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会社で起こったことは、すべて社長の責任である〜2〜

会社で起こったことは、すべて社長の責任である」のお話の続きです。

大手メーカーのみなさんを相手に、製造部門の「安全」をテーマにセミナーを行ったことがあります。
私がひと通りお話をして、その後、質問の時間になると、受講者の一人の安全担当者が、「(私は従業員に)いつも安全に対するアンテナを敏感に張れ、危機管理への感度を良くしろ、と言っています。これでいいのでしょうか」と私に質問しました。
私は唖然として「これまでの2時間、あなたは私の話の何を聞いていたのですか?」と言ってしまいました。
 
製造現場で日々働いている従業員にとって、「危険」は当たり前の存在です。
感覚を鋭くすべきなのは「経営者」です。すべては経営者の責任です。
そのことを2時間かけて口を酸っぱくして言ったつもりでしたが、全く伝わっていなかったことに私は唖然とし、さらにそのあと「社長はちゃんと聞いているのか!」とも言ってしまいました。
 
セミナーはオンラインで同時配信されており、社長も聞いていたはずです。安全担当者は慌てて「いや、悪いのは私です」と謝っていましたが、それはそれで問題です。
というのは、社長は「安全」に対する感度がないばかりか、従業員が何でも「自分が悪い」と責任を感じてしまうような風土・文化を作り出しているからです。
 
「すべて自分の責任」と考えることが重要なのは、経営に限ったことではありません。
結婚生活も同じでしょう。あなたが悪い、お前が悪い、と言っている限り、問題はこじれるばかり。「自分に責任がある」と考えて、初めて局面は変わってきます。
私は離婚経験者ですが、あの時「自分の責任だ」と考えていれば、結果は変わったのかなどと、数十年経った今になって考えます。

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