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今年は8月2日:アースオーバーシュートデーとは何か?

アースオーバーシュートデーとは何か?

アースオーバーシュートデーとは、人類が1年間に使える地球の自然資源を超えて消費してしまう日のことです。

この日付は、国際環境シンクタンクであるグローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)が毎年算出しています。

計算方法は、地球の生物資源の供給量(バイオキャパシティ)を人類の消費量(エコロジカル・フットプリント)で割り、その比率を365日にかけるというものです。

アースオーバーシュートデーが早まるということは、人類が地球の再生能力を超えて資源を使い過ぎているということです。

逆に言えば、アースオーバーシュートデーを遅らせることができれば、地球の持続可能性が高まるということです。アースオーバーシュートデーは、私たちが地球に与えている影響を可視化する指標の一つです。

アースオーバーシュートデーの歴史と現状

アースオーバーシュートデーは1970年代から計算されていますが、その日付は年々早まっています。

1970年には12月29日だったアースオーバーシュートデーは、

2023年には

8月2日

になりました。

これはつまり、人類が1年間で地球1.75個分の資源を消費しているということです7。

また、国や地域によってオーバーシュートデーの日付は異なります。

例えば、2023年の日本のオーバーシュートデーは5月6日でした。

これは世界平均よりも約3か月早く、日本人が必要とする自然資源を日本だけでまかなおうとしたら7.8個分必要だということです。

一方で、ニジェールやミャンマーなどでは12月にオーバーシュート予定であり、消費活動が穏やかな国もあります。

アースオーバーシュートデーの影響と課題

アースオーバーシュートデーが早まることは、地球環境や生物多様性に悪影響を及ぼします。自然資源の枯渇や森林破壊、気候変動や海洋汚染など、さまざまな環境問題が深刻化しています。これらの問題は、人間の健康や安全、経済や社会にも影響を与えます。例えば、食糧危機や水不足、感染症や災害などが起こりやすくなります。

アースオーバーシュートデーを遅らせるためには、人類のエコロジカル・フットプリントを減らす必要があります。しかし、それは簡単なことではありません。

人口の増加や経済の発展、生活水準の向上など、人類の資源消費を増やす要因は多くあります。

また、資源の分配や利用には不平等や不公正な側面もあります。オーバーシュートデーを遅らせるためには、これらの要因に対して、科学的な根拠と倫理的な観点から、持続可能な社会を目指す必要があります。

アースオーバーシュートデーを遅らせるためにできること

アースオーバーシュートデーを遅らせるためには、国際的な協力や政策の改革が必要ですが、個人や地域レベルでもできることはあります。

グローバル・フットプリント・ネットワークは、「 Power of Possibility (可能性の力)」というプラットフォームで、アースオーバーシュートの逆転と生態系の再生(リジェネレーション)を目指す事例を紹介しています。以下にいくつかの例を挙げます。

  • 再生可能エネルギーの利用を増やす。世界の低炭素電力源を39%から75%に増やすと、アースオーバーシュートデーは26日遅れます。

  • 食品ロスを減らす。食品廃棄を半減させると、アースオーバーシュートデーは13日遅れます。

  • 植林や樹木の間作を行う。樹木の間作を行うと、アースオーバーシュートデーは2.1日遅らせることができます。

  • 節約・節電・省エネを心がける。家電製品や交通手段など、エネルギー効率の高いものを選ぶことで、エコロジカル・フットプリントを減らすことができます。

  • エシカル消費やフェアトレードを支援する。環境や社会に配慮した商品やサービスを選ぶことで、持続可能な生産・流通・消費システムに貢献することができます。

まとめ

アースオーバーシュートデーは、人類が地球の自然資源を使い果たす日のことです。2023年は8月2日になりました。

アースオーバーシュートデーが早まることは、地球環境や生物多様性に悪影響を及ぼし、人間の健康や安全、経済や社会にも影響を与えます。

アースオーバーシュートデーを遅らせるためには、人類のエコロジカル・フットプリントを減らす必要があります。そのためには、国際的な協力や政策の改革だけでなく、個人や地域レベルでもできることがあります。私たちは地球に対する影響を自覚し、持続可能な社会を目指す必要があります。オーバーシュートデーは、私たちに地球との関係を見直す機会を与えてくれます。私たちはどのような未来を望み、どのような行動をとるべきでしょうか?


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