈だと「変化の度合い」であり「動く点の瞬間的な進行方向」です。当時ならった微分の表記法「dy/dx」ですが、あれは瞬間的な変化の度合いを測定しようとしていたんだと思います。
これをビジネスで例えるなら、コンサルタントがつくる市場分析や競合分析などのスライドは、ある時点でのスナップショットに過ぎませんが、スナップショットを連続的に観察していった時、短期間で変化量の大きな企業があったら、その企業は加速度的に急成長している証拠です。
急成長企業に転職を考えている人にも、有効な考え方だと思います。
この微分的な考え方については、こちらのブログに書いてました。
僕がこの記事で言いたかったのは、市場における「微小な時間の微小な変化」= 加速度に注目しようね、という話です。ちょっと見ない間に急成長する企業がいて、それこそがNEXTユニコーン企業の候補なので。
ちなみに、微分についてはMachine Learningでは常に必須です。
・グラフ上にどう直線を引いたらデータを最も綺麗に分類できるか(傾きを求める)
・関数のパラメーターを変化させながら最適値を探る「確率的勾配降下法」
ということで、今日は以上です。
また気づきがあったら共有させてください。
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